スマートスピーカーを安易にプレゼントしないほうが良い理由

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  • author Rina Fukazu
スマートスピーカーを安易にプレゼントしないほうが良い理由


勢いに乗って買う前に、「ちょっと待った」。

Amazon Echoが発表されてから早3年。当時は「Amazonがここ数年でつくったもののなかで最もイノベーティブだ」という評価もありました。もちろん、いまでもその事実は変わらないのですが...。

「自分にも、家族にも、友達にも、買うべきではない」と主張するのは、米GizmodoのAdam Clark Estes記者。これからクリスマスや年末年始などの休暇シーズンを迎えるなかで、自分用/ギフト用として最新のガジェットを買うか迷っている人は、Amazon EchoやGoogle Homeなどネットに接続された家庭用デバイスに付い回るであろうリスクのことをよく考えておくべきだと指摘しています。




まずは実用性について考えてみましょう。ネットに接続された最新デバイスを家に置くともなれば、日常生活がウンと楽になることが期待できますよね。

フィリップスのスマート照明「Philips Hue bulbs」はアプリで照明を落とすことができます。Nestのスマートサーモスタットは、あなたの習慣を記憶してくれます。Amazon EchoやGoogle Homeを使って、どうすればうまく会話を続けられるか試してみたい人もいるのでは?

でも、毎日AIに天気を聞く必要はあるのでしょうか。ローカルニュースや外の様子を見るなど、今まで天気を確認してきた方法も悪くなかったはずです。照明は、スイッチを使って消せばいいんです。押すだけで消えるのだから。家にある照明スイッチは、あなたの行動すべて追跡したり、Amazon、Google、Appleにデータを送信したりすることはありません。照明スイッチとあなたの間に起きたことは、ふたりだけの間に留まればいいんです。

はっきり言わせてください。Amazon EchoやGoogle Home、Apple HomePodやMicrosoftのAIアシスタント「コルタナ」を使用したその他スマートスピーカーは、家族の誰も本当は必要ではありません

こうしたガジェットがほしくなるのは「最新で、人生が変わるデバイスとして、家の台所に置けば家が音声コントロール式のパラダイスになる」と宣伝されているから。

常にオンの状態のマイクが家にあっても、おそらくたいした問題じゃないと思いますよね。テック企業が記録するのは、あなたがよく使う言葉のみだというし...何の心配もないと思うかもしれません。でもこれって、本当は結構たいした問題なんです。人間の話をすべて文字通り聞けるデバイスを家に置くことは、IoT時代のプライバシー問題がまた大きくなることを意味します。

大袈裟にシニカルな態度をとりたいわけではありませんが、スマートスピーカーを買うことは、Amazon、Google、Appleなどの巨大テック企業にお金を払って監視を許可していることになるのではないでしょうか。「うちはスパイされるほどの話をするような家庭じゃない」という人たちもいますが、盗聴ハッキングについても考えておく必要があります。

セキュリティ・監視の話をしましょう。Amazonのような巨大企業は、効率よく広告を表示して商品を購入できるようにあなたの行動を逐次スパイして、データを蓄積している...などと説得したいわけではありません。

Echoのようなスマートスピーカーには、常にオンの状態のマイクが内蔵されていて、スピーカーに何か言う度にサーバーファームにデータを送信しているということを言いたいのです。(ところで、スマホの音声認識で「Always-Listening」などの機能をオンにしている場合は、その影響について考えるのは今が絶好のタイミングです。)

スマートスピーカーを販売する会社が主張する通りであれば、マイクがサーバに録音を送信するのは、ウェイクワードで声をかけたときのみ。こうしたデータを使って何をしているのかはあまり明示されていません。Amazonは、Alexaユーザーの音声記録をアプリ開発者に受け渡したのではないかと報じられています

さらに私たちが知っているのは、殺人事件に自社製品が巻き込まれた際にもAmazonは個人のEchoデータを開示するということ。これは今年初旬に起きたことです。当初、Amazonは顧客データの開示に拒んでいましたが、令状に抗うことはしなかったようです。FBI、CIA、NSAなど政府機関がスマートスピーカーをどう扱っているのかは明らかになっていませんが、米Gizmodoが取材した際にFBIは、Amazon Echoの盗聴について否定も肯定もしませんでした。

スマートスピーカーを追い回すハッカーについても軽視せずにはいられません。ネットに接続されているものならばすべて、外部からの攻撃に対して先天的に脆弱なものです。スマートスピーカーのような新しいカテゴリに属するデバイスの深刻なハッキング被害を私たちはまだ知りませんが、心配無用ではないことを証明するエビデンスはすでに多数存在します。

突然、不具合が発生することもあります。Google Home Miniは販売開始から間もなく、何時間も静かに起動したまま家のなかで話したことやテレビの音声などをすべて録音するというバグが発生したことが報告されました。

数ヶ月前には、ハッカーがAmazon Echoにマルウェアを設置し、盗聴器として常に起動させておくのに成功したとワイヤード誌によって明らかにされています。




スマートスピーカーを家に置くのは、多少のリスクがついて回るものです。 ネットに接続されたマイクを台所に置くのは、単に音楽を再生するBluetoothスピーカーよりも問題が生じやすいこと、そうしたリスクをコントロールするのは苦痛にならないかについても考えておく必要があります。

もしAmazon EchoやGoogle Homeを大切な人にプレゼントするならばなおさら、ただのモノとして買うのではなく、どんなコトがついてくるのか、さまざまな視点を持ちながら一度考えておきたいものです。



Image: Amazon/Gizmodo US
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文

(Rina Fukazu)

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