LINEの誤爆が救済されるいっぽう、Facebookは…。
一度ネットに載ってしまった情報は絶対に消せないといわれます。実際、誰かがコピーしてしまえば、元ネタを消しても意味がありません。とはいえセレブのヌード写真とかと違って、一般人がついソーシャルメディアにポストしてしまった仕事のグチとか恥ずかしい写真とかは、本人が削除すればあとは問題ないことがほとんどです。我々にとっての真の悪夢は多分、ポストを削除する機能自体がなくなることです。
が、Facebook(フェイスブック)はまさにその悪夢の実現に向かっているのかもしれません。Venturebeatによれば、何十人というユーザーがFacebookからポストを削除する機能が消えたと報告しているんです。この情報にはちゃんと証拠があるようで、少なくとも何人かのユーザーは、Web版Facebookのポストの右上にあるドロップダウンメニューをクリックしても「削除」機能が表示されなくなったといっています。
It’s not just you…!
— Matt Navarra (@MattNavarra) 2017年11月17日
...Facebook seems to have removed the “Delete post’ option
WTF? pic.twitter.com/z83clEAIxX
ただこの削除機能は、モバイルサイトやアプリには以前のまま残っていたそうなんです。またWeb版でも完全になくなったわけじゃなく、普段そんなに使わないアクティビティログのセクションの中には削除メニューがありました。たしかにこのアクティビティログは、ユーザーがFacebookでやったことを一覧できる場所ってことで、「過去のポストはここでまとめて管理してね」という考え方なのかもしれません。でもこのセクションを開くにはホームから2クリックくらいしなきゃいけない、つまりアクセスしにくいんで、Facebookとしてはポストを削除するハードルを上げたいのかな?と勘ぐってしまいます。
ただ米Gizmodoやギズモード・ジャパンのアカウントで見てみると、今までどおりポストの右上の「…」をクリックすれば「削除する」が表示されていました。なので、ユーザーの反発に応えて機能変更を元に戻したのか、またはこの機能変更が一部のユーザーにしか適用されていないのか、とにかくすべてのユーザーには行き渡っていないようです。Facebookは今までも、特に事前の通知なく一部ユーザーに対して機能変更をテストしてきたので、今回もそういうことなのかもしれません。
そもそもなんでポストを削除しにくくするのか、理由はいくつか考えられます。たとえば、過去のポストはほぼ確実に広告表示のアルゴリズムから参照されているはずだし、「過去のこの日」の元ネタにもなっているはずです。ざっくり言うとFacebookは、ユーザーになるべくたくさんのことをシェアしてほしいと思っていて、だからなるべくシェアするネタが残っているほうがいいんです。Venturebeatは「モバイルアプリをもっと使わせるための策略」かもしれないともいっています。
とはいえ今のところ、この変化に遭遇した人はFacebookユーザーのごく一部だし、その人たちも削除機能が完全に使えなくなったわけじゃなく、Web版でポスト右上の「…」から削除できなくなった、というだけです。なのでたいていの人は今まで通り簡単にポスト削除できるんですが、それでもFacebookは、ユーザーが削除ボタンを押した後もしばらくデータのバックアップを残していることは意識しておきたいです。つまり、「消した!一安心!」と思っても、恥ずかしいポストはまだまだマーク・ザッカーバーグの手の中にあるんです。
米Gizmodoではこの点についてFacebookにコメントを求めていますが、記事翻訳時点でまだ回答はないようです。
Image: Shutterstock
Source: Venturebeat, Twitter
Tom McKay - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)