Lenovo YOGA 920レビュー:いま買えるベストな2in1ラップトップはこれ

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  • author 湯木進悟
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Lenovo YOGA 920レビュー:いま買えるベストな2in1ラップトップはこれ

今年のベストモデルですね!

すっかり時代はスマートフォンやタブレットの時代になって、あまりPCを買う必要を感じなくはなってきました。でも、そうはいっても、やはりキーボードの備わるラップトップを求めるユーザー層が消え去ることはありません。ところで、もしいまPCを新調しなければならなくなったら、どのモデルを選びますか?

実は今秋に開催されたIFAでも注目の製品に選出された、Lenovo(レノボ)のYOGA 920は、コストパフォーマンスに優れたWindowsマシンとして好評のようです。米Gizmodo編集部のSam Rutherford記者によるレビューをお届けいたしましょう。


もうPCなんて消えてなくなる定めにある…。そんなことが叫ばれてから何年も過ぎました。その予測が誤っていたことはたしかでしょう。でも、どうやらPCの一部のセグメントは消え去ってしまう運命にあるようです。それは、従来型のクラムシェルデザインのラップトップのことですね。

もはやノートPCは不要だなんて述べるつもりはありません。モバイル型のワークステーション端末ですとか、ハイスペックなゲーミングPCとしてのラップトップも、それなりにまだ市民権を得ています。しかしながら、いまや昔からある、ふたを開けるだけのラップトップが2in1スタイルのラップトップにすっかり置き換えられる時代になったと考えられるのではないでしょうか?

これは何?:14インチの2in1ラップトップPC

価格:1,300ドル(日本価格は15万)

好きなところ:Intelの第8世代プロセッサーとかっこいいデザイン、これまででベストの2in1スタイルPC

好きじゃないところ:SDカードリーダーと顔認証機能がないところ

2in1のラップトップで、これまでのクラムシェルデザインのラップトップより劣る、できないことを見つけるほうが難しくなってきました。コンバーチブルなスタイルのラップトップが登場してから、もう15年以上の歳月が流れています。2in1を選ぶと、なにかトンでもなく普通より高級なモデルに手を出していると感じた時代も、いまは昔のことでしょう。

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Photo: Sam Rutherford/Gizmodo

Lenovoは長らくYOGAシリーズで、2in1スタイルの、スペック面でもデザイン面でも優れたモデルを世に送り出し続けてきました。とりわけヒンジ部の完成度は業界でも屈指のレベルといえるでしょう。

新たなYOGA 920では、Windows Pen/Inkのサポートが追加され、より遠くからでもCortanaに対応する「Far-field Voice」も実装済みです。これはライバルとなるMicrosoftの「Surface Laptop」には脅威でしょう。1,300ドル(日本の販売価格は15万2183円)から買えるYOGA 920は、Surface Laptopよりも300ドル安い価格設定です。しかも、スペック的には、どちらも同じ8GBのRAMと256GBのSSDを装備していますよ。300ドル高くなるSurface Laptopにして、唯一よかったと思えることは、13.5インチディスプレイに2,256×1,504ピクセルという高解像度な点くらいでしょうね。YOGA 920には、13.9インチディスプレイが装備されているものの、解像度は1,920×1,080ピクセルどまりですから。

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Photo: Sam Rutherford/Gizmodo

YOGA 920の強みは、背面にグルリとディスプレイ部を回転させて、まるで巨大なタブレットのように使うこともできる点にあります。それに、豊富なポート類の実装も、うれしく感じるユーザーがいることでしょう。Thunderbolt 3をサポートするUSB type-Cポート2個に加えて、USB 3.0 type-Aポートも1個装備されています。Windows Helloに対応する指紋認証リーダーまで標準装備されていますよ。

なによりすばらしいのは、第8世代の最新Intel製プロセッサーが採用されている点です。昨年の古いプロセッサーしか採用されていないモデルと比較すると、パフォーマンスの差は歴然です! たとえば、YOGA 920のCore i7-8550Uプロセッサーにて、20メガピクセルの写真22枚のリサイズを行なうのに要した時間は、わずかに50秒でした。この同じ作業が、第7世代のCore i7プロセッサーしか採用されていない、Dellの「XPS 13」だと69.6秒、HPの「Spectre x360」だと67.9秒、LGの「Gram 14」だと69.1秒もかかってしまいましたよ。Geekbench 4のベンチマークスコアでも、YOGA 920は、シングルコア、マルチコアともに、非常に優れたパフォーマンスを発揮。とりわけ第8世代CPUのチップが4コアなのに対して、第7世代CPUのチップは2コアしかなく、倍近いパフォーマンスの差がついてしまいましたね~。

Intelの第8世代CPUには、Core i5プロセッサーもあるため、これを採用して、さらに低価格で販売されるモデルが出ることにも期待していました。1000ドルくらいで買えるYOGA 920なんて、あったら最高だったのですが、それは残念ながら、かなわぬ夢だったようです。しかしながら、もっと注目すべきことは、これだけハイパフォーマンスでも、YOGA 920のバッテリー寿命は悪くないという点にあるでしょう。いつも動画の編集ばかりしているというヘビーな使い方は別にして、一般的な利用スタイルでのバッテリー寿命は、9時間42分となっています。ライバル性能の他社モデルも、平均して9時間51分のバッテリー寿命でしたから、YOGA 920は、パフォーマンスに優れつつもバッテリー寿命も長いという結果になると思われます。

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Photo: Sam Rutherford/Gizmodo

細かいところにまで手が届く配慮といたしましては、YOGA 920のUSB type-Cポートから、スマホやNintendo Switchもケーブル1本で充電可能です。部屋の反対側から呼びかけてもCortanaが反応してくれる、新装備のマイクも好評価でしょう。タッチパッドやキーボードは標準的ですが、さまざまなレベルで光るバックライトは、時に便利に感じられるでしょうね。

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Photo: Sam Rutherford/Gizmodo

もっともYOGA 920で残念だったのは、microSDならびにSDカードリーダーが標準装備されていないことです。会議や展示会などでは、いつもデジカメからラップトップに大量の写真を転送していくので、僕には不満ですね。あと不思議なのは、Windows Helloに対応した指紋認証リーダーが備わっているのに、720pのウェブカメラは非対応というポイントでしょう。おまけにウェブカメラは、なんとディスプレイ下部に装備されているため、ビデオ通話なんてしようものなら、あごの下ばかり映ってしまう恐れがありますよ…。

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Photo: Sam Rutherford/Gizmodo

Lenovoといえば、大胆なオレンジカラーのモデルが用意されているのが特徴的でした。でも、YOGA 920は、シルバーかブロンズカラーくらいしか選べないのが、さびしく思えるユーザーもいるのでは? そうはいっても、1,300ドルという価格帯で、ここまで理想的なラップトップに仕上がっているのには脱帽です。Dellからは、同じ第8世代のCPUを採用したXPS 13が1,150ドルから買えるようにもなっています。でも、XPS 13だとタッチスクリーン非対応になってしまうんですよね。

いまラップトップを使っているユーザーの皆さんに、すぐにでも買い替えたほうがいいと勧めているわけではありません。でも、もしまだ2in1スタイルのラップトップに抵抗があるという場合は、ちょっと考え方を変えてみることをお勧めいたしますよ。こんなすばらしい体験を見逃していたのかって、驚かされることでしょうから。YOGA 920は、2in1のハイブリッドなラップトップに市民権を与える優れたモデルだと実感しています。

まとめ

・Lenovoが2in1モデルで採用してきたヒンジ部の完成度は、非常にすばらしいものがあります。

・新たなIntelの第8世代のCPUは、バッテリー寿命を落とすことなく、前世代と比較して飛躍的にパフォーマンスが向上しています。

・Thunderbolt 3をサポートするUSB type-Cポートが2個、USB 3.0 type-Aポートが1個装備されていますが、SDカードスロットは備わりません。

・Cortana対応の遠くからでも話しかけられるマイクが新装備されており、4096段階の筆圧を感知する「Active Pen」スタイラスも新たに用意されていますが、50ドルのオプションという設定は高く感じます。

・Windows Helloをサポートする指紋認証リーダーが装備されていますが、ウェブカメラはWindows Helloに非対応で、おかしな場所に装備されています。

Image: Gizmodo US
Source: Lenovo

Sam Rutherford - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)