もうすみっこに置かなくていい。
この分野では元祖で、今でも市場で1位のシェアを誇るAmazonのスマートスピーカー「Echo」。しかし2015年に登場した初代Echoは、テック業界では長寿ともいえる2年のあいだアップデートされませんでした。
そして2017年10月、上の2代目Echoが登場。ちなみに初代Echoと同じ大きさのモデルは、Echo Plusとして生まれ変わりました。
2代目Echoは、初代と同じスペックでありながら、外観デザインと価格が大きく変更されたモデル。では、使い心地にはどんな変化が訪れたのでしょうか? 米GizmodoのAlex Cranz記者がレビューしています。
初代Amazon Echo(以下Echo)は見た目が残念な黒々した筒で、部屋のすみっこに人知れず置かれるべく作られていました。でも新しくなったEchoは、はるかに見目麗しくなりました。中身はいきなり高速化したわけでも、賢くなったわけでもなく、やってくれることは初代Echoとまったく同じです。ただ見た目が残念じゃなくなり、しかもお値段はぐっと手頃になっています。

Amazon Echo
・これは何?:初代スマートスピーカーをアップデートしたもの。
・価格:100ドル(約1万1000円)
・好きなところ:見た目をカスタマイズできます!
・好きじゃないところ:スピーカーとしては相変わらず、大したことないです。
Echoシリーズの重点はつねに、いかにうまく機能するかということと、いかに安くできるかということにありました。見た目が素敵かどうかってことは、Amazon製品においてははるか彼方に置き去られている感じがしています。
初代Echoの後で発表されたEcho Dot(以下Dot)やAmazon Tap(以下Tap)も、同じ考え方です。多分Amazonにとって、見た目の良いデバイスを作ることは、とにかく使えるデバイスを作ることほど重要じゃなかったのです。少なくとも考え方はそのようでした。ただTapに関しては、Alexaを呼び出すために物理ボタンを押す必要があって、機能面でもEchoの良さが根底から台無しになっていましたが。
でもDotに関しては評判も上々。Dotは、Echoの高さの大半をちょん切って値段も7割以上さげたもので、音質はますますイマイチでしたが、「安くて、ちゃんと使える」ってことが重要でした。そういう意味でDotは、Echo自体よりもEchoの本質を体現している感すらありました。さらにオーディオの出力ポートもあって、もっと良いスピーカーにつなぐこともできました(新しいEchoはこの点をきっちりコピーしています)。実際米Gizmodoの記者たちも、友だちに聞かれたらEchoよりDotを勧めていたくらいです。Dotは決して派手な存在じゃありませんが、安いしちゃんと機能して、コストパフォーマンスが高かったんです。

でもAmazonのこうした機能重視のアプローチが有効だったのは、昨年末まででした。それまでずっと、Amazonだけが唯一スマートスピーカーを作っていたので、見た目なんかどうでもよくて、ちゃんと質問に答えられて音楽をかけられればそれでよかったんです。
しかし最近、市場にはいくつものスマートスピーカーが参戦してきました。たとえばHarman KardonはCortana搭載で初代Echoみたいなスピーカー「Invoke」を発表しましたし、Appleも今年12月にSiri搭載の「HomePod」を発売予定です。

でもAmazonのお尻に火を付けたのは多分、Google Homeです。Google Homeはもっと可愛いだけじゃなく(低音も良いし)、その見た目がカスタマイズできるんです。それに引き換えEchoは本当に残念な外見で、こっそり隠して使うべくデザインされたものみたいに思えてました。
でも新Echoは小さいし、カスタマイズできる可愛いシェルで、家のどこにでも置きやすくなりました。機能面ではオーディオ(音質)は大して変わりません。またマイクが追加されてはいますが、これまでのEchoで音楽再生中に声が聞き取られないって問題がなければ、違いをあまり感じないと思われます。今回意味のある違いは、デザインと価格だけです。

Echoは2015年6月に発売された黒い筒から、しっかりと成長しました。Amazonはこのスピーカーを、またはこの記事でも言及したEchoのさまざまな派生機を、各家庭に行き渡らせようとしています。プライバシーは引き続き気になりますが、その点を許せる人には、このEchoはオススメできます。やっぱり見た目も大事、ってことですね。

まとめ
・新型Echoは初代Echoとだいたい同じですが、お値段が100ドル(約1万1000円、初代Echoは180ドル)です。
・マイクが追加され、周りの音が大きいときも音声をよく拾えるようになっています。
・インテリアに合わせてシェルを交換できます。
・見た目が前よりずっと良くなりました。
ちなみに日本でもEchoの発売が発表されましたが、どのEchoが発売されるのかはまだわかっておらず、この新しいEchoがちゃんと買えるようになることを祈ります。
Image: Alex Cranz/Gizmodo US
Source: Amazon
Alex Cranz - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)