「誕生日パーティーがあるから年齢が上がる」そう信じている子どもたちもいる

  • author たもり
「誕生日パーティーがあるから年齢が上がる」そう信じている子どもたちもいる
Image: Robert Kneschke / Shutterstock.com

ほほえましい誤解。

3歳から5歳の子供たちの中には誕生日パーティーがあるから歳を取ると認識している子が結構いる。新たな研究によって、そんなかわいらしい誤解があると判明しました。

もし誕生日パーティーを年に1回ではなく2回も開いてもらったら、パーティーの主役はどうなるのか? 2回も祝ってもらえるなんてすばらしいことのように聞こえますが、多くの子どもにとってはとても難しい質問になります。科学ジャーナルImagination, Cognition and Personalityに発表された、テキサス大学オースティン校の児童心理学者であるJacqueline Woolley氏の新しい研究によると、3歳から5歳までの幼児にこの質問をしたところ、5人に2人が認識を誤って主役は1歳余分に、あるいは2歳も多く歳を取ると答えたとのこと。

子供たちは通常4歳ぐらいのまだ幼い時から、生命のあるものは成長し、そして小さくではなく大きくなっていくということを理解し始めます。およそ1年か2年後には、純粋な意志の力からではなく、食べ物を食べるから命あるものは成長するのだと理解し始めるのです。しかし、幼い脳は人の年齢に結びついた行事である誕生日や誕生日パーティーに混乱して、ひいては歳を取る過程そのものについても混乱してしまいます。誕生日は、文化的な行事としては子どもに年齢が上がることやその意味を考える大事な時間に当たりますが、その一方で科学者たちにとっては子供たちの歳を取ることへの理解に与える影響を研究する好機となっているのです。

時はさかのぼって2002年、科学者たちはこのアイデアを調べはじめ、大体7歳ぐらいになるまでの子供たちが誕生日パーティーによって年齢が上がると信じているということを突き止めました。しかし残念なことに、この研究の構成が意図せず子どもたちをこの結論へと導いてしまった可能性があったのです。今回の論文でWoolley氏は、この初期の実験における欠点が克服されるように修正して、子どもの考え方における明らかな誤作動を見直そうと考えました。

研究対象となったのは3歳から5歳までのおよそ100人に及ぶ幼児たち。彼らは実験で、3歳の誕生日を祝うある子どものお話を聞かされました。最初のお話は誕生日にパーティーのなかった子ども、2番目は誕生日パーティーを2度開いてもらった子の話、そして3番目は単に3歳になる子どものお話(対照質問法)でした。それぞれのお話の後、幼児たちは作中の子どもの年齢を指で示す、あるいは言葉で表すように指示されました。さらには自分自身の年齢を知っているか、そして歳をとる過程とその必然性についての考えを査定するための質問などもされたのです 。

実験結果によれば、対照質問法のお話では幼児たちの72%がきちんと理解して、作中の子どもが3歳になると回答。誕生日パーティーのなかった子どもについてのお話では、54%がそれでもその子は3歳になると答えました。お誕生日会を2回も開いたお話では62%は作中の子が3歳になると答えましたが、38%がその子の年齢は4歳あるいは5歳になると答えたのです。

さらに子供たちにとっては、誕生日パーティーを止めても同じ年齢のままではいられないと理解するのは難しいということも判明しました。別のお話をしたところ、誕生日パーティーのせいで主役が歳を取ったわけはないときちんと理解できた子どもたちはたったの63%だったのです。

論文の中でWoolley氏は「全体的にみればこの研究の結果は、年を重ねるうえでの誕生日パーティーの役割に関して未就学児たちにはある程度の混乱がみられ、大多数がそれらに因果的役割を与えるようだと示している」と記述しています。「どの年齢の子どもたちも、誕生日パーティーがなければ年齢が止まる、あるいはその逆で誕生日パーティーを何度も開いてもらうと年齢が上がるプロセスもその分加速されると信じている」とのこと。

この論文は、年齢が上がるのは誕生日パーティーのせいだと考える未就学児も(全てではないけど)いるものの、この誤解は就学前の期間に無くなっていく(特に3歳児にこの誤解が生まれやすい)として、以前の研究を肯定しています。

Woolley氏は「子どもたちは…(中略)…特に個人的で大事な行事に説明を求めたがる」として、「ある年齢から別の年齢へと突然変わるように見える年に一度の体験は、特に未就学児の年頃にとってとても大事で意味がある行事であり、この顕著な特徴によって子どもたちはその突然の変化に説明を求めるようになると提案する」と書いています。

言い換えれば、子どもたちは大人と同じようにただ原因と結果を考えているだけなのです。まだ発育中の子どもにとって、誕生日パーティーは年齢が上がる原因も同然に思えるのです。ある日3歳児だった子が、誕生日パーティーを開いてもらったら突然4歳児になるのですから。微笑ましい現象ですが、幼い子どもたちの因果的推論のスキルや傾向をもっと理解するためのヒントでもあります。

ここで大事なのは、この誤解をする子どもたちにはおかしな点なんて全くないということ。成長の過程ですから、どちらかと言えば祝福されるべきなんです。

Woolley氏は米Gizmodoに対し、「誕生日を祝うあらゆる人や子どもの知能を不思議に思う人なら誰でも関心を抱くはず。私たちの文化は誕生日パーティーのコンセプトに取りつかれていますから」として、「親たちは我が子と彼らが発する疑問を楽しみ、自発的に成長するにつれこういった話題を議論すべきです」とも語ってくれました。




誕生日パーティーに限らず、他にもこういったほほえましい認識はありそうですね。



Image: Robert Kneschke / Shutterstock.com
Source: Imagination, Cognition and Personality, Taylor& Francis Online

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(たもり)

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