「テスラによるバッテリー買い占めで世界規模のバッテリー不足」報道、真偽はいかに
Image: Mark Brake/Gettyimages

「テスラによるバッテリー買い占めで世界規模のバッテリー不足」報道、真偽はいかに

スケールの大きいマスク氏のことなので、あり得そうではありますが...。

Tesla(テスラ)の新型モデルであるModel 3、9月には1500台を納車すると宣言していたものの、製造プロセスにおけるバッテリー関連の問題で製造は大幅に遅延。第三四半期は6億1900万ドルの損失を出すに至りました。そんな中、製造ラインを遅延させている問題を解決するためにテスラがとった解決策が原因で、世界規模のバッテリー不足が起きているという報道がされています。

韓国のニュースETNewsは、「Panasonic(パナソニック)は日本にあったバッテリー在庫のほとんどをテスラへと提供し、それによって他の企業がバッテリー不足で困っている」と報道しています。テスラとパナソニックはネバダ州スパークスにあるギガファクトリー1で電気自動車用のものと共にPowerwallやPowerpack向けのバッテリーを生産しています。

パナソニックは自動車向けリチウムイオン電池の世界最大のサプライヤー。テスラは10月初めに、「製造におけるボトルネック」が原因でModel 3の製造が遅れていると報道されました。しかし10月末には、ボトルネックの原因が究明されプロセスの一部を自動化することもできたのでギガファクトリーにおけるバッテリー生産量を増加するとパナソニックは述べていたんです。

ところが今回の報道では、「これは直近のバッテリー不足の解決にはそれほど役に立っておらず、パナソニックが日本からバッテリーを送り込むことで不足に対処している」と述べられています。その結果として、円筒形バッテリーが必要な日本の企業の多くはLGやMurata(村田製作所)、Samsung(サムスン)といった他のサプライヤーへと発注をしているものの、需要は完全には満たされていないとのこと。2017年以前に契約を結んでいた企業には影響は出ていないものの、新規の注文は来年の半ばまで受け付けられないだろうとも書かれています。

ここまで読むと「テスラの影響すごい...」と唸ってしまいそうですが、この報道はETNews一社しか出していない点には注意が必要です。「日本バッテリー業界の匿名の情報源によるもの」としてETNewsは報道していますが、電気自動車について専門的に扱うニュースサイトElectrekは、ETNewsの報道に対して疑問を呈しています

Electrekの編集者Fred Lambert氏は次のように述べています。

現時点における我々の理解では、ギガファクトリー1におけるテスラの問題はバッテリー・モジュール製造であり、それがModel 3のバッテリーパックを製造するボトルネックとなっています。Model 3のバッテリーパックはTesla 2170 Battery Cellという電池からできており、それはギガファクトリー1においてパナソニックが製造しています。テスラとパナソニックがギガファクトリー1における問題について正直に語っているかぎり、日本からモデル3製造のためにバッテリーを送る必要性はありません。

米Gizmodoはこの件に関してテスラにコメントを求めましたが、返答はありませんでした。

Image: Gettyimages
Source: ETNews, Engadget

Jennings Brown - Gizmodo US[原文
(塚本 紺)

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