大成功のなかのハプニング。
YouTube史上2番目に多い世界320万人がライブ視聴した世界最強ロケット「ファルコン・ヘビー」の打ち上げ。ブースター3基のうちサイド2基は無事地上に帰還しましたが、海上に向かったコア1基は海の泡と消えていたことがわかりました。残念!
The Vergeが電話記者会見で聞いたSpace X(スペースX)のイーロン・マスクCEOの説明によると、無事着艦するにはロケットエンジン3基を再点火しなければならないのですが、1基しか再点火できなかったため、時速300マイル(482km)で300フィート(91m)離れた海上に落ちてしまったとのこと。そのときの衝撃から「粉々に砕けたコアの金属片が艦上に雨あられのように飛び散り、それによって船の2基のエンジンにもダメージを与えてしまった」とイーロン・マスクは正直に報告しています。
でもまあ、打ち上げはおおむね大成功です。NASAケネディ宇宙センターを現地時間午前3時45分に飛び立って、2分半後に役目を終えたブースター2基が切り離されて巻き戻し映像のようにSpaceXのパッドにすくっと戻ったときには、おおおおおお…!!!の大歓声が湧きあがりました。また打ち上げに使えるんだから胸アツですよね。
イーロン・マスクの赤のロードスターを積んだコアの切り離しは打ち上げから3分後。しかし、着艦の直前にライブ配信映像はぶちっと切れ、「コア喪失」の音声だけとなります。
Audio: “We lost the center core” #FalconHeavy@SpaceXpic.twitter.com/OaJhMa7f2U
— Drew King (@King_Drew16) February 6, 2018
Third burn successful. Exceeded Mars orbit and kept going to the Asteroid Belt. pic.twitter.com/bKhRN73WHF
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年2月7日
でもでも、本体のほうはエンジン再点火も無事進み、ロードスターは着々と高度を獲得。さらにイーロン・マスクのツイートによって、火星近くの準惑星セレスの軌道に無事シフトしたことも明らかになりました。バンアレン帯を6時間ほど滑空後、この地球磁場に捉えられた放射線にも持ち堪えたうえでの成功ですね。やっぱりすごいぞ、ファルコン・ヘビー!