本気でヤリます!
Falconロケットの打ち上げによって、いまや民間企業による宇宙開発への関与も珍しくはなくなった、そんな歴史の新たな1ページを開いたSpaceX。そのSpaceXが、今週末、また新しいプロジェクトで、歴史に名を残すことになるかもしれませんよ~。
ロケットで成し遂げることができたように、衛星の分野でも、われわれは挑戦と達成を続けるつもりだ。
こんなふうにイーロン・マスクCEOが意気込みを語ったのは、まだ詳細は謎に包まれる「Starlink」プロジェクトに対してです。最終的には、宇宙空間に4000基もの人工衛星群が打ち上げられ、地上の隅々まで、低価格でブロードバンド接続環境を整備する計画が立てられているんだとか。2020年代半ばまでにサービスをスタートし、その収益は火星探査計画へと還元される見込みとのこと。
Starlinkの計画そのものは、すでに2015年に明かされていました。しかしながら、今週末2月17日午前6時17分(米国太平洋標準時)に、Falcon 9ロケットによって打ち上げられる、小型人工衛星の「Microsat 2a」および「Microsat 2b」で、ついに初めて本格的な運用テストが実施されることになります。重量400kg、1.1m×0.7m×0.7mサイズの両衛星は、8mのソーラーパネルを展開して電源供給を受けつつ、高度1125kmの上空からブロードバンドアンテナを展開して通信システムをテスト。Ku-band(12~14GHz)の信号を、米国各地の基地で受信するという試みがなされるほか、移動式の車載通信機器での受信テストも実施される予定になっています。
米国内のデジタルデバイドを解消するためには、革新的な技術の使用が求められる。衛星を活用する技術は、光ファイバーケーブルや携帯電話基地局の整備が行き届かない、田舎やへき地に住む米国民にも恩恵をもたらすものとなるだろう。
Starlinkについて、米連邦通信委員会(FCC)のAjit Pai会長は、このように歓迎するコメントを出しています。FCCによれば、いまだに米国内には、ケーブル接続でも携帯電話接続でもブロードバンドを使えない人々が、2014年の時点で3450万人も存在。衛星通信など、さまざまな技術で、こうしたエリアにも快適なネット接続環境を整備すべく、OneWeb、Samsung、Boeing、Telesatといった企業が、各種プロジェクトに挑んでいます。Starlinkの本格運用に向けた大きな一歩で、地球上どこにいても、いままでとは比べものにならない低価格でブロードバンド接続が手軽に利用できる時代が、ぐんと迫ってくるといいですよね…。
Image: SpaceX
Source: SpaceX
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)