まるで『ぷよぷよ』! 水滴を動かす基板が携帯ゲーム機のようになった

  • author 岡本玄介
まるで『ぷよぷよ』! 水滴を動かす基板が携帯ゲーム機のようになった
Image: MIT Media Lab/YouTube

水滴を思い通りに動かせるだって?

私たちは普段目にする機会がありませんが、新薬製造の工程は高額な機械を使い、スポイトや試験管などの道具を贅沢に使い捨てにする非効率的な作業だらけなのだそうです

もうそんなムダは止めよう!ということで開発されたのが、水滴をプログラム通りに動かし、合体させて混ぜたりできる不思議な撥水基板「プログラマブル・ドロップレッツ」なのです。

そもそもスポイトや試験管とか、使わなければ捨てることにもならないじゃん? という目からウロコの発想で、MITにいるインド人Udayan Umapathiさんがこのシステムの研究を進めています。

Video: MIT Media Lab/YouTube

今回の技術は「エレクトロウェッティング」という物理現象を利用しています。これは、電動率が高い(電気が通りやすい)液滴に電圧をかけると、ベタっと落とされた液滴がやや球体に近い形状となり、接地面が少なくなるという現象です。で、これは、基板上のグリッド毎に電圧を調節することで、移動を自由にしているわけです。

なのでこのプログラマブル・ドロップレッツを使えば、少量の液体を移動させる面倒な作業も、素早く済ませられるようになるそう。また、プリント基板なので低コストで作れ、撥水加工なので再利用もできます。

Udayanさんによると、アメリカでは単純な血液検査だって1回1,500ドル(約16万3000円)ものコストがかかってしまい(アメリカは莫大な医療費でおなじみ…)、生物学者たちは勤務時間の30~50%の時間、何かしらの液体を手作業で右から左へ動かしているという、非効率的な現実があるのです。それに捨てる機材は危険廃棄物となるワケで、これを少しでも減らすのは購入資金だけでなく大変な後処理の手間ヒマを減らすことになり、結果として地球にも優しくなることに繋がります。

またUmapathiさんが生まれ育ったインドでは、血液検査なんてお金持ちしかできない特権なのだそうです。発展途上国で安く検査や新薬開発ができれば、さらに多くの生命が救われることでしょう。

一見すると地味な発明かもしれませんが、その効果は何億、何兆円のコストカットを実現するものと思われます。人類の健康のためにも、ぜひ実用化して欲しいですね。



Image: YouTube
Source: YouTube via hackster.io
Reference: JSciencer


岡本玄介

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