自動車業界に革命が起きそうです。
SpaceXやThe Boring Companyを運営するスーパーCEOのイーロン・マスク。いくつも事業を持っていると、しょっちゅう色んな発表があるのですが……今回は電気自動車のTeslaから、新しいロードスターと極秘で進めてきたセミトラックが発表されました。
この2台の新車についてザックリと解説します。
ロードスター:Tesla Roadster
The Vergeによりますと、第2世代となるロードスターは2008年の前世代の性能を踏襲したもので4人乗りです。なのに世界最速の市販車になるのだとか!?
ゼロから時速60マイル(約96.5km/h)までたったの1.9秒、そしてゼロから時速100マイル(約160km/h)まで4.2秒という爆速っぷり。ちなみにエンジン車でトップクラスに速い、ケーニグセグのOne:1が2.5秒、ブガッティのシロンが2.3秒です。ドラッグレース(俗に言うゼロヨン)の0.25マイル(400m)では8.9秒とのこと。
マスク氏は「ジェット機よりも速いよ」と話しています。最高時速は明かされないものの、時速250マイル(約400km/h)以上は出せるのだそうです。ケーニッグゼグが時速277.9マイル(約447km/h)の世界記録を持っているので、それと同等かそれ以上のポテンシャルがありますね。
モーターは前にひとつ、後ろにふたつ搭載。バッテリーは200kwhで航続距離は620マイル(約997km)を超えるという、こちらも実現すれば世界記録となりそうです。実際にL.A.からサンフランシスコまで、途中の充電ナシで走ったというから驚きですね。
流線型のデザインや四角いハンドルなど含めて、「ターボ車は蒸気で走ってるんじゃないか? って思えるくらい」と豪語するマスク氏。革命的な一台ですね。
セミトラック:Tesla Semi
BAMF pic.twitter.com/r535Hv4Xz7
— Tesla (@Tesla) 2017年11月17日
まるで自宅にいるかのような快適さだというセミトラックは、安全で輸送のコストを大幅に削減できるそうです。
後ろのコンテナを引っ張っていなければ、ゼロから時速60マイル(約96.5km/h)まで5秒。ディーゼル車では15秒かかります。8万ポンド(約36トン)のコンテナ有りだとディーゼルは1分のところ、Teslaセミだと20秒なので比べると圧倒的な速さですよね。
5%の上り勾配ではディーゼル車なら時速45マイル(約72km/h)のところ、Teslaセミなら時速65マイル(約104km/h)で安定した走りをみせるパワフルさも備えており、さらにはブレーキ時の98%の運動エネルギーがバッテリー充電になるというのも面白い試みです。
View from the cockpit pic.twitter.com/2kBupEXNM5
— Tesla (@Tesla) 2017年11月17日
昇降の階段は邪魔にならない設計で、運転席は人が立てるほど広い。しかも運転者が座るのは右でも左でもない真ん中というのもユニークです。死角もモニタリングし、電気の状態も常にデータにログオンしてチェックできます。フリートマネージメント・システムが配送ルートやスケジュールも管理し、外部からリモート・モニタリングもできるのです。
オートパイロットや耐衝撃ガラスの採用、障害物のお知らせ機能、自動緊急停止機能、車線保持機能などなど、長距離トラック運転には便利な機能が盛り沢山。
航続距離は500マイル(約804km/h)で、このセミトラックの後ろにほかのTeslaセミが並べば、何台もが自動で追尾してくれる機能まであるのです。
(2017年11月18日 7:50修正)Tesla Semiのスペック記述に一部誤りがあったため修正いたしました。
Image: Tesla
Video: YouTube
Source: Tesla, The Verge, Twitter(1, 2)
(岡本玄介)