全銀河注目のシリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。今回そのメガホンを取り、これから新たなる三部作の制作にも関わると発表された新『スター・ウォーズ』の最重要人物であるライアン・ジョンソン監督にインタビュー!
起用の経緯から、ポーグの誕生秘話などなど沢山語っていただきました。また『最後のジェダイ』の内容が明かせない都合上、ネタバレはほとんどありませんが、とあるキャラクターが出ないことが言及されているので、登場キャラが気になるという方はお気をつけください。
──一体どういった経緯で、この映画に起用されたのでしょう?
ライアン・ジョンソン(以下、ジョンソン):キャスリーン・ケネディとは前からの知り合いだったのですが、突然今回の映画をやりたいかどうか聞かれたんです。それはもうすごくびっくりしましたね。
だから、ちょっと考える時間をもらったのですが、人生でこれ以上に幸せな気分になれるものはないと思って、受けることにしました。
──そういえば、今作は今まで何度か一緒に仕事をしているジョセフ・ゴードン=レヴィットがエイリアンの声で出演しているそうですが、それは見た目からは彼だとわからないキャラクターなんでしょうか?
ジョンソン:そうですね。エフェクトもかけてあるので、声だけでわかったら凄いと思います。もしかしたら、彼の母親か大ファンならわかるかもしれません(笑)。

──映画の内容をお答えいただくのは難しいと思うので、そのヒントになりそうな事を聞いていこうと思うのですが、『最後のジェダイ』以外でスター・ウォーズで一番好きな作品はなんですか?
ジョンソン:『最後のジェダイ』とは言えないよ(笑)。一番を挙げるとすると『エピソード4/新たなる希望』か『エピソード5/帝国の逆襲』で悩みますね。大人の目線から言えばやっぱり『帝国の逆襲』なのですが、『新たなる希望』で生まれたものは凄まじくて、現代から見てもまさに奇跡のような作品です。
今や『スター・ウォーズ』が本当に人気で様々な作品に影響を与えているので忘れがちですが、やはり第一作目が登場した時の状況を考えると、スペースオペラに西部劇やロマンスをギュッと混ぜ合わせた異色の作品だったわけで、本当に凄いと思います。犬が宇宙船を飛ばしてるという絵を成立させた映画なんですからね……!
だから、私の一番のスター・ウォーズは『新たなる希望』と『帝国の逆襲』のどちらかが日によって変わります。

──やっぱりそこになりますよね! じゃあ一番好きなキャラクターは誰ですか?
ジョンソン:『最後のジェダイ』に出てくるからってわけではないですが、ルークが一番好きですね(笑)。
もちろんハン・ソロのほうがカッコいいキャラクターなのですが、僕は子供の頃はカッコいいやつではなかったので、ルークに共感しました。
何もない田舎育ちの子供が、急に広い世界に連れて行かれて大冒険をするという話こそが、スター・ウォーズが心に響くポイントだと思うんです。
だから、今回マーク・ハミルと一緒に仕事をして、ルーク・スカイウォーカーのセリフを考えるというのは、本当に奇妙で現実でないような気分でしたよ。

──こんな形でまたルーク・スカイウォーカーの物語が見れるのはファンとしてすごく嬉しいです。ちなみに、念のために確認なのですがルークは予告編には結構出てきましたが、本編でもしっかり出てきますよね……?
ジョンソン:マークの説明によれば、彼は少なくとも『フォースの覚醒』の倍以上は出てくるらしいですよ(笑)。
実際には、『フォースの覚醒』でのハン・ソロと同じくらいにストーリー上重要なキャラクターです。
──今作では脚本も担当されていますが、『エピソード9』の結末を知った上でそれに合わせて書いたものなのでしょうか?
ジョンソン:まったく知らない状態で書いています。たとえ知っていたとしても、キャリー・フィッシャーが亡くなったことで、『エピソード9』はその大部分を変えざるを得なかったので、伏線などは使えなくなっていたでしょう。
なので次の章に向けて僕がやったことは、その下地をしっかり作ったというくらいです。キャラクターを掘り下げ、その関係をより複雑にして、それが最後にどうなるかが楽しみになるようにしたのです。

──『最後のジェダイ』の内容の中で個人的に特に気になるのは、新エイリアンの「ポーグ」のことなんですが、彼らを出そうと決めたのは監督のアイデアなのですか? それとも、ディズニー側がおもちゃなどの展開も考え出すように決めたものなのでしょうか?
ジョンソン:おもちゃやグッズのために出すように言われたものはこの映画の中には入っていませんね。すべて僕のアイデアです。
実は当初、そういう指示もあるだろうなぁと思っていたのですが、実際にはありませんでした。なので、ポーグを含めあらゆるものが、僕が映画の中に必要だと思ったから登場しています。
ポーグに関しては、撮影場所のスケリッグ・マイケル島で撮影ための下調べをしていたときに、島にいたツノメドリをモデルにしているんです。島にはとにかく大量のツノメドリがいて、気をつけないと踏んづけてしまうほどでした。
ポーグはその島の雰囲気をスター・ウォーズの世界に反映するため生まれたキャラクターであり、今作の少し重いストーリーの中にコメディ・リリーフ的なキャラクターが欲しかったから生まれたキャラクターでもあります。
とにかくいろんな商品が出ていて、広告もたくさん出てくるので、心配している人もきっといると思いますが、決して映画のメインにはなりません。これは約束できますよ(笑)。

──先程キャスリーン・ケネディさんにインタビューした時は、ポーグはジェダイに関わりがあるとおっしゃっていましたが、それはどうなんでしょう。
ジョンソン:そうかなぁ? ちょっと後で彼女と相談しないと。もしかしてポーグが最後のジェダイなのかもね(笑)。
──ちなみに私はスター・ウォーズ世界の悪党たちが好きなのですが、今作やこれから関わっていく新たな三部作には賞金稼ぎが出てくる話になったりしますか……?
ジョンソン:今作ではストーリー上必要がなかったので、賞金稼ぎは出てきません。しかし、ベネチオ・デル・トロが演じるDJというキャラクターが、いわゆるならず者です。スター・ウォーズの世界はその裏社会も非常に大きな要素であり、欠かせないものですからね。今後の作品はストーリー上必要になれば賞金稼ぎも出てくる可能性もあるでしょう。
あとはJ・J(エイブラムス監督。『エピソード9』を担当)に聞いてみるといいですよ。彼はなんといっても賞金稼ぎたちが大好きですからね。

どことなくジョージ・ルーカスっぽいというか、明るいジョージ・ルーカスというような感じの方で、作りてであると同時に本物のスター・ウォーズオタクというところが話の熱の入りどころに出ていて、『最後ジェダイ』はもちろん、これから作っていくという新三部作もある意味安心で、非常に楽しみです。
また、新キャラクターのポーグが商業的理由から生まれたものではないというのも安心でした。果たして本編ではどんな活躍をするのか、世界のポーグ・ファンの方々はお楽しみに……!
映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日全国公開。
Photo: ギズモード・ジャパン
Image: (C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
Source: スター・ウォーズ/最後のジェダイ|映画 | スター・ウォーズ公式
(傭兵ペンギン)