リドリー・スコット監督「エイリアンがスター・ウォーズやスタートレックと同じレベルにならない理由はない」

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リドリー・スコット監督「エイリアンがスター・ウォーズやスタートレックと同じレベルにならない理由はない」
Image: samzsolti / Shutterstock.com

監督の気持ちはすっごくわかります! でも……?

映画に限らず小説やコミックなど、長い歴史とともにさまざまなメディアに派生し、今後もさらなる成長を遂げるであろうSF超大作の『スター・ウォーズ』『スタートレック』

それについてリドリー・スコット監督が彼の作品『エイリアン』シリーズも「そうなって然り」という旨をコメントしています。

今『エイリアン』が、ファンにとって『スター・ウォーズ』と『スタートレック』と同じレベルにならない理由はないだろう。

Toronto Sunにこう語った監督。

確かに、これまで6作と『AVP』といったスピン・オフ、それに作品内に流れる歴史や神話もありますし、たくさんのコミック・ブックやグッズが多数作られてきた過去があります。言うに及ばず、ファンだって世界中に散らばっていますよね。ですが、誰も超大作の2大巨頭とは肩を並べて語らないのです。


その理由は?

それは『スター・ウォーズ』と『スタートレック』にはなかったR指定という、至極シンプルな違いがあるから。SFホラーであり、残酷なシーンも暴力的なシーンも、乱暴な言葉づかいだって出てきます。ですが2作品は、家族に優しいPGPG-13指定なのが決定的です。

『エイリアン』シリーズは、2、3、4作目がそれぞれ違う監督がメガホンを取り、スコット節が一貫していないことも関係しているかもしれません。そして各作品によって、ファンの好き嫌いがバラバラなことも左右しているかと思われます。これは2作品でも同じですが、『スター・ウォーズ』は初期6作までルーカス監督が手がけていますし、『スタートレック』はご長寿ドラマシリーズだったのが強みですよね。なので何だかんだいっても、ファン層は厚いと思います。

ほかにも考えられるのは、前日譚の『プロメテウス』から現段階の『エイリアン:コヴェナント』まで、旧作と毛色が変わってきていますよね。リプリーが去るのは仕方ないとして、もうゼノモーフが主軸ではなくなっていますし、監督も(もし続編が作られるのであれば)ゼノモーフは少なめでデヴィッドのような人工知能に焦点を絞っていく考えを公表しています。

監督いわく、「デヴィッドは素晴らしいヴィラン(悪役)だ」とこのアンドロイドに惚れ込んでいるご様子。シリーズを通じてアンドロイドは欠かせませんが、コイツは1作目のアッシュが可愛く見えるくらい極悪ですもんね。『コヴェナント』は、ほとんど彼の物語といっても過言ではないくらいです。

それと2作品は大銀河を舞台に繰り広げる壮大なスケールを感じますが、『エイリアン』シリーズは狭い範囲のストーリー展開で「大銀河!」って感じではないのもひとつあると思います。


その結果…

結局『プロメテウス』から始まった作風の進化がきっかけで、『コヴェナント』の興行収入が減ることに繋がってしまったようで……残念ながら『コヴェナント』の続編はキャンセルされてしまいました。

反対に『フォースの覚醒』と『最後のジェダイ』、オマケに『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、旧作のテイストや伏線なども採り入れつつ、ちゃんと前進している印象です。一方『スタートレック』は新作映画でボコボコに批判されつつも、一定数の新規ファンを獲得しているとのこと。

なので後ろを振り向かず突っ走るだけでなく、古いファンも大事にしようという姿勢が興行成績に繋がるのだと考えられます。


もちろん『エイリアン』シリーズは素晴らしい歴史と世界観を構築しています。ただ“現段階”では2作品とはまったく別物で、同じ土俵に立つことが不自然なんですよね。もし監督が次を作るのなら、2大巨頭に寄せてくるのでしょうか? 今後はその辺にも注目していきたいと思います。



Image: samzsolti / Shutterstock.com
Source: Toronto Sun via Den of Geek
Germain Lussier - Gizmodo io9[原文1, 2, 3

岡本玄介

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