やっぱり連携サービスに乏しいです。
2018年2月9日(現地時間)にアメリカ、イギリス、オーストラリアで発売された、Apple初のスマートスピーカー「HomePod」。スマートスピーカー業界に遅れてやってきたHomePodですが、実際に使ってみると後発製品としての完成度の高さの裏に、若干の準備不足感も見えてきました。
今回はHomePodをイギリスのロンドンで購入したので、そのファーストインプレッションをお届けしたいと思います。
セットアップ編
HomePodで好印象だったのは、そのセットアップの簡単さでした。電源を入れてiPhoneを数タップすると、すぐに使い始めれます。
まずプラグをコンセントに接続すると、本体上部のプラスチック部分がクルクルと白く光り、「ボワン」と低音の効いた効果音が流れます。これだけで、HomePodの低音の良さが感じられました。
HomePodの電源を入れると、そばにあるiPhoneで自動的にセットアッププログラムがスタートします。AirPodsのセットアップと似ていますね。
この段階でiPhoneのWi-Fiへの接続が必須なのですが、僕はロンドンのホテルに居たため一時的にセットアップを中断。しかし「ホーム」アプリからでも、セットアップが継続できました。
まず選択するのは、HomePodをどこで使うのか。これはHomePodが設置された場所によって音の反響具合を変えるため、正しい設置場所を伝える必要があります。多くの場合は、リビングやダイニング、ベッドルーム、オフィスで大丈夫でしょう。変わった場所としてバスルームも選択できました。
そして最後に、AIアシスタント「Siri」の使い方の説明が表示され、セットアップ完了です。
本体の動作
HomePodには可動部は一切なく、LED表示で簡単な情報を表示します。例えば上の表示は音楽を再生しているときに表示され、「+/-」でボリューム調整が可能です。またボリューム以外の場所に触れると音楽再生のコントロール(再生、停止、曲送り/戻し)や、Siriの起動ができます。
Siriを利用していると、LEDランプが虹色にクルクルと回りながら輝きます。これがなかなかかっこよくて、いい感じでした。
詳細設定について
HomePodの登録や削除、設定は、スマートホームデバイスを管理する「ホーム」アプリから行ないます。

ただし、連携後に変更すべき項目は特に見つかりませんでした。言語設定は購入地のイギリスが自動で選択され、自分から設定する必要はありません。

ホームアプリから、アラームの設定も可能です。
正直、できることは多くない

HomePodでは、Apple Musicや自分のライブラリからの多種多様な楽曲が再生できます(ただしiCloud ミュージックライブラリ経由なのでApple Musicの契約が必須)。さらにインターネットラジオ「Beats 1」もリスニングできました。
音質は低音が十分に聞いており、ボーカルも聞きやすい印象。高音はきつくなく、長時間のリスニングにぴったり。音楽再生デバイスとしては、十二分に合格点です。
さらに、マイクの聞き取り性能が非常に高いのも素晴らしい。大音量で音楽を再生していても、当たり前に「Hey Siri,」の声に反応してくれます。まだ試してはいませんが、海外レビューにもあるようにパーティーなどのうるさい場所でも機能しそうです。
また現地の天気予報や近所のレストラン情報、映画館の情報など、Siriがわかることはあれこれ音声で教えてくれます。HomeKitによる家電製品のコントロールは、対応製品を所有していないため試せませんでした。
しかし現時点では、連携サービスがほとんど準備できていないのがキツイですね。Spotifyの再生はできませんし、一応、純正のメッセージアプリやWhatsAppでメッセージの送信はできますが、あまり使わないですし。Facebook(フェイスブック)のMessengerやLINEに対応してくれればいいんですけどね。
というわけで、本格的な音楽再生デバイスとして他社製品との違いを打ち出してきたHomePod。一方で、発売時期が遅れたからには、他社サービスとの連携は十分に準備しておいてほしかったのも事実です。
僕はBGM用とPCからの外部スピーカーとして使うつもりだったので、それなりに満足ですけどね!
Photo: 塚本直樹
(塚本直樹)