AIはメタルがお好き?
クリスマス時期に歌われる、キリスト誕生を祝うキャロル。これをニューラルネットワークに学習させると、斬新なAIキャロルが生成されました。
いった誰の仕業かといいますと…? 以前にもヘヴィメタル・バンドの名前やまだ存在していないクラフトビールの名前を生みだし、ブリュワーの悩みを見事に解決した光学研究者のジャネル・シェインさん。
人工知能に学ばせたのは新旧合わせて240曲。ロンドンのタイムズ誌と、ニューラルネットワークを趣味にしているエリック・スヴェンソンさんがまとめたキャロルを読み込ませたのだそうです。
ニューラルネットワークは音程と単語を真似ることは得意なんですが、人語の微妙なニュアンスを拾うのはヘタクソです。言い方を変えると、言葉とフレーズはカンタンにまとめることが上手なものの、まったく意味を成さないんです
たとえばこんな出来栄えになっています。
煙突の物語を見よ
サンタの赤子と血液と楽しさ だから世界と楽しさと良いことが見る
サンタの赤子 産まれたスウィート・ジーザス・クライスト
ファララララララ、ララララララララ
玩具の王様とカバたち 光に満ちて親愛なるサンタ・クロースの息子に立つ
彼は素晴らしいクリスマス・ツリーのなかで産まれた
走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ、走れ 走れ ルドルフ 新たに産まれた王よ
時として、生成歌詞にはAIに読み込ませていない単語が登場することがあります。たとえば「Curry(カレー料理)」や「Dingle(小渓谷)」は入力データにないものでした。人工知能は単語も自動生成してしまうのです。シェインさんいわく「ニューラルネットはクリスマス・キャロルっぽい響きの単語を発明するのが好きなんですね」とのこと。
ほかにもこんな歌が生まれています。
心臓トナカイとともに
だがもう他人はおらず
サンタの赤子、そして踊り子、そしてカレー料理が落ちる
ハッピー・ホリデイ
雪片が世界を持ちだすために呼び起こすとき
栄光なる熊たちとロバたちが空気 天使たちが歌った
そしてクリスマスツリー
さらにはメタリカの名曲『Enter Sandman』でも知られている、子どもの目に砂をまいて眠気を呼ぶ睡魔サンドマンが出てくる歌詞がいくつも作られました。この単語はたった一回しか学習に出ていなかったにも関わらず、なんです。
サンドマンが今楽しくなり 本日産まれた!
天のいと高きところには神に栄光あれ
サンドマンが前を明るくする
聖なる熊たち ベリー(果実)熊たち
そして今日雪のなかに星が産まれた!
サンドマンは世界を探すのがとても好き
サンドマンがすごく愛しとても深い そして太陽を歌う
学習のソースとなったキャロルで、サンドマンがどんな行動を取ったのかは謎。AIは細かなニュアンスがわからないので、生成したものはとってもハッピーなサンドマンになっちゃってます。
もしくは、以前の学習でメタルが大好きになったのかもしれません。AIは意外なところで私たちを驚かせてくれますね。
Image: Shutterstock
Source: Letting neural networks be weird
Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US[原文]
(岡本玄介)