ゲオの格安4Kテレビ レビュー:5万円とは思えない美しい4K体験、5万円なりの「激安リスク」

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  • author 小暮ひさのり
ゲオの格安4Kテレビ レビュー:5万円とは思えない美しい4K体験、5万円なりの「激安リスク」
Photo: 小暮ひさのり

どういう人が買うべきなの?

2017年末、グリーンハウスは直販や全国のゲオなどで50インチの4Kテレビ「GH‐TV50A‐BK」を発売しました。ドン・キホーテの4Kテレビから始まった、格安4Kテレビとも言われるジャンルで、なんと50インチの4Kで4万9800円(税別)の破格値。僕は買う前から悩み、買ってしばらく楽しんだあともしばらく悩んでいたんです。果たしてこのテレビを買って良かったのだろうか?ってね。

悩んだ理由は、やっぱり画質や性能面での不安です。

だって、普通ならこんな破格値の4Kで本当に大丈夫なの?と思っちゃうじゃないですか。安さゆえの初期不良に当たったら悲しいですし、なにより今使っている2011年発売の「REGZA 42Z2(フルHD)」には何の不満もありません。4Kテレビに買い換えるにしても、家電は東芝派!を貫く僕としてはどうせ買うなら「ハイセンスのレグザ」になる前の「東芝レグザ」を今のうちに買っておくべきなのではないか? 「ああ、レグザの呼ぶ声が聞こえる…」と、しばらくはレグザを救出するスピリチュアルな使命に駆られていたんです。

でも、4Kレグザを1台買うお金で、ゲオの4Kが3台買えるんだよな…。というあたりに気がついてからは吹っ切れました。5万円で楽しめるなら楽しんでみてもいいんじゃないかな!ってね。その結果、良いこともありましたし、良くないこともありました。

4K映像は格安でも綺麗だけどフレーム補完は要調整

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Photo: 小暮ひさのり

まずは「良いんじゃない?」と感じた部分としては4Kの映像品質

この手の格安4Kで皆さんが気になっているであろうポイントですね。これに関しては肩透かもしれませんけど、映像は予想よりも格段に良い印象でした。有名メーカーのテレビと違い、高画質化のエンジンなどは削ぎ落とされているため、地デジ放送ではパネル解像度の高さゆえ映像の荒さが気になるシーンもあります。でも、これまでのフルHDテレビから比べると、たしかに4Kの高精細さを感じられます。

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Photo: 小暮ひさのり

廉価モデルながら、「フレーム間補正」機能「ブレ補正」機能なども搭載されていました。倍速液晶とはまた違い、フレーム間の動きを予測して埋める機能となり、7年前のテレビにはなかった機能ですごく新鮮! でも、ややオーバーに補完しているのか、不自然に感じるシーンもあってなかなかに評価しづらいところですね。

たとえば、アニメで背景がスクロールするシーンなどはすごくヌメぇ〜っと滑らかになるんですけど、人物が動くシーンで補完が失敗すると残像感が出てしまいます。そしてその補完失敗は多発します。映像補完は値段を考えたら頑張っている気がしますけど、補完失敗のコマにイラっとすることもあるので、すっぱりと割り切ってアニメ視聴時にはオフにするか、映像ソースに合わせたレベル調整を行なうといったユーザーの腕の見せ所です。

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Photo: 小暮ひさのり

ちなみに、起動画面や番組表やメニューのインターフェースはドン・キホーテの通称「ジェネリックレグザ」とほぼ同じでした。メインボードは東芝製なのでしょう

ゲームモードは遅延は少なめだけど映像品質は難あり

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Photo: 小暮ひさのり (注:簡易的な計測です)

このゲオ4Kテレビを選んだ理由のひとつとして、ゲームモードの存在です。PS4でゲームをプレイするにあたって、やはり低遅延なゲームモードは絶対に必要なんです!

表示遅延を簡易的に計測してみました。MacBook 12インチとの表示差はゲームモード以外では0.094秒(約5〜6フレーム)遅延となったのに対し、ゲームモードの表示遅延は0.032秒(約2フレーム)。7年前のレグザのゲームダイレクトモードでも同様の計測をしたところ、結果はほぼ同じだったので僕としては遅延に関しては満足できるレベルですね。

しかし、ゲームモードでは明らかに発色・画質が落ちます

レグザは映像の高画質処理を行ないつつも、低遅延を実現しているのでやっぱりすごいですね。ゲオの4Kテレビでゲームモードを楽しむなら、自分で色設定のカスタマイズが必須となり、ユーザーの調整スキルが問われます。

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Photo: 小暮ひさのり

せっかくなので、僕が悩んだ末の映像設定を載せておきますね。このテレビのゲームモードに苦しんでいる方の参考になれば幸いです。

窓から投げ捨てたくなる最悪のリモコン

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Photo: 小暮ひさのり

さて、ここまで比較的「いいんじゃない?」「まぁ良し!」ポイントを紹介してきましたけど、続きましては「ガッカリだぜ…」なポイントです。たぶんこっちのほうが皆さん知りたいのかもしれませんね。

まず、標準リモコン(写真左)は本当に最悪です。

チープな見た目も減点対象ですけど、なにより赤外線の発信LEDが貧弱貧弱ゥ過ぎて、テレビに向けてボタンを押したくらいじゃ全然反応しません。このリモコンを使うには、パネルの右下にある受光部に狙いを定め、まるで射的の的を狙うかのように思いっきり手を伸ばすくらいの動作が必要です。テレビの赤外線受光部にリモコンを向けて操作するなんて、平成も終わろうとしている現代のものとは考えられません。

結局のところ、だめだこのリモコン!とこのリモコンを使うことを諦め、ソニーの学習リモコン(写真右)「RM-PLZ430D」を購入しました。当然ながらボタンプリセットにこの4Kテレビは含まれていなかったので、すべてのボタンを手動で割り当てるという極めて面倒な時間がかかりましたけど、お陰でリモコン操作は快適に。このテレビを買いたいと思っている方は、プラス2,500円くらい出してこの学習リモコンを買いましょう。絶対に!

製品交換となるトラブル発生! センドバック対応のデメリット

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Photo: 小暮ひさのり

冒頭で不安視していた品質面でのトラブルにも直面することになりました。

実は最初にゲオから持ち帰ったテレビは、この画像のように偏光シートがたわんでいて、まるで水面に波紋が伝わるかのような状態だったんです。不安視していた価格なりの作りの荒さという洗礼を受けました。あぁ、自分のフラグ回収能力を褒めたい気分です。

症状をメーカーサポートに連絡したところ、これは初期不良として製品交換になりました。通常のテレビであれば、メーカーのサポートが修理に来てくれるのでしょうけど、こちらは「センドバック」対応。不具合があった場合は、自分でテレビを再梱包して送り返さなくてはならなかった点もネックでした(映像品質レビューなどは交換後の製品で行ないました)。

こうして、このバカでかいテレビを設置するという労力が2倍になったという結果は、低価格ゆえの犠牲です。価格を考えてやむなしと捉えるか、あり得ない!と捉えるかは人次第。僕としては、ここだけの話「おっ、このトラブルどうなるの?」感を逆に楽しんでいたのは秘密です。やっぱり人柱は最高だぜ!

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Photo: 小暮ひさのり

しかし、また何かトラブルが起こったときのために、この馬鹿でかい箱を保管する必要があるのは本当にストレスです。いっそ何かあったときはそういうものだと諦めて箱を捨ててしまうか?と悩んでいます。

でもAmazon Fire TVとの相性は最高です!

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Photo: 小暮ひさのり

と、良いことを受け入れ、悪いことを乗り越えて。今どうやってこのテレビを使っているかというと、もっぱらAmazonプライムビデオとNetflix。テレビを買った帰り道に、せっかくの4Kテレビだし、4Kコンテンツを楽しまねば!と、Amzon Fire TVの4K対応モデルをポチりました。

やっぱり4Kコンテンツは綺麗ですね!

上を見たらもっと綺麗に表現できるテレビなんてたくさんあるんでしょうけど、それでも4K解像度のパネルで見る4K映像は美しく、思い切って買ってよかった!と感動した瞬間です。普段なら1ミリも興味もないゴッホの絵画紹介番組を見て「ほうほう」とわかったようなリアクションをしてしまうくらい多幸感に満たされていました。

地デジはまだ4K非対応ですけど、この価格なら、4Kチューナー搭載テレビが登場しだすまでのつなぎとして割り切ってもいいでしょう。ひとまず、AmazonプライムビデオやNetflixなどの動画配信サービスで楽しむ分には十分なテレビであるとおもいます。Netflixも4K対応プランに変えようか、本気で悩んじゃうくらいですよ。

格安4Kテレビはいったいどういう人が買うべきなのか?

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Photo: 小暮ひさのり

多くの「格安4Kテレビ」は、品質面での価値や、高画質化の価値、インターネット機能、サポート面での価値など、多くのメーカーがこぞって競い合っている付加価値部分を削ぎ落とした引き算の元に作られたモデルとなり、プラモデルに喩えれば素組みのザク。

購入するときには、安さの代償として削ぎ落とされたものを許せるか?が焦点になります。

前提として、格安4KTVは映像品質としては値段以上の価値はあり、僕のように既存のフルHD世代から一歩進みたい人たちには、4Kへのエントリーとして最適なんじゃないかなと。一方で、高級なエンジンによる最高の映像体験を求めている方は明らかに対象外。テレビに映像美を求めている方は、各社のフラッグシップモデルを狙いましょう。

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Photo: 小暮ひさのり

今回は交換修理になり、色調整に苦しみ、リモコンに嘆くことになりました。でも、テレビに対して四苦八苦するという状況が逆に面白くて、僕としては(値段を考えたら)買ってよかった!という結論に達することができました。今では、思わずAmazonで3,000円くらいの壁掛け金具で壁掛け化して、バータイプのスピーカーを設置しちゃうくらいに楽しんでいます。

さて、最後に評価をまとめましょう。

■格安4Kテレビのメリット

・コスパは最高レベル
・映像は思っていたよりまともで4K映像は綺麗!
・ゲームモードは明らかに遅延が少ない(7年前のレグザと同じくらい)
・Amazon Fire TVとの相性は最高なので一緒に買いましょう!

■格安4Kテレビのデメリット

・モードによっては発色は最悪(ゲームモードは要調整)
・インターネット機能なし
・コストダウンの影響が強い(リモコン最悪)
・品質がイマイチで個体差が大きい
・修理や交換対応が郵送のみ(保証対象の修理では送料無料)
・チャンネル切り替えや起動にやや時間がかかる

といったところ、サポートについては販売メーカーによって方式は変わりますけど、これらのデメリット部分を我慢できる、もしくは許せる方は格安4Kテレビに向いていると思います。

また、さらに1つ大きな問題を抱えていて、それでも欲しい!となっても、現在の格安4Kテレビは家電量販店などでじっくり見定めたり、比べて買うという、映像機器を選ぶ上で最も大事であろうフローが欠けているんです。つまり現状、どうしても「人柱の覚悟を楽しむテレビ」となってしまっているんですよね。

知ってた!というツッコミが多々送られてきそうですけど、メジャーな国内メーカーのテレビを買っておいたほうが安心できるのは確実。博打要素もあるこちらは、万人におすすめできるテレビじゃないことは確かです。買おうかどうか迷っていると言われたら、僕なら上のメリット・デメリットを解いた上で「いいか、よ〜く考えろ」と返すと思います。

でも内包するデメリットを自分なりに楽しみながら解決したり、割り切ることができる人なら、50インチの4Kテレビが4万9800円という、バツグンのコストパフォーマンスは魅力的です。ある意味、この未完成なガジェット感は、ギズモード読者の皆さん的には心が弾むところなのかもしれませんね。まだ見ぬ道を探したいという冒険心を心の奥底に潜ませているのであれば、僕にそれを止める権利はありません。このテレビに限れば、製造元のグリーンハウスは、第二弾、第三弾の販売も予定しているとのことですよ。

でも、もう一度言います。「いいか、よ〜く考えろ」。



Image: 小暮ひさのり
Source: グリーンハウス

(小暮ひさのり)

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