Appleラブな北朝鮮、検閲統制に最大限の技術転用か
Image: Attila JANDI / Shutterstock.com

Appleラブな北朝鮮、検閲統制に最大限の技術転用か

実は勝手に使いまくられている?

ほぼ鎖国状態で、外からの情報は完全に遮断されている北朝鮮の人々。でも、その上層部は、トップの金正恩(キム・ジョンウン)を始め、意外なるApple(アップル)製品の大ファンであることが伝えられてきました。金正恩がiMacやMacBook Proを使っている様子は、これまでも写真で出回ったりしています。さらに、ただAppleユーザーであることにとどまらず、どうやらAppleの技術を自国で最大限に活用(悪用?)しているようです!

このほどAP通信の報道は、北朝鮮がAppleのOS XやiOSにヒントを得て、高度な言論統制および検閲システムを作り上げていることを示唆。Appleは、ユーザーが勝手に、Appleのアプリストアを介さずに、審査をパスしていないアプリをインストールできないようにしています。それと同じ原理で、北朝鮮当局が認可していないコンテンツを、国民が一切閲覧できないようにしている実態が明らかにされていますね。


OSのコア機能をいじったり、ウイルスチェッカーを無効にしようとしたりすれば、すぐに再起動を無限に繰り返して使いものにならなくなる。USB経由でファイルをダウンロードすると、透かしが入れられて、当局が当該ファイルを察知し、犯罪や国家転覆活動の兆候を直ちに追跡する。こうして、韓国や中国、そのほかの場所から、政府が許可していないコンテンツが広められることのないよう、セキュリティ上の措置が講じられているのだ。



さらに北朝鮮が独自に開発導入したとされる「Red Star 3.0」のOSについても報じられています。以前のバージョンのRed Starは、まるでWindows XPをコピーしたかのようなOSでしたが、最新のRed Star 3.0はローディング中の回転するビーチボールをはじめに、Macなのかと見まがうデザインになっているんだとか。このOSには、ユーザーが表示している画面のスクリーンショットが自動的に保存され、当局者によって、いつでも各ユーザーがコンピューターで何をしているのかが、遠隔でチェックできるようになっているようです。

こんな状態で、コンピューターを使いたい人などいるのか?と思ってしまいがちですが、いま北朝鮮では目ざましいスピードでIT化が進んでいるようです。国産の「Jindallae(Azalea) III」なるスマートフォンの普及が進みつつあり、堂々と「Ryonghung iPad」なるiPadをネーミングに冠する国産タブレットまで登場中。当然ながら、どちらにも電子透かし技術が基幹に採用されており、当局が許可したアプリおよびメディアのみを利用可能とされています。そして、インターネットにもつながりますが、実際には政府の用意した168サイトのみが表示されるイントラネットに接続できるのみと伝えられていますね。

ハードウェアにもソフトウェアにも、Appleの技術を最大限に盗用駆使しながら、独自のIT発展を遂げつつある北朝鮮。これはつまり、Appleさえその気になってしまえば、ボクらも同じように、何を見て、何を使っているのかが筒抜けの世界に生きていることを、皮肉にも示唆しているのやもしれません。それは、きっとAppleに対してだけではなく、Googleにも、Facebookにも、なにもかもバレバレな生活を送っていることの裏返しでもあったりするのでしょうか…。



Image: Attila JANDI / Shutterstock.com
Source: AP

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)