一部の熱狂的なユーザーたちを越えて一般家庭にもじわじわと普及しつつある音声コントロール・ガジェットです。AlexaやGoogle Homeといったスマートスピーカーの普及も加速して、IoTを組み込んだスマートホームはいよいよ本格化しつつあります。今年のCESはそのさらに一歩先の未来を見せてくれる展示ばかりのようです。
サムスンが展示したスマートホーム・コンセプトでは家庭内のあらゆる物に高性能なマイクが内蔵されるようになっています。それによってスマートスピーカーの近くまで歩いて行かなくても、ユーザーが思い立った瞬間にコマンドを話せば近くのマイクが聴き取ってくれるというわけです。コンセプト・デザインはまるでSF映画に出てくる宇宙船のようなピカピカの白を基調に青いLEDライトが光るという典型的な近未来イメージです。
「照明をもっと明るくして」「ボリュームを下げて」といった指示を普通に話す時のような声の大きさで気軽にできるようになるということですね。もちろん、サムソンのコンセプトなので話しかけるアシスタントはBixbyです。部屋に入った瞬間に「この部屋の気温をちょっと下げて」と言うとエアコンが稼働したり、テレビを見ていて「この番組つまらない!」と言うと別の番組を、これまでの閲覧履歴から提案してくれたり、と確かに便利になりそうなのは想像できますね。

しかし私のような心配性の人間はやはり少しの不安を抱えてしまいます。小さなマイクを家中にインストールして、小さな囁きも聞こえてしまうなんて状況です。スマートスピーカーには常にセキュリティの不安がついてきますし、広告に汚染されるのでは、なんて心配もあります。プライバシーの心配をどうやって克服するのか、が今後の課題でしょうか。
もしかしたらあと数年たてば、自宅内の音声が聞き取られるなんてその利便性から比べるとささやかな問題、なんて多くの人が思うようになるのかもしれません。とりあえず今のところは、すごく興味深い一方で、不安にもさせられる、というコンセプトです。
Image: Gizmodo US
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)