必要は発明のネフェルティティ。
オープンワールドのエジプトを舞台に、アサシン教団の起源に迫る最新ゲーム『アサシン クリード オリジンズ』。開発社であるUbisoftは、世界観をリアルに作ろうとするあまり、ヒエログリフをより簡単に翻訳しようと人工知能での解読を試みたのだそうです。
gamesindustry.bizによりますと、このプロジェクトに使用するのはGoogle TensorFlow。これはオープンソースのディープラーニング/多層ニューラルネットワークライブラリで、言語処理や顔認識、画像検索および画像を認識して文章化するアルゴリズムなどに強いソフト。
そしてこのプロジェクトは「ザ・ヒエログリフィック・イニシアティヴ」と名付けられ、できるだけたくさんのデータを収集/活用するべく、エジプト研究に関係する人たちに向けたオープンソースとなっています。
活用事例までは報告されていませんが、たとえばこのソフトが入ったスマートフォンでロゼッタ・ストーンの写真を撮ると、象形文字が瞬時に翻訳されたりする…という使い方もできるのかもしれません。
エジプト学者で博士号の学生であるパーリーン・ポイロンさんいわく、「このプロジェクトはエジプト学研究の時短に役立つ可能性を秘め、ヒエログリフの魔法を解き放ち、新たな人々の興味を引くかもしれません」と期待を高めています。
ぶっちゃけいうとゲーム作りの為にイチイチ解読するのが非効率的だというのが動機のようですが、結果として考古学者の役に立つことになり、まだ見ぬ新発見に繋がる可能性を大いに孕む取り組みとなってしまいました。
ヒエログリフが使われたのは紀元前3200年頃~400年頃と言われていますが、人工知能のおかげで、やっと手軽に翻訳される時代が到来したのです。しかもゲーム開発で楽チンしようとした結果というから、メジェド様もビックリですね。
Image: Dabarti CGI/Shutterstock.com
Source: gamesindustry.biz
Reference: Wikipedia
(岡本玄介)