メカデザイナー河森正治氏&カーデザイナー田井悟氏“未来に一番近いクルマ”新型「日産リーフ」スペシャル対談
Photo: 菊地英二

メカデザイナー河森正治氏&カーデザイナー田井悟氏“未来に一番近いクルマ”新型「日産リーフ」スペシャル対談

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豪華な対談が実現しました。

電気自動車(EV)や自動運転など、新しいテクノロジーとも密接に連携し、日々進化しているクルマのデザイン。今一番、僕たちをワクワクさせてくれる分野の1つではないかと思います。

この、ホットなシーンであるクルマのデザインについてグッと掘り下げて考えてみたいと思い、今回デザインのプロ同士による特別な対談を企画しました。

登場していただくのは、人気アニメ『マクロス』シリーズのメカニックデザイナーとして知られる河森正治氏と、日産自動車のエグゼクティブ・デザイン・ダイレクターとしてEV「日産リーフ」をはじめとするカーラインナップの大半を監修している田井悟氏。ぜいたくな組み合わせです。

最新EVである新型「日産リーフ」のデザインポイントは? 今後のクルマのデザインはどう進化していく? アニメーションとリアルカー、異なるフィールドでメカニックデザインを手がけるお2人の興味深いトークをご覧ください。

同世代の2人を魅了したカーデザインの原体験

── お2人は同い年という共通点があり、さらに河森さんはカーデザイナーに憧れていた時期もあったそうですね?

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河森正治。慶應大学在学中から『超時空要塞マクロス』に登場する「バルキリー」をデザインし脚光を浴びる。2月9日封切りの『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』および春より放送予定のテレビアニメ『重神機パンドーラ』の原作・総監督を務めている。

河森:そうなんです。中学生のときに自宅の前をイタリアのスポーツカー、デ・トマソ マングスタが走って行って、それを自転車で追いかけたらシーサイドモーター(編注:横浜市で営業していた輸入車ディーラー。スーパーカーブームを牽引した)のファクトリーを見つけたんです。それがカーデザインを改めて強く意識した体験でしたね。幼いころにも、父親がいすゞの受託会社にいたこともあり、デビューしたばかりのいすゞ117クーペを目にする機会があったんです。そのとき父に「イタリア人がデザインしたクルマだ」と言われ「デザイン!」と、その言葉に出会いました。

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田井悟。日産自動車エグゼクティブ・デザイン・ダイレクター。新型「日産リーフ」のほか「IDS concept」「TEATRO for DAYZ」「IMx」といったコンセプトカーも手がけている。

田井:僕は子供のころ、母親に連れられてゴルフの練習に行っていたのですが、そこでからし色のポルシェ911がビューンと走って行ったのを見て、乗りたいと思ったのが原体験ですね。ちなみに河森さんがお話しされていた117クーペは僕も欲しかったクルマです。あとは黄色いフェラーリ ディーノか、アルピーヌA110かという感じで。当時はよく分かっていなくて、フェラーリは買えるものだと思ってたんですよね(笑)。

── 男子にはそういう時期がありますよね(笑)。

田井:ですので、基本的には乗るのが好きで、どちらかというとメカニズムの方に興味を持っていたんですけど、大学のときに「デザインをすればクルマを作れる」ということに気づいて「これは面白いかもしれない」と思ってカーデザイナーになりました。

アニメと現実のデザインの違いとは

── 河森さんから見て、アニメーションにおけるメカニックデザインと、実際のカーデザインにはどのような違いがありますか?

河森:アニメの世界では「メカニックデザイン」と呼ばれていますが、やっていることは「スタイリング」や「キャラクターデザイン」と表現した方が実状に近いと思います。おもちゃ化する変形メカ以外は、物理的にはほとんど制約のない中でデザインをしているので、何でもできるのです。それに対してカーデザインは実際に生産しなければいけないですからね。クルマは「原寸大」であるという点も大きな違いです。実物を目の当たりにしてなるほどと思うことも多い。また、アニメや映画のメカニックデザインは、画面に映る時間が短いので、一瞬で強くアピールできるよう、少しクドめにデザインします。それに対して、実際のクルマは何年も乗り、何度も目にするものですよね。そのあたりのさじ加減も田井さんにうかがいたいです。

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田井:インパクトとリアルさのバランスはとても難しいです。これは新型「日産リーフ」のデザインにも通じるところがあるのですが「完全に未来的には描かず、それでいていかに未来感を表現するか」という悩みにぶつかります。アニメ監督の神山健治さんが「未来のものだからといって形は未来的とは限らない」と言っていたのがしっくりきたのですが「伝わる人には伝わる」という程度のインパクトの出し方が1つの落としどころだとは思います。

新型「日産リーフ」に見る「普通であること」と「未来的であること」のバランス

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Photo: 菊地英二

── そういった課題がある中、新型「日産リーフ」は、どのような意図を込めてデザインされたのでしょうか?

田井:新型「日産リーフ」のデザインは難しかったですね。前のモデルは世界で初めての量産電気自動車ということで「特徴的なデザイン」でユニークな存在感を与えて、たくさんのお客様の認知度を高めていこうと意図されたものだったのですが、それに対しては好みが分かれることもあります。そこで今回の新型「日産リーフ」は「EVというまったく新しいメカニズムを持っている自動車を、どうすれば世界により浸透させられるか」ということをテーマにデザインしました。具体的には、前のモデルよりも「普通のデザインのクルマ」に近づけて「幅広く多くの人々に好きになっていただけそうな形に」というディレクションをしてデザインに取り組みました。

河森:とはいえ「普通のクルマ」とまったく同じ性質のデザインではないですよね?

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田井:そうです。EVとしては従来の自動車と完全に同じにはしたくない。そこで何がEVの特徴かということを考えました。その結果、エンジンではなくモーターを搭載しているため「冷却のために空気を吸う必要がない」ということを強調しようと、本来開いているはずのフロントグリルを象徴的にふさぎ、そこにアイスキューブのパターンをあしらいました。アイスキューブのカラーリングもあまり主張しすぎない色にして「EVらしさ」と「奇抜ではない」のバランスをとりました。

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河森:僕が今回の新型「日産リーフ」で好きなのはお尻の部分のカーブの取り方ですね。あの特徴的なフォルムのテールランプへのまとめ方が印象的です。また、僕はやっぱり「低くてかっこいい」というスポーティな感じを好む世代なので、車高は高いけどルーフに色がついていることによって低く感じられる点と、フロント面の流れるようなデザインによってフロントノーズの長さが実際よりも長く感じられるところも好きですね。

田井:そのポイントをほめていただけるのはとてもうれしいですね。新型「日産リーフ」は受け入れられやすい形に全体をまとめながらも、軽さや薄さを通して電気自動車らしさを出したかったんです。フロントもスポーツカー的な面の取り方ではなく、ロケットや新幹線の先端のようなドライな表現でスポーティさを演出しています。フェラーリなんかは動物っぽい感じだと思うのですが、新型「日産リーフ」はあえて動物的なところを取り払って未来感を表現しています。また、テクノロジーはクールになりがちですが、温かみを持たせたいと思い、エッジを立たせながらも柔らかい面使いを意識して、全体のバランスを整えています。

様変わりするデザイン手法

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河森:デザインの手法自体は変わってきていますか? 僕らのアニメ業界も、手描きがどんどんCGに置き換わってきています。若い世代は手描きでも、紙ではなくペンタブレットで描いていますし、もっと若いコたちはそもそも3DCGで描いていたりします。

田井:カーデザインの領域でもそういう変化があります。もともとクルマのデザインは粘土をこねて作るもので彫塑のような感覚があったのですが、近ごろはデジタル上でデザインするようになってきていますね。

河森:最近のクルマを見ていても、昔はやらなかったような面の取り方をしていますよね。

田井:そうなんですよ。デジタルで作られた面と、人が粘土を撫ぜて作った面とでは違いがある。デジタルはすべて数式で計算されているので、人間が無作為に作るものとは何か香りが違ってくるんです。また、我々の世代のデザイナーにとっては、カーデザインといえばまず外観が最優先でした。でも、今は重視されるものがインテリアや、インテリアの機能やコンテンツだったり、そこに置かれるモニターのレイアウトだったりするんです。

河森:なるほど。それに乗員が長い時間目にするのはインテリアの方ですしね。

田井:これはお客様の変化なので抗えないですし、自分自身も「そうなるだろうな」と納得のいく部分でもあります。もはや世界中の若者が「スマホとクルマだったらスマホを取る」というのが現状で、デザインのプロセスも変わらざるを得ないですよね。

── そういった時代の変化による影響は、アニメのメカニックデザインにも及んでいますか?

河森:影響はありますね。小物のデザインのやりようがなくなってきています。具体的には、極端に外観がシンプルなスマホの普及によってデザインするのは外側ではなく画面の中になってきている

田井:スマホの影響は本当に大きいですよね。家電量販店を見ても、ただ真っ直ぐな線だけで構成されている商品が本当に多い。クルマのインテリアにもそういう部分が出てきています。

未来予想:EVが当たり前になった時代のカーデザインは?

── 自動車の未来はEVだと言われていますが、これについて田井さんはどう思われますか?

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Photo: 菊地英二

田井:インドは2030年までにガソリン車の撤廃を決めているし、ドイツやフランス、イギリスもそれに続いていく。そういう世界的な流れがありますので、これはもう間違いないでしょう。

── 今後EVが当たり前になったとき、クルマのデザインはどのように変わると思われますか?

田井:将来的には、いわゆる「自動車的」ではないデザインになっていく可能性があると思います。

河森:そうなったときにはカーデザインは本当に難しくなるでしょうね。制約があれば腕のふるいようがあるけど、どうとでもできてしまうと逆に大変。実は僕は人型巨大ロボットのデザインは苦手なんです。

── えっ!?

河森:あれは非合理的なものなので、メカデザインではなくキャラクターデザインなんです。ディテールとしてリアル感を与えているだけ。機械工学出身の自分としては『マクロス』みたいに「変形メカ」のような機構を作らないと、根拠がなくてデザインできないんです。だから、新しい時代ならではの制約を見つけてチャレンジしていきたいですね。

田井:僕は「NV350キャラバン」というクルマで通勤しているのですが、よく「どうしてキャラバンなの??」と言われます。

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Photo: 日産自動車

でも自分としては「未来的だろ?」と思っていて。というのも、現状カーデザインのベースアイデアは「部屋」になりつつあるんです。もちろんスタイリッシュさを求める声もあるでしょうし、カーデザインがファッションに向かう可能性もあります。そして、さらに遠い未来には自動運転などが進化して衝突の心配がなくなるかもしれない。そうなると安全性のための厚みも不要になるかもしれない。カーデザインは今後あらゆるライフスタイルや趣味、テクノロジーの進化に合わせて多様化していくと思います。

新型「日産リーフ」は、クルマの未来を体験できる“最前列席”

以上、河森氏と田井氏による、新型「日産リーフ」をはじめとしたカーデザインやクルマの未来を巡る対談、いかがだったでしょうか?

お2人の対話の中で印象的だったのが、現代はこれまで以上に未来を予測することが難しい「激動の時代」だということ。そんな圧倒的スピードで動く時代だからこそ、最先端を知り、体験しておくことが、未来を予測するためにできる最善の手の1つかもしれません。

クルマの未来として「EV」があるのはほぼ間違いなくなった今、そんな未来に一番近いのがこの新型「日産リーフ」なのだと感じさせられました。

新型「日産リーフ」には、未来を先取ったさまざまなテクノロジーが満載されています。試乗する機会があれば、ぜひ体験を。きっと新しい何かが見えますよ。


Photo: 菊地英二、日産自動車
Source: 日産リーフ


(照沼健太)

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