オムロン開発の卓球トレーナー・ロボ「FORPHEUS」は愛情にあふれています

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オムロン開発の卓球トレーナー・ロボ「FORPHEUS」は愛情にあふれています
Image: Gizmodo US

「ここまでだと思ったとき、もう一歩ねばれ」

自社テクノロジーの性能をプレゼンテーションするために、商品化の予定はなくとも「おっ」と目を引くロボットやアプリケーションを作るという手法はいろいろなメーカーが行なっています。そんななかでも今年のCESで光っていたのはオムロンによる卓球先生マシーンでしょう。FORPHEUS(フォーフィアス)という名前で登場したこちらの人工知能による卓球先生、強力な対戦相手になってくれるのではなく卓球をしながらユーザーにアドバイスを与えてくれるんです。

Video: Gizmodo/YouTube

オムロンは高い技術力で最先端のマシーンを世に出しているにもかかわらず、その多くは工場の中だったり車の内部だったりと目に見えないことが多いんですね。人工知能、ロボティックス、センサー技術といったオムロンが誇る技術を楽しい方法でお披露目できるように、と開発されたのがこちらのフォーフィアス先生なわけです。

実際の卓球プレイも、米GizmodoのAdam Clark Estes記者によれば「びっくりするぐらい楽しい」んだそう。卓球がたいして上手くなくても、ロボットはプレーヤーにあわせてラリーを続けてくれます。最初はゆっくりとラリーを続け、記者が次第に慣れて自信がついてくるとフォーフィアス先生は少しずつスピードをあげていきます。ロボットの上にあるセンサーは、ただボールがネットを越えているかチェックするだけでなく、相手の顔や表情もモニタリングできるんです。笑顔であれば楽しんでいて、眉にしわがよっていれば苦戦している、といった具合に。これはすごいですよね。

プレイヤーが慌てているとネット部分には「落ち着きましょう」といったアドバイスが現れます。

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Photo: Gizmodo US

フォーフィアス先生は相手を倒すために作られたわけではなく、相手を上達させるために作られているので、トリッキーだったりクレイジーな回転をかけたショットをしてきたりはしません(回転をかけたショットはまだ学習中とのこと)。プレイは落ち着いた、エアロビクスのような運動とのこと。Adam記者は「正直いって、友人とプレイするよりもフォーフィアス先生とプレイするほうが楽しかった」とまで言っております。たしかに、疲れずに自分のレベルに合わせてひたすらラリーを繰り返してくれるというのは魅力的かもしれません。

もちろん、この技術を応用した実用的なプロダクトもお披露目していました。たとえば目の動きをトラッキングして、運転手が眠ってしまいそうなことを通知するというシステム。また高速で流れてくる物を仕分けし、誤って人間の手が入ってしまっても自動で止まってくれるロボット、などです。

こんな人工知能とロボットの組み合わせを見ると「テクノロジーの将来は明るいなぁ(ロボット軍団に殺されたりしないかも)」と思えてきますね。

Image: Gizmodo US

Source: YouTubeAdam Clark Estes - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)