YouTube、違反ビデオの対策チームとして発表した1万人体制。果たして1万人で十分なのか
Image: Justin Sullivan

YouTube、違反ビデオの対策チームとして発表した1万人体制。果たして1万人で十分なのか

過激なイタズラ動画や違法行為、差別的言動をアップロードしたものなど、YouTube上に投稿されるコンテンツが物議を呼ぶことは珍しいことではなくなりました。米GizmodoのBryan Menegus記者は、先日のYouTubeの「違反コンテンツ対策の人員を1万人に増員する」という発表も十分ではないと批判しています。


多くの人がニュースで目にしたように、YouTubeはポリシーに違反しているコンテンツの対策人員を1万人に増員すると発表しました。

YouTubeの違反コンテンツは深刻な問題になってきています。子ども向けコンテンツとして配信されているビデオでビキニを着たディズニーのキャラクターが、他の子どもに人気のキャラクターに色気をつかってアプローチをする光景が描かれていたり、児童虐待そのものがビデオとしてアップロードされたりとさまざまなコンテンツが次々とメディアによって発見・批判されてきています。

そんな中、先日YouTubeが発表したのはコンテンツ調整チームを1万人にまで増員するという知らせです。このニュース、パッと聞いた限りでは「YouTube、頑張ってるな」と思いそうになるのですが、世界最大規模の動画プラットフォームYouTubeにとって1万人というチームが大きいのか小さいのか、ちょっと想像が尽きづらいのが正直なところです。CEOのSusan Wojcickiの声明を一緒に読み解いてみましょう。

来年も、継続してチームを大きく拡大させ続けていきます。我々の目標は、2018年にGoogle全体でポリシー違反コンテンツに対応する人の数1万人を達成させることです。

この文章だけでは具体的な内容は見えてきません。「コンテンツに対応する人」という表現からは調整担当スタッフのみなのか、そもそも給料をもらって働いているスタッフでなくても含まれるのか、など定義がつかめません。また1万人を越す、というのがどれほどの増員なのかも不明瞭です。BuzzFeedが入手したという内部関係者の情報によると、1万人というのは現状からの25%増になるとのことです。これらの数字はこれまでもYouTubeはあまり公表をしてきていません

声明をよく読むと違反コンテンツ対応チームの規模が、現状ではかなり小規模であることが想像されます。

6月以降、我々の信頼と安全性担当チームは、暴力的な、過激なコンテンツの検出のために(機械でなく)人の手で200万件のビデオを検査してきました。また、これはそうしたビデオを検出するためのマシンラーニング技術の向上にも役立てられています。

200万のビデオ!と聞くと多そうですが、6カ月に渡り200万ビデオということは、仮に5000人編成のチームが稼働していたとしても一人につき1日約3個のビデオをチェックしていることになります。もちろん、彼らがどのようなレビュープロセスを実施しているかは分からないのでこの計算よりは複雑なのでしょうが...少し少ないように感じられるのは私だけでしょうか。もちろん、マシンラーニング・プログラムによる自動での動画削除機能も実施しており、この機能の助けのおかげで「以前と比べて5倍の量の削除量になった」とWojcickiは述べています。

インターネット最大のビデオプラットフォームが掲げる数字としてはガッカリする内容です。今年始めの予測ではYouTubeの視聴者数はテレビに近づくと発表されました。しかしYouTube上の違反コンテンツを懸念して広告の提供を停止する企業も出てきています。今後もこの拡大を続けるためにはこのレベルにとどまらない違法コンテンツ対策が求められます。

米GizmodoではYouTubeに人員数に対する具体的な説明を求めましたが、今のところ返答はありません。

Image: Justin Sullivan
Source: YouTube Official Blog Bryan Menegus - Gizmodo US[原文
(塚本 紺)

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