まだまだ課題はあれど、実証実験はこれからが本番ですものね。
東京・丸の内で興味深い実験が行なわれました。なにかというと、自動運転シャトルバスの公道走行実験なんですよ! 完全無人のレベル4(高度自動運転)という未来、きた! これはいっちょ乗ってみたい!

ということで行ってきました丸の内仲通り。柵で囲ったクローズドなコースにいたのがコイツ、ソフトバンクグループのSBドライブが導入した、自動運転シャトルバス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」(仏Navya社製)です。いままでに25カ国で走った、世界で最も多くの走行実績がある車両なんですって。

乗車定員15名(座席数11席)、最高速は45km/h。繁華街や観光地のコミュニティバスを置き換える存在となりそうな予感がしますね。
レベル4の自動運転車両(体験時には補助員がいたためレベル3)ということで、フロントウィンドウ上とバンパー部には走行空間センサー、ホイール部に慣性計測装置、ルーフには各種アンテナが備わります。360度全方位を見守り、至近距離にいて見えづらい子供や動物も常に把握。飛び出してきたらすぐに止まります。なおクリアランスゾーンはcm単位で設定可能なんですって。
基本はGPSで位置情報を取得し、設定されたルートを走るというもの。しかしこの丸の内の一帯はGPSが荒ぶる傾向があるため、今回はレーザーセンサーのみを用いた自動走行とあいなりました。

まず気づいたのが、前も後ろも同じデザインの顔つき。各種センサーも前後にビルドインです。走らせるコースにもよりますが、クローズドな一定区間をいったりきたりするなら転回しなくてもOKな作りなんですね。

おお!? 前も後ろも舵角がつく4WSですか!
ドアは片側。低床でシート下部に折りたたみ式スロープがあり、車椅子の乗り入れもカンタン。
乗車時はドアに備わっているドア開閉ボタンを押せばOK。乗る人に、極力負担をかけないように作られていますね。
車内には降車ボタンはありません。代わりにあるのがタッチディスプレイ。タッチして、降車したい位置のバス停を指定します。
ガラスエリアが広く、周囲が見渡し放題なのはいいですね!


車内には緊急停止用ボタン、ガラスを割って脱出するためのハンマーが目立つ位置にあります。消火器やセキュリティキットも完備。
車体の外側には、緊急時に外部からドアが開けられるノブも備わっています。
Xbox360のコントローラもありました!
何かとおもったら、どうやらこれがハンドル代わり。自動運転機能にトラブルが発生したときは、このコントローラで操作する様子。実験段階だから積んでいるものだと思うのですが、なんか微笑ましい。
肝心の乗り心地ですが、フラットなレンガ畳ということもあってか上々です。スムースです。バスなのにエンジン音がなく、車内での会話がしやすいのもポイント。
そして横断歩道の前ではピタっと止まり、周囲に問題がなければまた走り出す。路上に人がいたときもスッと止まる。ちゃんと見てますねー。

次世代の都市公共交通機関として、多くの自治体でLRT(軽量軌道交通)の導入構想がありましたが、その役目、もしかしたら自動運転バスが受け持つことになるかも。専用のレーンを設けなくてもいいため、LRTよりも低コストで導入できるでしょうし。走るコースが決まったシャトルバスであれば、高層ビル街のマルチパスによるGPSドリフト問題はありますが、コイツが普通に街中を走る日を期待したいですね。
Photo: 武者良太, ギズモード・ジャパン編集部
Source: ソフトバンク
(武者良太)