これはモジュラーワールドと出会えるシンセになれる。
フランスの音響メーカーARTURIAが、ハードシンセ「MiniBrute 2」を発表しました。お手頃価格で本格的なピュアアナログシンセが楽しめた「MiniBrute」サイズのボディに、ここ数年でARTURIAが培ったシンセノウハウが上手くミックスされた一台に仕上がっているようですよ。
サイドウッドなこの面構えからしてもう好き以外の何者でもないのですが、ひとつずつ見ていきましょう。全身アナログのプリセット無しスタイルは変わらず。「MicroBrute」と同じミニ鍵盤を採用し、ホイール類も下にまとまりました。ホイールの質感は「MatrixBrute」と同じっぽい?
VCOは2系統に増加し、VCO1にはFMが追加。VCO2はトグルスイッチで波形を選べるようです。サブオシレーターのように使ってくれという感じで、フェーダー類にもOsc2が追加されています。アンプのエンベロープはADにコンパクト化され、代わりにループをゲット。セミモジュラーシンセみが出てきた。

そしてなんといっても、右上に鎮座するパッチベイエリアですよ。この仕組みは「MicroBrute」でも採用されていましたが、あちらは8ヶ所だったのに対して「MiniBrute 2」では48カ所もある! ほとんどのパラメーターが制御でき、もちろんモジュラーシンセとも互換性があります。
端子類は背面にMIDI入出力、マスター、ヘッドフォン端子を、左サイドに同期端子を搭載。CV/Gateはパッチベイエリアからアクセスしろと、そういうことですね。シーケンスやピッチ操作もその方が好アクセスでしょう。MicroBruteのCV/Gateはちょっと手狭だったからなぁ。
アルペジエーターも作れるシーケンスセクションは、キーボード・コントローラー「KeyStep」のそれを移植したようなスタイル。どうも全体的に、ARTURIAが近年手がけてきたハードシンセの好評だった要素を移植した感ですな。でも上手く収まってると思うし、分厚いオシレーターを複雑にモジュレーションするのは楽しそう。FMでトガらせた音色をSteiner-Parkerフィルターでさらにキレさせてリリースとリバーブエフェクターでアレして……。うん、いいぞ、いいぞ。
2018年4月頃に発売予定で、価格は649ユーロ(約8万8260円)。価格はMiniレベルに収まらなかったかぁ。レビューしているサウンドを聞いて妄想を膨らませるとしましょうぞ。
Image: © by Synth Anatomy via Synth Anatomy
Source: Synth Anatomy, YouTube(1, 2)
(ヤマダユウス型)