DCコミックスの映画全体を仕切る映画プロデューサー、チャールズ・ローブンにインタビュー!「映画プロデューサーは却下され続ける仕事」
Image: (C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

DCコミックスの映画全体を仕切る映画プロデューサー、チャールズ・ローブンにインタビュー!「映画プロデューサーは却下され続ける仕事」

DCコミックスの人気ヒーローたちがついに集結した新作映画『ジャスティス・リーグ』。今回はそのエグゼクティブ・プロデューサーであり、「DCEU(DCコミックス原作映画群の通称)」の全体をまとめる重要人物の映画プロデューサー、チャールズ・ローブンにインタビュー!

今作が他のDCコミックスの映画と比べて明るい作りとなった理由、『アベンジャーズ』の監督であるジョス・ウェドンが製作に参加した経緯、プロデューサーという仕事をする上で大事にしていることなどなどを語っていただきました!


『ジャスティス・リーグ』画像
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──そもそもDCコミックスの映画シリーズをこのように広げていき、『ジャスティス・リーグ』を映画化すると決まったのはいつ頃なんですか?

チャールズ・ローブン(以下、ローブン:『マン・オブ・スティール』の段階ですでに検討されていたことでした。

『マン・オブ・スティール』の中で、イースターエッグとしてブルース・ウェイン(バットマン)の会社の衛星が出てきたりしていていましたが、それは今後、スーパーヒーローをコミックと同じような形で出し続け、『ジャスティス・リーグ』へとつなげていくという計画があったからなのです。

──そんな『ジャスティス・リーグ』には、DCコミックスの看板とも言うべきキャラクターが沢山登場しますが、そのキャスティングは難しかったのでしょうか?

ローブン:『マン・オブ・スティール』の時には「スーパーマン」をヘンリー(・カヴィル)決めるまで、ピッタリな俳優を探し求め世界中でリサーチをしました。

それから、DCのスーパーヒーロー映画の世界を広げ、今までのクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』シリーズとは異なる「バットマン」を出すと決めた時、ベン・アフレックはすぐ選ばれました。なのでスーパーマンの時のような大変さはなかったです。

「ワンダー・ウーマン」は、「スーパーマン」の時のような大規模なリサーチをし、ザック・スナイダー監督がキャスティング・ディレクターが集めて来た情報の中からガル・ガドットを気に入り、最終的な候補に挙がってからすぐに決まりました。実は彼女がその当時、役者をやめようと思っていたというのは有名な話ですね。

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ジェイソン・モモアが「アクアマン」に決まったのは、あの風貌を映画に欲しがったザックの希望によるものです。

「フラッシュ」のエズラ・ミラーや「サイボーグ」のレイ・フィッシャーもオーディションをしてすぐに決まりました。だから、「スーパーマン」と「ワンダーウーマン」は確かに大変でしたが、どのキャスティングも難しいというわけではありませんでした

──DCコミックスの映画を広げていくにあたり、重要視していることはなんですか?

ローブン:なにより我々は、DCコミックスのキャラクターの時代を超えた魅力に大きく助けられていると思います。今回の映画に出てくるキャラクターの多くが私が生まれる前にコミックに登場したキャラクターですが、私はもう60代なので、それはもう沢山の世代に愛されてきたわけです。

そんなスーパーヒーローたちは素晴らしい能力を持ち、見るものを勇気づけてるだけでなく、人間らしい一面も持っていて悩みを抱えているということに、読者は感情移入し、自分たちも更に良い存在になれると信じさせてくれるのです。

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そして我々は映画を作る上でそういったキャラクターを時代を反映した形でアップデートしつつ、それぞれの映画で違ったシチュエーションを用意して「この映画、なんか前にも見たな……」と観客に思わせないことが大事だと思っています。

──ローブンさんはDCのヒーロー映画に限らず沢山の映画を手がけていらっしゃいますが、映画プロデューサーとして大事にしていることはなんですか?

ローブン:まず大事なのは、自分の能力を見極めることです。私は脚本家兼プロデューサーとして仕事を始めましたが、脚本家よりもプロデューサーに向いていることに気づいたんです。脚本家としての経験は、映画製作においてクリエイティブ面での話をする時に役にたっていますけどね。

そしてもう一つ重要なのは、自分のやっていることに自信を持つことです。映画プロデューサーは沢山「ノー」と言われて却下され続ける仕事です。その一方で一回でも「イエス」が貰えればいい世界なのですよ(笑)。

──『ジャスティス・リーグ』は『ワンダーウーマン』と比べても明るい作りでしたが、これからのDCコミックスの映画は明るい作風が続くのでしょうか?

ローブン:それは作品ごと、キャラクターごと、そして作り手ごとに変わってきます。『ワンダー・ウーマン』のトーンはパティ・ジェンキンス監督の影響が大きいですし、これからの映画もそれぞれの監督によって変わってくることでしょう。

ただ、『ジャスティス・リーグ』が今までの作品より明るいトーンなのにはいくつか理由があります。

まず前作の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、有名ヒーロー同士が殺し合うという作品だったので、それを観客に信じ込ませるにはやはり暗いトーンにしなければなりませんでした。そこにユーモアは入る余地がありません。

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しかし、『ジャスティス・リーグ』ではバットマンは別人になっています。バットマンとして孤独な戦いを長い間続けすぎ、ブルース・ウェインである部分が薄れていた中、自らを犠牲にしたスーパーマンに感化され、人類を救うため自分の世界に人を招き入れはじめるのです。

それは彼にとって不慣れなことであり、彼の弱点が浮き彫りになるので、そこにはユーモアが生まれるのです。

また、今回はフラッシュなどのユーモラスなキャラクターが新たに登場しています。彼は自らのパワーを理解しきれておらず、それをどうやって良い目的に使うかに悩んでいます。そのようなキャラクターのシチュエーションで、ユーモアが引き出されています。

もちろん、『バットマン vs スーパーマン』に対して寄せられたファンからの沢山の否定的な意見があったのも、今作を明るいトーンにしようと決めた理由です。それはザックの考えでもあり、彼の後を引き継いだジョス・ウェドンもそれをやっているのです。

(注:ザック・スナイダー監督は家族の不幸があり、映画の完成間近で降板。その後を『アベンジャーズ』でもおなじみのジョス・ウェドンが引き継いだ)

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──今回の映画は所々で、そのジョス・ウェドン監督らしいシーンが結構あったように感じたのですが、実際はどれくらいの割合でウェドン監督が今作に関わっているのでしょう?

ローブン:ザックはジョスの仕事を尊敬していて、ちょうどジョスは映画『バットガール』のトリートメント(注:詳細なあらすじ)を執筆している段階だったので、まずいくつかの追加撮影のシーンで彼に協力をお願いしました。なので、それらのシーンは2人が作っています。

それからポストプロダクションの段階でザックが家族の不幸と向き合うために降板し、残りをジョスに託しています。なので、割合で言えば全体の15~20%ほどがザックとジョスのコラボレーションで生まれたもので、そのうちの半分がジョス単独で撮られたものといったところでしょうか。

──今作を作り上げた人として他にも、DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであり、コミックの『ジャスティス・リーグ』を書いた作家でもあるジェフ・ジョーンズがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加していますが、今作にはどのような形で関わっているのでしょう?

ローブン:『ワンダーウーマン』では彼には主に2つの役割がありました。まず、DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして、また製作会社であるDCフィルムズの代表として、映画製作にの様々な場面において多くの意見を出しました。

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Image: (C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

さらに、彼は『ワンダーウーマン』で幾つかのシーンでの脚本として参加しています。それもあって『ワンダーウーマン』の続編では、全体のストーリーと、脚本の製作にも大きく関わることになっています。

そして今回の『ジャスティス・リーグ』では、代表としての仕事はもちろん、『ワンダーウーマン』と同じく一部のシーンの脚本にも関わっています。それから、プロデューサーとして私やデボラ・スナイダーと同じく撮影の殆どに参加しました。

──では『ワンダー・ウーマン』に比べてかなり大きく関わっているわけですね。

ローブン:そうです。映画のクレジットをよく見ると彼の名前の後に、p.g.aと入っていますが、あれは全米製作者組合がその映画にとりわけ大きな関わり方をしたプロデューサーにのみがつけることを許すマークなのです。彼は良く働いたと認められたわけですよ(笑)。


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Photo: ギズモード・ジャパン編集部

映画を見ると『ジャスティス・リーグ』はザック・スナイダーとジョス・ウェドンとジェフ・ジョンズというビッグ3による三位一体の作品だ……という感想を抱いたのですが、それが成立したのはベテラン・プロデューサーの手腕のおかげだったのだと感じされられるインタビューでした。

インタビューの中でも話題となりましたが、『ジャスティス・リーグ』は最近のDCコミックスの映画と比べてかなり明るく、笑いどころも多くって、友情と善意がテーマの熱いヒーロー作品です。

特に今回初めて本格的に登場する「アクアマン」、「フラッシュ」、「サイボーグ」はそれぞれ異なる形の魅力があり、彼らのやりとりが楽しく、これから続く単独作品がとにかく早くみたくなることでしょう!

映画『ジャスティス・リーグ』は、11月23日(木・祝)全国ロードショー。



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Source: 映画『ジャスティス・リーグ』公式サイト

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