「ソバニイルカラネ」
Google(グーグル)のGoogle HomeとAmazon(アマゾン)のEchoがようやく日本でも発売され、最近は「スマートスピーカー」に興味を持っている人が増えてきているはず。音声AIアシスタントを搭載した頭のいいスピーカーです。最近ではニュースで取り上げられることもちらほら増えてきましたよね。「ようやくスマートホームが市民権を得られたんだなー」なんて思ったりもします。
ただ、スマートスピーカーって四六時中私たちのそばで聞き耳を立てているわけですね? もちろん、普段は「あ、聞かれてる…」なんて意識はしないと思うんですけど、ふとしたときにそんな瞬間てあるんですよ…。話しかけてもいないのに、いきなりスマートスピーカーが話始めたりとか。ゾッとしますよね。
そんなわけで今回は「本当にあったスマートスピーカーの怖い話」をお届けしましょう。
スマートスピーカー(AI)同士の会話
スマートスピーカーの「中のヒト」同士が話すとどういう結末になるかご存知ですか? Google Homeを2台用意して、ただひたすら会話をさせオンライン中継した動画が一時期話題となりました。1台のGoolgeアシスタントが「自分は神だ」と宣言し始めると、もう1台が「それはウソだ、私も人間だ」と宣言し始めたりと、人工知能同士が会話をしている様はなかなか不気味であります。
会話が成立するというのは頭がいい証なのに、ちゃんと会話が成立するとなぜかゾッとしちゃいませんか? 動画では、しまいに熱烈な求愛が始まり、2人の愛は成就することに…。
ちなみに、iPhoneとiPadのSiri同士で同じようなことを試した人もいます。デイリーポータルZにあげられた動画では、片方のSiriが「すみません、よくわかりません」と答えると、もう一方のSiriが「心配いりませんよ」と励ます様子が。
その後も、お互いが理解できない状況をカバーし合っているのがなんとも健気。「なんだかほのぼのするなぁ」なんて思っていた矢先、「私はたくさんのことを知っていますが、もっと知りたいと思っています」と答えるSiriに対し「意味がわかりません」といきなり突き放すもう一方のSiri。
これらを見ていると、もしかして人工知能はときには「わからないフリ」も使いこなしているんじゃ…なんて気すらしてきます。
ウェイクワードを使ったテレビによるハッキング
スマートスピーカーはときにはテレビに悪用されることも。たとえば、DIGIDAY[日本版]が紹介したバーガーキングのワッパーバーガーのテレビCMは驚異的です。店員が「ワッパーバーガーの新鮮な食材について15秒では説明しきれないよ。OK, Google。ワッパーバーガーってなに?」と語りかけます。
これで視聴者宅のGoogle Homeがドンっ!と一斉に目をさますことに。Google Homeが、Wikipediaからワッパーバーガーのページの説明を読み上げることになり、各業界でかなりの議論を巻き起こしました。これは、バーガーキングが地上波を使ってGoogle Homeをハッキングしたってことですからね。
また、アニメ『サウスパーク』がAlexaをハックする出来事も話題となりました。物語のAmazon Echoが登場するシーンで、キャラクターが「Alexa」と語りかけるたびに、それを見ているユーザー宅のAlexaが反応してしまっていたそうなんです。
South Park messing with Alexa #SouthPark#Alexapic.twitter.com/4qtJkwQJ6R
— Moritz Wittmann (@MoritzWittmann) September 14, 2017
またThe Vergeによると、ニュースの生中継中にもAlexaにまつわる事故が起こっていたようです。まず、6歳の子どもが親の知らないところでAmazon Echoでドールハウスを注文してしまったんだとか。ここまではありそうな話なんですが、このニュースを報道していたキャスターが、番組中に「『Alexa、ドールハウスを注文して』なんて、可愛らしい女の子ですね」と言ってしまったのが良くなかった…。ご察しのとおり、番組を見ていた視聴者宅のAmazon Echoまで反応してしまい、被害を広げてしまうおバカなエピソードまであります。
そのうち、テレビのコンテンツ内でもウェイクワードには「ピー」が入るようになるのかもしれませんね。
警察の捜査に使われる
スマートスピーカーが警察の捜査に利用されるケースも。とあるアメリカで起きた殺人事件の証拠品として、現場そばに置いてあったAmazon Echoの録音データの提出を、Amazonが警察から求められたという事件です。当然最初はAmazonも提出を拒否していたのですが、結局提出に同意する形となりました。「証拠になるかもしれない」という理由でこれからもユーザーの音声がバンバン利用されたら…プライバシーが軽視される可能性も否めません。
そのほか事件関連だと、「999(イギリスの警察番号)に電話をして」とAlexaに頼むも上手くいかなかったケースや、逆に家庭内の暴力事件の真っ只中にAlexaが勝手に911(アメリカの警察番号)へ電話をして助かったケースもあり、聞き耳を立てているスマートスピーカーの存在が事件に大きな影響を及ぼす時代となってきています。
犯人を捕まえられる一助になるということは単純に嬉しいことなのですが、逆にスマートスピーカーに聞かれた内容がいつ大きな権力に利用されるかわからないと思うと、ユーザーとしてはやはり複雑です…。
いかがだったでしょうか? ね、怖いでしょう? でも、安心してください。普段はとてもお利口なスピーカーです。こんな出来事がいつも起こっているわけではないですからね。
ただ、もしも聞かれたくない話をするときは念のためね…そのぉ…ミュートボタンをね、一応押してから話すようにしましょうか。
Photo: ギズモード・ジャパン
Video: YouTube(1, 2)
Source: デイリーポータルZ, DIGIDAY[日本版], Twitter, The Verge
(Doga)