2017年はスマートスピーカーや、据え置き型とモバイルを両立したゲーム機、AIを駆使したガジェットなど、生活を大きく変化させるガジェットが、たくさん登場した年でした。
この記事では、これまでの製品と大きく異なる革新的なガジェットを「ゲームチェンジャーガジェット」と定義し、5つのアイテムをセレクトしました。
iPhone X

iPhoneはすべてのスマートフォンの基準であるはずで、iPhone Xは初代のiPhoneからつづいたホームボタンを取り払い、表面を縁までディスプレイが覆う新しい基準になった、というのはもう聞き飽きたでしょうか。でもこれは、新たにもうひとつ、タッチ中心の操作体験からスワイプ中心の操作体験へのシフトをもたらしました。このあたりはBASEのCTO、えふしんさんが詳しく書いています。iPhone Xは、iPhoneだけ、スマートフォンだけに止まらないWebのゲームチェンジャーになるのかもしれません。
(鈴木康太)
Nintendo Switch

ここ数年、ハイスペックな据え置き機が売れている反面、スマホによってモバイルでゲームをする機会がさらに増えました。そんななか任天堂が出した答えは、「据え置き機とモバイル機の両面を兼ねそなえたコンソール」。取りはずせるコントローラーJoy-Conと、テレビに接続するドックによって、Nintendo Switchは、これまでのゲームコンソールのあり方を変えました。
また、Joy-Conが外れる仕組みを活かしたタイトルの『1-2-Switch』や『ARMS』は、Switchが単なるモジュール式のコンソールではなく、ハードウェアそのものを活かした遊びができることも提示しています。
2018年は、Switchのハードウェアシステムを活かしたタイトルがもっと登場すれば、さらなるゲームチェンジャーに化ける可能性もあります。
(山本勇磨)
Google Home

現実がSF映画の世界に近づきました。古くは映画『2001年、宇宙の旅』にも登場した音声アシスタント。「こいつが家にやってきたらなぁ…」なんて夢を馳せたものです。
それが現実にやってきたのですから興奮しないわけがないですよね。10月に発売されたGoogleのスマートスピーカー「Google Home」。日本ではLINE、Amazonからもスマートスピーカーが発売されましたが、その中でもGoogle Homeが飛び抜けていたのは何と言ってもその性能でしょう。
音声の反応速度、認識精度は素晴らしく、どんな小声でも反応してくれます。またGoogle製のアプリやChrome Castとの連携も充実しており、生活の中心として機能してくれます。
そして、Google Homeはいい意味でガジェットとして意識させるタイミングが少ないんです。たとえばAmazon Echoの場合、Echo独自アプリ「スキル」を追加して機能を拡張できますが、Google Homeの場合は勝手にそれらの機能をアップデートで追加してくれるため、いちいち自分で追加するという手間が省けます。
少し言い過ぎかもしれませんが、こういうガジェット特有の煩わしさがないからこそ、まるで人のように感じるんです。
とはいえ、まだまだ映画の中のようなことはできません。ですが、その第一歩を踏み出したことに大きな意味があります。
(吉岡孝太)
PowerShot G1X Mark Ⅲ

2017年もミラーレスカメラ市場はソニー無双でした。
αシリーズは数あるミラーレス機のなかでも圧倒的な性能を持っています。今年登場した α9、α7R IIIも、すべての性能がパワフルで、現在におけるミラーレスカメラの最高到達点を見せつけられました。ただα9、α7R IIIともに、これまでの延長線上での最高点であり「新たなカメラの可能性」を見せてくれたわけではありませんでした。
では、なぜPowerShot G1X Mark Ⅲがゲームチェンジャーなのか?
それはPowerShot G1X Mark Ⅲが、「デジタル一眼に置き換えられるコンデジ」だからです。
APS-Cサイズの大型センサーに、ズームレンズを搭載し、スペックはキヤノンのミラーレスのフラッグシップ機「EOS M5」と同レベル。UIもキヤノンのデジタル一眼と同じになっており、まさしくデジタル一眼にとって変われるカメラです。それが手のひらに収まるほど小型化しているのは本当に驚きました。その姿は「コンデジ=スナップシューティング」「コンデジ=サブ機」というこれまでの概念を壊すほどのインパクトでした。
ミラーレス隆盛の時代の中で、「次に主流となるのはコンデジか」と思わせてくれたPowerShot G1X Mark Ⅲは、まさしくゲームチェンジャーガジェットのひとつです。
(ささきたかし)
COZMO

人工知能を搭載するロボットトイ「Cozmo」は、おもちゃと人との距離をグッと縮めるプロダクトです。
遊んでみてまず驚くのが、「自分で勝手に動く」こと。ユーザーがコントロールした通りに動かせるおもちゃはたくさんありますが、Cozmoは指示を与えなくてもさまざまなアクションを見せてくれます。付属のブロックを積みあげてはいきなり倒したり、Cozmoからユーザーをゲームに誘ってみたり、時には一人でしゃっくりまで…。どの動きもすごく自然で自発的なのがすごいんです。
Cozmoのキャラクターも大きな魅力です。元ピクサーのアニメーターが協力していることもあり、表情がとても豊か。ユーザーの顔を認識してニコッと笑って名前を呼んでくれたり、ゲームに負けると悔しがったり…。感覚としては、遊び道具というより遊び相手に近いかもしれません。
価格は26,980円(税抜)とおもちゃにしては少々お高め。ですが、連携するスマホアプリからプログラミングを体験でき、ただ遊ぶだけでなく学びにも繋がるのがCozmoなんです。これらの機能を集約させたうえでウン十万円しないのも、2017年だからこその技術の結晶でしょう。
親近感120%のCozmoは、ユーザーと「仲良く」なる、というおもちゃの新しい在り方を示してくれました。
(豊田圭美)
Photo: ギズモード・ジャパン
Image: George W. Bailey / Shutterstock.com, Alex Cranz/Gizmodo US(1, 2)
(ギズモード・ジャパン)