映画『ショート・サーキット』のナンバー・ファイブを思い出させる顔です。
東日本大震災により、メルトダウンを起こした福島第一原子力発電所事故。いまだに人が入られるほど安全ではなく、中がどうなっているのかわからない状態が続いています。現状がわからないと修理の計画も立てられないため、どのように内部を調査するのか、いろいろな研究が行なわれているようです。
そこで開発されたのが、東芝エネルギーシステムズ株式会社の調査装置。

これは約13mのガイドパイプと約5mに伸びる伸縮式パイプの先から、重さ2kgのパンチルトカメラと俯瞰カメラをケーブルを使って下に降ろす装置です。
原発には今年の2月に開けた直径約12cm装置挿入用の穴があり、そこを通過する小ささが求められたのです。
先端のカメラは遠隔操作で上下120度、左右360度の撮影ができます。暗く蒸気で視界が悪い状況に対応するべく、カメラとLED照明の距離が調整できるようになっています。
カメラの上部には、線量計と温度計も搭載されています。耐放射線性は約1,000Gy(グレイ)とのことで、2時間で引き上げた2月の調査より期待できそうです。

この装置は12月22日に福島に出荷されています。そして現場での準備作業が終わり次第、2018年1月後半から2月に予定されている、2号機の格納容器内部調査に使われる予定とのこと。
キッチリと廃炉にするまでまだ何十年とかかりそうですが、このカメラの活躍でそれが少しでも早まってくれると良いですね。
以下、米Gizmodoに今回の実機が掲載されています。
Image: YouTube
Source: YouTube, Associated Press via 東芝エネルギーシステムズ株式会社
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(岡本玄介)