冬休みのおともにどうぞ。
2017年も残すところあと少しになりましたね。いや〜、今年も濃い1年でした! ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを衝撃の形で卒業し、『猿の惑星』が終焉を迎えました。ヒーローものでいえば、『ワンダーウーマン』が大ヒット、DCユニバースは『ジャスティス・リーグ』が本格始動し、マーヴェルユニバースではソーが新境地を開拓しました。ああ、忘れちゃいけない、ユニバーサルピクチャーズはダークユニバース第一弾『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』を公開しましたっけ。
いろいろと盛りだくさんだった2017年ですが、みなさんは何本くらい映画を見たでしょうか。
私たちが選んだタイトルは、年末に公開されるギズモード・ジャパンの中の人が選んだ2017年の映画トップ10でお楽しみいただくとして、今回は米Gizmodoのなかの人がチョイスした「2017年ムービーベスト10」アーンド「ワースト5」を紹介したいと思います。
では、はりきってどうぞ〜。
【ベスト10】
1)『君の名は。』
でました、『君の名は。』!! 日本でセンセーションを巻き起こした新海誠監督によるSFです。あまりにも有名なので内容は割愛。1月3日(水)に地上波初放送がありますね。見逃した方は要チェック。
そういえばつい先日、韓国で公開一周年を迎える1月4日から劇場で再上映されるとのニュースが流れました。まだまだ『君の名は。』熱は冷めないようですね。
2)『猿の惑星:聖戦記』(原題:War for the Planet of the Apes)
最高のエンディングを飾ったシリーズ終焉『猿の惑星:聖戦記』。ビッグバジェットの映画って、勢いがあって興行成績的には成功する傾向がありますが、深みのある作品というのは多くありません。
しかし『猿の惑星:聖戦記』は違いました。観た後に呆然としてしまうほど。ひとつの時代を最初から最後まで見届けた満足感と、それを観たことで自分のなかの何かが変わっていく感覚がありました。
ハイエンドCGIが話題になりましたが、技術力の高さよりも、VFXの猿たちにどれだけ心を感じさせることができたかが本作の見どころ。今思い出しても心が震える、本当にいい作品だったと思います。
3)『ゲット・アウト』(原題:Get Out)
コメディアンのジョーダン・ピールが監督した人種差別をテーマにしたホラー。「ホラー」の一言で説明してしまうには特殊すぎる設定と展開です。グロやジャンプスケアといった驚かせ/怖がらせ要素はまったくと言っていいほどありません。ただ、意外性に感嘆させられます。
実は本編のラストは主役の黒人男性クリスが不当に逮捕されて終わる後味の悪いエンディングになる予定だったそう。ですが、製作中に白人警官による黒人の不当な射殺といった事件が相次いで発生したため、ハッピーエンドに変更したそうです。(詳しく書くとネタバレなので書きません)
4)『LOGAN/ローガン』(原題:Logan)
私はウルヴァリンがそんなに好きではありませんでした。ヒュー・ジャックマンは大好きなんですが、あのモミアゲがね…。もうなんていうか、あまりいただけない。それと『ウルヴァリン: SAMURAI』が酷すぎて(Blu-ray持ってますが)。
だから正直あまり期待していませんでした。でも公開後、評判がよすぎたので「これは乗り遅れてなるものか」と慌てて観ました。
凄かった…! あぁ、観てよかった。このすぐ後に『猿の惑星 聖戦記』を観ることになったわけですが、ダブルパンチで1ヶ月は暗い気持ちで過ごすことになりました。
5)『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(原題:Star Wars: The Last Jedi)
公開されたばかりの『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。この映画の前評判はすごいものがありましたね。なにせ「『帝国の逆襲』以来の名作」なんて言われてましたから。
個人的にいわせてもらえば「それはない。絶対にない」でした。しかし、今年のトップ10に入る実力とインパクトはあったでしょう。
6)『ワンダーウーマン』(原題:Wonder Woman)
ほかのDCヒーローと異なり活かしにくいキャラクターだったダイアナを「登場を待ちきれない」スターにした『ワンダーウーマン』。
本作で描かれたダイアナのキャラクターはまさに理想的。戦士であり保護者であり、かといって究極のバッドアス。今のところ、DCエクステンデッド・ユニバースの中でベストではないでしょうか。
7)『シェイプ・オブ・ウォーター』(原題:The Shape of Water)
ギレルモ・デル・トロ監督は『パンズ・ラビリンス』以降、何本もいい映画を作ってきましたが、『パンズ〜』を超えられるものはありませんでした。
この口がきけない女性と両生類系の男性の愛を描いた『シェイプ・オブ・ウォーター』は、デルトロ監督の本領が発揮された作品といえます。
日本公開は2018年3月1日(木)。見逃せません。
8)『マイティ・ソー バトルロイヤル』(原題:Thor: Ragnarok)
シリアス路線を走りつつあるマーヴェル・ユニバースに一石を投じた『マイティ・ソー バトルロイヤル』。万華鏡みたいにキラキラ、ナイトクラブの店内みたいにギラギラ、コッテコテの演出満載、お馬鹿なアクション映画にあざといBGM。まさかハルクとソーのコンビがこんなに笑えるなんて誰が想像したでしょうか。
マーヴェルユニバースを何本か観ておかないと楽しめない多少の不親切さはありますが、本作はさかのぼって見直したい気持ちにしてくれました。
9)『Raw〜少女のめざめ〜』(原題:Raw)
ベジタリアンの少女がカニバリズムになるホラーで上映中は失神者続出だとか、終わるとスタンディングオーベーションだとか、前評判だけでお腹いっぱいだった『Raw〜少女のめざめ〜』。
実は想像しているほどグロ描写があるわけでもなく、中盤からどんどん面白くなり、う〜う〜う〜と思わせるシーンを抜かせば、美しい(何が美しいのかはネタバレになるので割愛)作品だった!と、感動できます。
日本の劇場公開は2018年2月2日(金)。
10)『ブレード・ランナー2049』(原題:Blade Runner 2049)
『ブレード・ランナー2049』は前作の単なるフォローアップではなく、その神話を驚きとともに広げてくれました。オリジナルキャストのハリソン・フォードがデッカードとしてカムバックしたのは、個人的には『フォースの覚醒』のハン・ソロよりも嬉しかったです。
美しさ、ストーリーともに大満足。ハリウッドもこうした続編ばかり作ってくれたらいいのに、と思わずにいられません。
【ワースト5】
1)『トランスフォーマー/最後の騎士王』(原題:Transformers: The Last Knight)
本シリーズのお約束ではありますが、上映時間が無駄に長い。いろんなことを詰め込んで収まりがつかなくなっており、物語がやっと楽しくなってきたかも、と感じられたのはラスト20分ほど。それまでひたすらエイリアンが車になって戦いという名の破壊行為をしているのを見せられるだけ。シリーズはまだまだ続くようですが、きっと『トランスフォーマー/最後の騎士王』同様「なんとなく格好いいような気がする映像の垂れ流し」なのではないでしょうか。
2)『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(原題:The Mummy)
ダークユニバースの第1作として華々しいデビューを飾ったはずの『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』。無重力機を実際に飛ばした決死のアクションも虚しく終わりました。
元ネタはいいのに活かしきれていない。ダークユニバースを引っ張る重要な作品であるにも関わらず、単なるアクション映画のひとつになってしまっていてガッカリ感倍増。今後の展開も不安視させました。
3)『ジオストーム』(原題: Geostorm)
この映画を一言で説明すると「登場人物がひたすらモニター画面を見ている映画」かもしれません。気候を人工的にコントロールする人間らに地球が鉄槌を下す、というのは良いコンセプトなんですけど…何を間違った!?
厳しいことをいうかもしれませんが、劇場公開じゃなくてもよかったと思います。日本では1月19日(金)公開です。
4)『フラットライナーズ』(原題: Flatliners)
オリジナルの『フラットライナーズ』はなかなかのものでしたが、リメイクの本作はどちらかというとホラー寄りにしたかったらしくそれが失敗の元に。もう少し「死」を掘り下げたほうがよかったのでは。
5)『ダークタワー』(原題:The Dark Tower)
だからあれほどシリーズ小説の映画化は難しいと何度も…。残念ながら、原作が愛されている理由が描ききれていません。
って、ああ! 日本では2018年1月27日(土)公開でした。このチョイスはあくまでio9のなかの人のものですからね。もしかしたら皆さんは好きかもしれませんよ。
Image: Gizmodo US
Source: SABANAVI, DARK UNIVERSE, YouTube(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11)
The io9 Staff - Gizmodo io9[原文]
(中川真知子)