Amazon(アマゾン)は今年、新しくなったAmazon Echoや小型のEcho Spot、そして上位機種のEcho Plusなど、Alexaを搭載したデバイスを数多く発表してきました。しかし、同社にも品ぞろえが薄いと感じられる分野がありました。それがホームセキュリティー製品。Amazonのホームセキュリティにおける製品は、屋内用防犯カメラCloud Camだけだったのです。
しかし、それも防犯カメラのスタートアップ「Blink」を買収したことにより、変わりそうです。Blinkは元々Kickstarterから始まり、100万ドル(約1億円)の資金を調達したワイヤレス防犯カメラで有名になった企業です。
同社製品のセールスポイントは、カメラからハブへWi-Fi経由で映像を送るため、他社製品の大多数と異なり完全にワイヤレスであり、バッテリー寿命が2年間だという点です。防犯カメラを設置するうえで一番厄介なのはデバイスを置く場所を選ぶことですから、競合している製品と比べ、ワイヤレスで使えるBlinkは簡単に導入できることになります。
ではなぜ、AmazonのBlink買収が一大事なのかというと、荷物を届けに来た配達業者をAmazonが家主の変わりに自宅へと通すKeyというサービス(アメリカの一部地域のみ)を始めたからなんです。このサービスでは自宅へのアクセスが適切な人物だけに限られるようAmazonのCloud Camとそれに対応したスマートロックを使います。そう、このサービスには、防犯カメラが不可欠なんです。
しかし、Blinkの製品群があればもっとシンプルに、簡単な方法で自宅をAmazon Keyに対応したロケーションへと変えることができます。それに加えて、この買収でAmazonは自社のスマートホームエコシステムを構築するために必要な専門知識を獲得できたので、傘下のNestが新たなセキュリティーデバイスをいくつも発表したGoogle(グーグル)と張り合えるようになります。
最近、Amazonが2年ぶりにChromecastを再販することになり、Googleとの抗争は沈静化したかのように見えました。しかし、両社が競う分野がもう1つできたので、まだまだ火花は散ることになりそうです。
Image: Blink
Source: Blink(1, 2, 3), Kickstarter
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(たもり)