Googleの「Jacquard」デニムジャケットレビュー:服をなでてスマホの音楽を聴く未来感よ
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

Googleの「Jacquard」デニムジャケットレビュー:服をなでてスマホの音楽を聴く未来感よ

デニムがタッチセンサーに!

Google(グーグル)が開発したモバイル端末連携型アパレルプラットフォーム「Jacquard」。

この秋、Levi's(リーバイス)とコラボしたデニムジャケット「The Levi's Commuter Trucker Jacket with Jacquard by Google」が発売されました(残念ながら日本では発売していません)。生地がタッチセンサーになるというGoogleが開発した未来のジャケットは実際のところ、おしゃれで便利なものなのでしょうか? 米ギズモードからレビューをお届けします。


電車のシートに座って、デニムジャケットを優しくなでながらSpotifyの曲をスキップ。うーん、これが未来ですか? というのも、ハードウェアが完全に一体化したものこそ理想的だったから。

2015年のGoogle I/Oで、Googleの実験チームAdvanced Technologies and Projects(ATAP)が布を直接タッチセンサー化する技術「Project Jacquard」を発表しました。プロジェクトのファウンダーであるイワン・プピレフ氏は、当時公開された動画で布の構造がタッチスクリーンの構造に非常に類似していることを紹介しました。ATAPチームの当初の目標は、この技術を使ってあらゆるアプリケーションやスマートフォン操作を制御する方法を見つけること。しかし長期的な野望としては、 伝導性繊維をすべての布に織り込み、タッチセンサーや触覚フィードバックなどの機能をデニムからクルマのシート、カーテンに至るまで、あらゆるものに搭載することでした。

2015年当時、初期段階ではこの技術がとても魅力的でした。進歩はまだまだだったものの、アイデアは素晴らしく、その可能性は無限大に感じられました。そして2017年…ついにJacquardテクノロジーを搭載した350ドル(約4万円)のリーバイスのデニムジャケットが登場したのです。

ジャケットが届いて梱包された箱を開けた瞬間とてもワクワクしました。すごく可愛い! これこそ未来! 目に見えないコンピューターの服! 一見は普通の素敵なデニムジャケットで、回路やワイヤーは見えません。

ところが、箱の中に数インチの長さのプラスチックの部品を発見…。なんだろ、これ?

ついにファッションテクノロジーは触覚フィードバックやライトの点滅、外づけのハードウェアから解放されるところまで到達したんだと信じたのに? このプラスチックのハードウェアから「お前はあほか」といわれたような気がしました。

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こんなものがあるなんて、思いたくなかった!
Images: Sam Rutherford/Gizmodo US

このハードウェアなしには操作を実現することはできません。タッチセンサーの技術はあるものの、充電の必要もありました。ここにはミニコンピューター、Bluetooth、そしてバッテリーが搭載されています。

Project Jacquardのプロダクト責任者であるJohn McCarthyは、米ギズモードに対し、現在のデザインは「もっと小さくできた」と語り、これは意図的なデザインの選択肢であって、ジャケットの袖口で自然なストラップを目指したんだそう。リーバイスのデニムジャケットのデザインに馴染むようにGoogleが努力したのはわかりますが、ハードウェアはもっと小さくできたはず。これを見えないようにできないのかと聞くと、 McCarthy氏は「そのうちわかるだろう」と述べました。

まあ実際のところ、それほど目障りなものではありません。USBコネクターは袖の下に隠すことができますし、エレガントです。

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アプリからジェスチャーと操作のカスタマイズも可能
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

この布と袖口のハードウェアに従えば、比較的シームレスなスマートフォンのコントローラーに代わります。袖口のラインを「なでる」「タップする」「覆う」の動作で、音楽の再生や一時停止、曲のスキップ、行き先の指示、テキストメッセージ受信の通知など、さまざまなことを行なうことができます。ジャケットはJacquardアプリを通じてスマートフォンとペアリングされ、AndroidとiOSに対応。一度ペアリングすれば、アプリの通知設定やジェスチャーのカスタマイズが可能になります。

実際、ジャケットの袖口をなでることでSpotifyのプレイリストのトラックをスキップできる体験は、ものすごく楽しかったということを認めます。でも350ドル(約4万円)の価値があるほどエキサイティングかというと、微妙。実際に働いてるのはハードウェア(袖口のストリップ)で、2つの独立した製品のように感じます。また、アプリを実行するためにハードウェアをスマートフォンのBluetoothに接続するので、バッテリーはすぐに消耗します。

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「どっか飲みいかない?」「とりあえずジャケット充電させなきゃだわ」なんという未来的会話!
Images: Sam Rutherford/Gizmodo US

「The Levi's Commuter Trucker Jacket with Jacquard by Google」には、たしかに潜在的な可能性はあると思います。Googleはプロジェクトを続行して欲しいですね。でもこのスマートジャケットは、お金を費やすべき製品というよりは、クールな研究開発でしょう。

ジャケットの袖をなでたら聴いている音楽をスキップできたというのはとてもエキサイティングでしたが、現実問題、その機能だけでは高価すぎるし、生活をよりよくするほどの利便性は感じられないと思います。さらにはスマートフォンのバッテリーも消費してしまいます。スマートジャケットの未来はどうなるかわかりませんが、今のところ、スタイリッシュなしかけ程度のものですね。

まとめ

・ジャケットは可愛いけれど、ハードウェアはひどい

・350ドル(約4万円)は高すぎる

・ジャケットを充電しないといけない



Image: Sam Rutherford/Gizmodo US
Source: Google(1, 2), Levi's, Ivan Poupyrev

MelanieEhrenkranz - Gizmodo US[原文
(mayumine)

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