スマートグラス、実用化なるか。
スマートフォンやスマートウォッチは実用化されたのに、なかなか一般に受け入れられる製品が登場しない「スマートグラス(スマート眼鏡)」。しかしようやくというべきか、「お、これなら使い物になるかも?」と思わせてくれるプロダクトが登場したようです。
実際に製品を試用した米GizmodoのSam Rutherfordさんのレポとともに、完成度の高まったスマートグラス製品の実力を見てみましょう!
AR技術を利用したスマートグラス「Google Glass」は残念ながらプロジェクトが一休み状態ですが、情報表示が可能なスマートグラスというアイディアは今でも魅力的。そんな中ラスベガスで開催中のCES 2018では、ようやく実用的な水準に達したと思わせてくれるスマートグラス製品「Vuzix Blade」が参考出品されています。

一見普通のサングラスに見えなくもないVuzix Bladeは、本体に小さなDLPプロジェクターを搭載。光導波路技術によって、右側のレンズにフルカラーのイメージを描き出します。

そのスリムな外観にも関わらず、Vuzix Bladeは内部にプロセッサや800万画素カメラ、4GBのRAM、microSDカードスロットを搭載し、カスタム版のAndroid OSが動作します。またWi-Fiやマイクも利用でき、タッチパッドでの操作が可能です。
Vuzixの代表は、製品はGoogle Glassとは異なり付け心地がよく、公共の場で装着しても自然なデザインに仕上げることに気を配ったと語っていました。

確かにVuzix Bladeの見た目は、ちょっと遠くからみれば普通の眼鏡のように見えます。しかし近づくとその分厚いサイド/ブリッジのフレームや、レンズのコーナーに光が照射されていることに気づくはずです。

本体の操作感もよく、2本の指で眼鏡右サイドのタッチパッドをスワイプすればホームスクリーンが表示され、1本指スワイプでメニュー送り、シングルタップで選択操作ができます。
またVuzix Bladeはスマートフォンとの連携が可能で、メッセージやナビのチェック、動画や写真撮影などの操作がタッチやボイスコマンドで可能です。またスマートフォン向けの専用アプリだけでなく、本体はAIアシスタント「Alexa」にも対応。いちいちスマートフォンを取り出さなくても、照明や空調装置が操作できるのです。

会場で行なわれたVuzix Bladeの製品デモは、おそおらくGoogle Glassが5年前に実現したかった体験そのものでした。現在製品は開発中で、Vuzixは開発キットを約1,800ドル(約20万円)で販売しており、2018年後半から2019年初旬により広く販売する予定で、その前には約1,000ドル(約11万円)まで値下げしたいとしています。

価格は決して安くはありませんが、このように見た目に抵抗感を感じないデザインのスマートグラスこそが、製品の一般普及の鍵となりそうですね。
Image: Sam Rutherford / Gizmodo US
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(塚本直樹)