うちのスマホのプロセッサはブロードコム製!?
Androidスマホを使っている人のほとんどがお世話になっている、Qualcomm(クアルコム)のプロセッサ。「iPhone X」の一部モデルのモデムもQualcomm製ですね。The Vergeによると、そんなQualcommに、なんと同じく半導体企業の「ブロードコム」から1300億ドル(約15兆円)という巨額の買収提案がなされているんです。
ブロードコムは、1991年にカリフォルニア州で創業。以降企業買収を繰り返し、巨大な半導体企業になりました。なお半導体の製造は他社に任せ、ブロードコムはチップの設計に専念する「ファブレス」な経営スタイルで知られています。今回の買収が成功すれば世界第3位の半導体企業になります。
ところで、今回の買収案は非友好的買収提案、つまりQualcommの同意を得たものではありません。ブロードコムはQualcommに一株あたり28%のプレミアを含む70ドルでの、現金と株式による買収を提案しています。一方、Qualcommは買収案を精査するとしていますが、買収を拒否する方向へと傾いているようです。
Qualcommといえば、Androidスマートフォン向けのプロセッサで圧倒的な強みを発揮していますが、最近はApple(アップル)と特許使用料に関する係争が勃発。噂では、Appleは将来的にQualcommのチップをiPhoneやiPadから排除するという情報も。買収が成功した場合、この関係性がどのように変化するのかも気になりますね。
半導体企業の買収といえば、2016年7月のソフトバンクによるARMの買収が思い出されます。しかしある意味異業同士の買収だったソフトバンクの案件とは異なり、ブロードコムとQualcommは同じ半導体企業。買収へのハードルも、そして仮に買収が成功した場合の市場への影響も、より大きなものになることが予測されます。
Image: jejim / Shutterstock.com
Source: The Verge
(塚本直樹)