Appleへの手紙。21歳のギズモード編集部員が子どもの頃に受けた影響
Photo: ギズモード・ジャパン

Appleへの手紙。21歳のギズモード編集部員が子どもの頃に受けた影響

この記事は、年末に公開する記事を決める編集会議で「Apple好きなんだから、Appleに手紙書きなよ」と言われて書いております。完全な自由演技です。もはや年末感はないですし、手紙がどうかも危ういのですが、以下Apple好きのギズモード・ジャパン編集部員である僕(21歳・男性)の手紙をご覧ください。


大人になってから手紙なんてちゃんと書いたこともなくて。もし自分の熱い想いを伝えるのが手紙だとすれば、これも手紙なのかもしれません。そもそも個人が一企業にここまで陶酔してしまう、という現実は奇妙にすら感じてしまうのですが、Appleの精神はいつも僕の心のなかに居ます。

しかし「なんでAppleが好きなのか?」その理由を御託ばかり並べてしまえば、自分をクールに見せるために「Apple好き」と名乗っているようにも思われるし、それでは想いは伝わらないんじゃないか、と心配しています。そもそも僕、考えていることを理論立ててアウトプットするの得意じゃないし…。そんなせいで、実はこのさき書くことに詰まっています。

ですが、これまでの自分を思い返すと、Appleの影響を多かれ少なかれ受けて成長してきたのは真実です。少し振り返ってみます。

僕が生まれた1996年は、スティーブ・ジョブズがNeXTからAppleに復帰した年でした。これからAppleは、世界一の時価総額をもつ企業にまで躍進します。

とくに僕が生まれてから物心がつくまでは、激動だったはずです。1997年は財政危機だったAppleに犬猿の仲だったMicrosoftが1.5億ドルを出資し、パーソナルコンピューターの普及を仕掛けることになります。そして1998年、ここからiの革命が始まるボンダイブルーの初代iMacが登場しました。2001年には、僕がAppleを知るきっかけになるiPodも登場しました。

さて、子供の頃の僕にとってAppleのイメージは、家電量販店のチラシの隅で異彩を放つ音楽プレーヤーを作っている企業でした。それが初めてAppleを認識し始めたときで、そのiPodは魅力的で異端だったのをよく覚えています。

特にiPod nanoのCMたちは、Appleを認識のレベルからあこがれに変わったきっかけでした。Chiarliftの優しい音楽にカラフルなiPod nano(第4世代)が溶けるCMが一番好きで、あのころは10歳くらいだったと思います。

そんなAppleが10歳の僕に与えてくれたのは、“デザイン”という行為そのものの存在です。モノにはデザインという重要な行為が加えられていて、デザインがモノに付加価値をあたえていることに気づきました(もちろん当時は言語化できませんでしたが)。この認識のおかげで、自分の目で「良い」と感じるモノを見つけられるようになり、自分で選んで使うことの楽しさに気づいたのです。

よく、Appleを形容するときに「音楽に革命をもたらした企業」や「携帯電話のあり方を変えた企業」などと言いますが、Appleが僕に与えてくれたものを思い返すと、それは真逆です。Appleの本当の魅力は、社会を変えることではなく、一個人にあたえる力なのです。ここにはマーケティングやブランディングという夢のない話も必然的にありますが、Appleがこうした個人へのアプローチで成り上がってきた企業なのは事実でしょう。

iPhone Xが発表された9月のSpecial Eventが始まる前、生産が終わったiPodの歴代CMの音楽を流すという演出に何人が気づいたのかわかりませんが、僕は涙が出そうでした。RIP iPod。そして、スティーブ・ジョブズが好きなビートルズの『All You Need Is Love』をかけながらSteve Jobs Theaterを紹介し、彼を言葉をこのように引用しました。


人としての生き方にはたくさんの道がある。 そして、人々は深い感謝をさまざまな方法で表現している。 私が信じている方法は、残りの人類に感謝して何か素晴らしい物を生み出し、それを世に送り出すという道だ。


There a lot of a ways to be as a person. And some people express their deep appreciation in different ways. But one of the ways that I believe people express their appreciation to the rest of humanity is to make something wonderful and put it out there.


スティーブ・ジョブズ(Apple Special Event September 2017 Keynoteから抜粋)

僕が感じていたAppleの魅力は、まさにこのスティーブ・ジョブズらしい一言に詰まっています。大衆を変えようとするのではなく、一人ひとりにとって良いものを作り、初めて社会が変わって行くのです。

2017年は、Appleのことを考え直す機会が多かった年でした。iPhoneの10周年と、iPodの終焉、そしてiPhone Xの登場、世代の入れ替わりを強く感じた象徴的な年になったと感じています。ただ正直、iPhoneがこれからも社会にとって影響を与え続けるデバイスであり続けるのかは、全くわかりません。

しかし個人に与えた衝撃はというと、iPhone Xは歴史的な一歩にして、たしかにiPhoneの未来でした。この10年で築きあげたホームボタンという操作を、まっさらにしてしまったのにも関わらず、何も使いづらさを感じさせないところにAppleの個人に対する想いの強さが表われています。

Appleが放つ個人に対する力は、プロダクトのデザインであり、体験であり、はたまたApple製品を使った思い出であったりさまざまなシーンでユーザーは感じます。そして僕にとっては、子どもの頃にガジェットに触れることの楽しさを、デザインや体験というアプローチで教えてくれたことがAppleから受けた一番の影響です。

そしてその影響は、今ギズモードという仕事をしているきっかけでもあり、今でもAppleを好きであり続ける理由なのです。



Photo: ギズモード・ジャパン
Source: Apple

(山本勇磨)

    あわせて読みたい

      powered by

      こちらもおすすめ