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謎の感動。
もうまもなくですね。2年に1度のビッグイベント「東京モーターショー」が開幕するのは。今年は2017年10月27日(金)~11月5日(日)、東京ビッグサイトを軸としたエリアで最新の車やバイク、パーソナルモビリティ、関連技術の展示が行なわれます。
たくさんのメーカーが出展する中、ギズモード・ジャパンでは、主催者展示「TOKYO CONNECTED LAB 2017」の3つのブースを推したい! 3つの内訳ですが、9月にレポートしたPlayStation VRを用いて30人同時プレイを行なう「THE MAZE」、トークイベントブースの「THE MEET UP」、そして直径24mの超大型半球ドームを用いた「THE FUTURE」。今回はその中の「THE FUTURE」を一足お先に体験してきましたよ。
「THE FUTURE」は、東京モーターショー公式アプリもしくは会場内の端末を用いてアンケートに答えてドームに入ると、あなたが選んだモビリティが、未来都市を走る様子を見せてくれる体験型コンテンツです。

参加者1人1人が選んだ未来の世界が表示され、他の人がどんな未来を夢見ているかの全体像を見ることができるんです。いやー、これが結構衝撃でした。
というか、ドーム、でか!
10月某日某所。ギズモード・ジャパン取材班は「THE FUTURE」のコンテンツ製作途中の現場に潜入しました。
直径24mの半球ドームで、高さは12m。同時に300人が入れるサイズです。と、聞いていましたが、数値で見るのと実物みるのとでは大違い。考えてみればマンションだったら5~6階建ての高さになるわけで。
やっぱでかい! よくこれだけのドームを作れるもんです。プラネタリウムのように常設ならまだしも!
なんでも常時空気を送り込んで膨らませているので、ドアの開き方を間違えると数十秒でぺちゃんこになるみたい。どんなコンプレッサーを使っているのでしょうか?
選べる未来は6種類

前述のとおりアンケートに答えて入場すると、自分専用モビリティが未来を走る様子が映し出されます。その未来は、SOCIAL GOOD、UNIVERSAL、MOVE、DRIVE、PRIVATE、SHAREの6つにカテゴライズされています。どんな未来なんでしょうか。
説明をうけ、ドームへの扉が開かれると...わあ。ああ。ああああ。
ここはスペースコロニーでしょうか。桃源郷なのでしょうか。
目まぐるしく変わっていく、ワイヤフレームで描かれた未来の交通社会。広大な都市のなかに一人の住民として参加しているように感じながらも、謎の感動と全能感が身体を支配します。ミニマムな立場で見ているのに、神の視点も感じられる。すごすぎ。どんどん語彙がなくなってきた。「わー!」「すっごーい!」ばかりなんですもん、脳が。おとなもこどももおねーさんも、みんなこうなる。はず。
各未来予想図のデモが始まる前に、現在の未来を選択した人の割合と、その未来を走ろうとしているモビリティがニックネーム込みで表示されます。自分の乗るヤツはどれだ!これだ!と探すだけの冷静さは確保しておかねばなりません。ということで6つの未来を1つずつ見ていきましょう。
1. SOCIAL GOOD
SOCIAL GOODは完全自動運転で渋滞を解消、ゆえに信号や標識が不要になり、街の景観をより美しく保てるようになる未来。交通事故もなくなりますし、災害時にはバッテリーとしても使えるようになります。社会インフラとクルマが融合することで、世の中全体がよくなる世界になるんですね。
2. UNIVERSAL
UNIVERSALは超高齢化社会を見据えた未来です。街には自動循環バスが走り、免許を返還したお年寄りも気軽にスーパーやコンビニ、病院に行くことができます。また歩行をアシストするパーソナルモビリティが普及し、段差などの障害もクリアしてくれますから社会全体のバリアフリー化が進みます。 誰にとっても便利で暮らしやすい場所。いいじゃないですか。
3. MOVE
MOVEは完全自動運転化により、無人トラックの隊列やドローンによる輸送技術の向上を見据えた未来。SOCIAL GOODに近いところがあります。ということは両立できる未来ゴクリ。物流のイノベーションが起きた先の世界はどれだけ楽な世界となるのか。これ、重要な問題です。通販ラブな人が多い現状を考えると。
4. DRIVE
DRIVEは、いくら自動運転の技術が進化したとしても、やっぱり自分で運転もしたいよね、という未来を示すもの。ハンドル握ってアクセル踏み込んで。僕もいちクルマ好きだしバイク好きだし、最初はこの未来がいいなと思っていました。でも完全自動運転化によって事故と渋滞の可能性を大幅に低減できるSOCIAL GOOD、MOVEとの相性はちょっと悪いところが。

東京モーターショーにくるお客さんは、ドライビングプレジャー重視の方が多いように予想しますがどうなるでしょうか。他の未来との支持率と見比べたい。
5. PRIVATE
PRIVATEもSOCIAL GOOD、MOVEとマッチする未来です。完全自動運転化によって、車内は自由に過ごせる空間になる世界を描いています。一眠りするもよし、ご飯食べたり団欒したり、チャットするのもよし。ときにつまらなく感じてしまう移動時間をポジティブにとらえることができるでしょうね。
6. SHARE
最後はSHAREな未来です。マイカーの存在感は薄れ、スポーツカーもトラックもマイクロバスもみんなでシェアする未来です。レンタカーを借りやすくする、というだけではなく、乗りたい場所にお出迎え&降りたい場所まで自動運転に加え、自分でも運転したいという気持ちを叶えてくれるもの。DRIVEの互換性をもたせつつ拡張したものとなるようです。
みんなの願いを集めて育っていく未来都市
「シンプルな驚きを、感じてほしいんです」と語ってくれたのは、「THE FUTURE」の製作を担当しているDentsu Lab Tokyoクリエーティブ・テクノロジストの木田さん。 2016年12月、カーネギー国際平和基金が発行する雑誌「フォーリン・ポリシー」の100 Leading Global Thinkers of 2016(世界の頭脳100人)に選出された1人なんですって。好きなプログラミング環境はProcessing 。デジタルアートや自作電子楽器の分野で人気の言語ですね!
「1939年のニューヨーク万博に、フューチュラマという展示があったんです。未来をイメージしたジオラマを、動く椅子に座りながら眺めていくライド型アトラクションで、後のディズニーランドでも採用されました」
フューチュラマを現在の技術で再現したら、というのが「THE FUTURE」のコンセプトで、巨大なドームに映像をプロジェクションするという仕様となりました。
「俯瞰だけでは描けない世界を作りたかったんです」
街の一員になったかのような、その世界を構成している一要素となったような、圧倒的な没入感に心囚われてからのインタビューだったので、ハラショー三唱。しかもコンテンツ面においては、参加者の回答に合わせて世界が変化していくインタラクティブ性もあるというじゃないですか。
「自動車の未来はこうだ、と言い切りたくはなかった。人それぞれ、こうなってほしいなという未来の形があるはずです。そこで国内外の自動車技術関係のカンファレンスに参加したり、学者の方とお話したりして、だいたい6つの未来に絞り込みました」
アンケートの結果によって都市の構造は変わっていきます。CGが生成されつづけていきます。最終日にはどんな未来都市となるのでしょうか。
みんなの未来を可視化する。みんなが未来を考える
一回だけじゃない。会期中は何度でもアンケートに答えなおして、「THE FUTURE」のドームに入場できます。最初に選んだ未来を垣間見て、ほかの未来を支持したくなったとしてもOKですよ。
「THE FUTURE」体験後も選びたい未来は変わるかもしれないし、ほかのブースでも影響受けちゃうかも。だからこそ、自分だけではなくみんながどんな未来を選んだのかも知りたい!
1人で入ったら自分がどんなモビリティの未来を選んだのかSNSにシェアしたくなりますし、友達と入ったらお互いの選びたい未来を肴にプチ討論してもよし。パートナーや家族と体験したら、彼ら彼女らの意見を汲み取った上で自分の理想を話してみるのもいいでしょうね。
Photo: ギズモード・ジャパン
Source: 東京モーターショー2017
(武者良太)