これから映画を見るという人は、ネタバレ注意かも。
イウォークを押しのけてもまだ、宇宙にはかわいい新生物がいたようです。...そう、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でスクリーンデビューしたポーグです。
ルーク・スカイウォーカーが暮らす惑星オクトーに生息する地球外生命体(鳥)として、ときにせつなく愛おしい表情を魅せていたわけですが、映画を観た人たちがやっぱり気になってしまうのは、そのお味。(映画を観てない人は、この記事を読んでも「なんでスターウォーズの新キャラが食べ物に...? 」という疑問しか残らないかもしれません...。)
ルークを演じた俳優マーク・ハミルは、ツイッターでルークがベジタリアンであることからポーグもその卵も食べたことはないと明かしています。書籍『Star Wars Made Easy』では、ポーグについて「小さく、鳥のようなポーグは島で最も愛すべき住人。可愛い? もちろん。美味しい? たぶんね 」と描写されています。
パイロットを演じたオスカー・アイザックもそれに同意。少なくともローラ・ダーンによればの話ですけどね。
ローラ・ダーン:「E. T.のような目をしている、あの目が大好きなんだよね」ってどんなにポーグが可愛いか話していたんだけれど、オスカーはレシピについてばかり。
オスカー・アイザック:「ローストターニップ添えポーグ」「グレーズドポーグ」...
ポーグは、ニシツノメドリと(ちょっとだけアザラシとパグも)混ざったような見た目。実際に、惑星オクトーとして撮影されたアイルランドの島スケリッグ・マイケルでニシツノメドリを見たというライアン・ジョンソン監督は、「ニシツノメドリが可愛すぎたのでスター・ウォーズ版として作らざるを得ないと思った」とYahoo! の取材に答えています。
じゃあ、見た目が似ているからポーグもニシツノメドリのような味がするのか...といえば安易すぎるでしょうか。ポーグを料理するならどんなレシピが最高なのか...。専門家に聞いてみるシリーズ「Giz Asks」では今回、シェフ、鳥類生物学者、フードライターなどからポーグの味に関するヒントを真面目に集めました。
Kevin McGowan
コーネル鳥類学研究室「Distance Learning in Bird Biology」プロジェクトマネージャー
えっと、ニシツノメドリを食べたことがないので、どんな味がするのか予想できないです。でも、ポーグは鶏肉のような味だとは思いません。鶏肉やその他鳥類の肉はユニークで、飛翔筋は短距離を素早く動くための速筋線維(ムネ肉)で、追加で酸素を必要とせず、遅筋線維(もも肉)と比べて速筋線維に血流は少ないです。長い時間動くため血流から酸素を必要とする遅筋線維よりも、血の少ない速筋線維は繊細な味がします。
空を飛ぶ鳥の多くは、長距離を飛行するために紅色の筋肉を持ちます。通常、鶏肉よりもレバーのような味で、生臭さがあります。ポーグの生活様式はわからないですが、海鳥で、かつ空を飛べる鳥であるならば本物の海鳥と同様、おそらく遅筋線維でしょう。海の中で暮らすということはおそらく、自分の体よりも小さな海中の生き物(地球ではある程度の場合、魚ですが)を食べて暮らすことになります。魚を食べる鳥の多くは、魚っぽい味がします(あるいは、そう聞いたことがあります)。そのためポーグは生臭く、魚っぽいような、ガチョウやレバーのような味がするのではないでしょうか。
Whitney Reynolds
フリーランス・フードライター、イーター
ライアン・ジョンソン監督は、ポーグがスターウォーズ版ニシツノメドリだと言ったようで。翼に似たようなものがある、巣ごもりの生き物ですよね。くちばしや歯がないので、完全に家禽系の味だと推定したくなりますね。南アフリカで食されるモルモットのような味やウサギのような味かもしれません。
いずれにせよ調理すると黒みがかった色をする肉で、生臭いパストラミのような後味がすると思います。ポーグを料理するならシチューやブレゼ(蒸し煮)が良いかもしれませんね。屋外パーティーで皮をこんがり焼けるなら、串焼きも良さそうです。
Steve “Mo” Fye
「Four Winds Behavioral Health」「Uncle Mo’s Punk Rock Kitchen」総料理長
ポーグの調理する方法について。それが何であろうと。
まず初めに、私はポーグなんて信じませんよ。トリブルみたいに本物じゃないんでしょう。ニシツノメドリだかペンギンだか知らないけど、アニメみたいな目をした大きな赤ちゃんみたいなものとかですよね。
皮を剥ぎ、親指を使って竜骨から筋肉を離し、内蔵を取り出したらほぼすべて捨てましょう。内蔵は魚の肝臓みたいな味でしょう。ムネ肉を牛乳に数時間浸して臭みを取ります。小麦粉をまぶして、胡椒とタイムで好きなように味付けします。 塩は使いません。海の鳥なのでね。私はなんて真面目に答えちゃっているのでしょう。
このひどい生き物の脂身以外、フライパンで炒めます。もし私が間違っていたら次のステップは実際にうまくいきますよ。皮下脂肪が食用に適していて美味しければ、残りの胴体はコンフィとして調理できます。すべての脂身を切り取って弱〜中火で熱したら、ポーグの関節部分とともにスロークッカーに移します。
ベイリーフ、一枝のタイム、ネズの実3つとともに約70度で4〜6時間調理します。もちろん、真空調理法で。
でも帝国軍のお金でない限り、私たちにはとても高価すぎるので...本当、こんなものは食べちゃダメです。ただ殺して、卵を潰して、同種への警告のようにその残骸を残しておきましょう。
Jason Ward
「MakingStarWars.net」編集長
オクトーのケアテイカーズはもちろん、ポーグを使ってさまざまな料理を作るでしょう。ポーグの味は、若さ、大きさ、調理方法によって異なるはずです。正直言って、ポーグの卵を茹でて、卵黄を除いてマヨネーズとパプリカなどの調味料を加えたら、デビルドエッグ*になりそうですよね。(デビルドエッグ:アメリカのパーティー料理)
しかし、違いはポーグから海塩を抽出できるということです。つまり何であれ最も上手いかたちで準備されたポーグ料理から、オクトーの海の味わいを体験できるんです。どう準備されたかなんて関係ありません。ポーグを噛み締める度に海塩のはじける風味を期待できるでしょう。
ポーグの羽は水をはじけるよう進化したといわれているので、美味しい天然オイルに合いそうです。油で覆った大きなポーグを約4lの水とともに沸騰させ、少なくとも6〜10時間調理します。煮汁をろ過したら魚のだし汁のような、ポーグブイヨンの完成です。
アウトドアがお好きなら(私もです)上記すべて忘れてください。ポーグの最高の調理法は 、直火です。木炭は不要、薪に勝るものはなし。肉は香ばしくなり、焦げる手前まで焼き続け、魚のような味を消して、鶏肉のような風味を残せると良し。ポーグの最高のグリル方法は直火。友達や家族と食べるのが一番です。
もちろん、仲間のポーグに「本当に、食べちゃうんですか」みたいな目でウルウル見つめられた状況で本当に食べれるならば...といったところでしょうか。
Image: Disney / Lucasfilm
Beth Elderkin- Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)