核戦争はまぎらわしいUIで勃発するのか…ハワイのミサイル襲来誤警報のボタンが想像以上に微妙

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核戦争はまぎらわしいUIで勃発するのか…ハワイのミサイル襲来誤警報のボタンが想像以上に微妙
Image: Hawaii News Now

今月ハワイで弾道ミサイル襲来を告げる警告が誤発信された件で、職員が打ち間違いをした画面が公開になりました。

ご覧のように「ボタンの打ち間違え」も何も、ボタンすらなくて、ひとつのドロップダウンメニューに演習と本番がごっちゃごちゃと混在しており、ここでうっかり本番テンプレートを押してしまえば、残りは演習も本番もそっくりおんなじというホラー仕様です。「7回もクリックあるのに」、「途中で気づけよ」と散々言われましたが、そもそもここでボタンの掛け違いが起こって、はっと気づいたときには次のようなことになってしまっていた模様です。

Video: NEWZZCAFE
MBA試合中継中にアラート発出。「米太平洋軍がハワイ攻撃ミサイルを探知した。屋内の人は屋内待機、野外の人は直ちに屋内に避難、車の人は停車し床に伏せること。これは演習ではない」

着弾までわずか20分ということで、トンネルに逃げ込む車、大切な人にお別れの電話をする人で街はパニックになりました。真珠湾基地のシェルターに逃げ込んだ市民は、ドアがロックされていて中に入れないことにこのときになって気づくなど、いろいろな課題や問題点も浮き彫りに。

Video: CNN

アラートが撤回されたのは38分後です。これだけ遅れた理由について、発出元の州緊急事態管理局を取材したCBS Newsの記者は「警報を撤回するテンプレートが存在しなかったので手間取った」と動画で伝えています(動画はアメリカで視聴。日本では再生できません)。なんでも「男性職員がミスに気付いたのは2~3分後だったんだが、システムにその新しいメッセージを入れるのに延々30分以上もかかってしまった」とのことです。ふぎゃ~。

責任当事者の処分については、「純粋なミスであり、懲戒免職処分にはならないと当局は言っていた」とのこと。記者は「『本当によろしいですか?』のところで、もいっかいクリックしてる。どうして故意じゃないと言い切れるんだ!」と食い下がりましたが、「勤続約10年で、職歴から判断してわざとやるような男ではない」と言われたそうです。

実際のところ何回クリックなのか?

このUIとよく似たシステムを開発しているAlertSenseに目をつけたThe Vergeが取材してみたところ、管理局に使われているのが同社のシステムかどうかはCTOは明言を避けつつも(国防上の理由?)、この警報システムの採用には、一からカスタマイズするものと、テンプレートを使うものの2通りがあると詳しく説明してくれました。

で、みんなが言っている「7回クリック」「8段階プロセス」「長い長いスクロール」を伴うものは、ぜんぶカスタマイズ版の話なんだそうでして、州側が言うように「テンプレートの選択ミス」が原因だとすると、テンプレートコースとなります。ライブもテストもわずか3クリックで送れてしまうのだそうですよ。同社は最後の「本当によろしいですか?」をもうちょっとおどろおどろしく変えてみることを検討中です。3クリックで世界が終わってもしゃれになりませんから、核マークかなんか緊急投入ですよね!

ちなみに核が飛んできたそのときには最初の30分で分厚い何かの中に逃げ込むのがコツです。1日はその中に籠っていて決して歩き回らないようにしましょう。


Image: Hawaii News Now
Source: The Verge, YouTube(1, 2, 3

(satomi)