iPhone X ×iPhone 3GSクロスレビュー:そしてディスプレイだけが残った

iPhone X ×iPhone 3GSクロスレビュー:そしてディスプレイだけが残った

カメラ、ボリュームボタン、コネクタ。いろんな要素が今でも同じ位置にありますが、もうその役割は変わりました。

8までのiPhoneが初代から順当に進化していったスマートフォンだとしたら、iPhone Xは突然変異とも言えるモデルです。ホームボタンを捨て、ディスプレイは液晶でも方形でもなくなり、ヘッドホンジャックもない(ジャックはiPhone 7からありませんが)。

iPhone Xの発売にあたり、自分にとってはじめてのスマートフォンだったiPhone 3GSのことをふと思い出しました。初代iPhoneの特徴を色濃く残すiPhone 3GSをクローゼットの奥からひっぱりだし、最新のiPhone Xと交互に触っての印象を記しておきます。

iPhoe 3GS:webの大海にこぎ出せた小船

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ギズモードを表示させたら表示が崩れてる...ちなみに2009年頃は「スマートフォン対応サイト」なんで滅多になかった。
Photo: ギズモード・ジャパン

iPhone Xの前に、ちょっと思い出話を。

2009年当時、私がiPhone 3GSを買った最大の理由が「インターネット」でした。それまでのケータイ電話が接続できるネットワークは、「iモード」「EZweb」「Yahoo!ケータイ」といった各キャリア専用のクローズドなネットがメイン。気の利いた端末なら「フルブラウザ機能」でPC向けサイトを表示できるが、ディスプレイが小さく、あくまでおまけ機能...といった状況でした。

その点、iPhone 3GSは「大きな」ディスプレイで、webサイトをほぼPCと同じレイアウトで表示できる! Gmailにアクセスできる!「手のひらにおさまるインターネットPC」。まさに魔法のようなマシンだったと思います。当時、webメディア業界に入ったばかりの私にとって、PCサイトを常時チェックできる環境は、とにかく魅力的に映りました。

3.5インチのディスプレイは写真にせよテキストにせよ、それまでとは比べものにならない情報量を表示できました。とくに、写真は4:3というアスペクト比率もあって、ちゃんと「写真」を見ている雰囲気がありました。SNSでシェアするという文化はまだ一般的ではありませんでしたが、写真を他人に見せることが増え、つられて写真を撮る機会も増えていったなー。

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2008年のケータイ(W61SA)とiPhone 3GS。当時のケータイはテンキーをメインに、状況に応じて機能が変わる4つのファンクションキー、カーソルキーなど、25個くらいキーがあるのが普通でした。
Photo: ギズモード・ジャパン

また、高機能化につれてキーの数が増えまくったケータイ電話と比べて、キーのほとんどをタッチディスプレイ上の仮想ボタンに集約し、ハードキーの数を5つにまで絞ったiPhone 3GSはとにかく操作しやすかったです。アプリの操作に必要なボタンはタッチパネルに表示され、ホームボタンや音量ボタンはどんなときもほぼ機能が変わることなく、同じ役割のキーとして機能する。

PCでは当たり前の設計が、PCユーザーだった自分にはとてもなじみました。

iPhone X:ディスプレイ以外はもはやレガシー

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当時はデカいと思っていた3GSのディスプレイも、今となっては「iPhone mini」といった風情。
Photo: ギズモード・ジャパン

iPhone 3GSを触ってからあらためてiPhone Xに触れて感じたのは、ディスプレイの存在感...というか、それ以外のハードの存在の希薄さです。

今までのiPhoneは、ホームボタンやロックボタン、音量ボタンといった、ハードボタンで操作する感覚が確かにありました。しかし、Xはホームボタンによるアクションをタッチ操作に落とし込むことで、ほぼすべての操作がタッチで完結するようになりました。

ボタンが必要なのはロック操作くらいで、それも画面に触れなければ一定時間で自動的にロックがかかる。Lightningコネクタもいまや充電のためのポートに過ぎず、ワイヤレス充電が実装された今となっては、一度も使わない人が出てくるでしょう。イヤホンジャックは1年以上も前に消えました。すべてのボタン、コネクタといったインターフェースは、その役目を終えつつあるのです。

Touch IDの廃止もボタンの存在感を消すことに一役かっています。ユーザーの注意力をディスプレイに集中させることを目的として、ハードの各所が設計されているように感じました。

残ったのは、手のひらに浮かぶ1枚のディスプレイ。Galaxyなどもそうですが、このスタイルこそが、これからのスマートフォンのスタンダードになることを強く意識させられる端末です。


(金本太郎)

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