ライバルに差をつけられるか。
いよいよ今週末に一部地域で発売される、Apple(アップル)のスマートスピーカー「HomePod」。われわれ日本に住んでいる身としては、発売日すら発表されておらずヤキモキする日々ですが、一部の海外メディアは発売前に先行レビューを公開しています。羨ましいので、われわれがHomePodの気になっている点をピックアップしました。
音質はどう?
初めて発表されたときから、HomePodは音質がいいことをウリにしていました。なので、HomePodで一番気になる部分ではあるのですが、どのメディアも音質に関してはベタ褒め。
とくに低音の迫力と、ジャンルを問わない高い音楽再生クオリティが魅力とCNETは語っており、The Vergeは、同価格帯のスピーカーの中で最高クラスの音質と語っています。Sonos OneやGoogle Home Maxなどのスマートスピーカーと比較しても、よりも魅力的な音を鳴らすとのこと。
またHomePodには、7個のツイーターを利用して豊かな音響をうみだす「ビームフォーミング」技術が投入されています。これについてThe Vergeは、「HomePodはツイーター群から3つのビームを放つ。1つは直接リスナーへと届き、もう2つは壁に反射させて環境音を作りだす」と、ビームフォーミングを実際に体験して、その技術を説明しています。
音声認識の反応は良い?
小声でも「OKグルグル」でも反応してくれるGoogle Homeがギズモードの編集部内で評価が高いように、音声認識の性能はスマスピの良さを左右する点。HomePodはどうでしょう?
HomePodは360度に6つのマイクを搭載し、周囲全方向の音を聞き取ることができる設計です。で、その聞き取り性能はかなり良いそうです。The VergeはHomePodの強みとして、音質の次に聞き取り性能を上げており、たとえば音楽再生中の反応に関してはどのスマスピよりも良いとのこと。ここまで聞き取り性能がいいのにもかかわらず、マルチユーザー機能が実装されていないのが悔やまれます。
弱点は?
HomePodの弱点として、ほぼすべてのメディアが触れていることがありました。現時点では、音声コマンドから操作できるストリーミングサービスとして「Apple Music」しか利用できない点です(もちろんAirPlayでSpotifyを飛ばすことはできる)。「Spotifyで〜を再生して」と指示をしても、「お助けできません」と返答するだけ。Spotifyユーザーにとって、これは決定的な弱点となるでしょう。
またCNETによればマルチルーム・オーディオやステレオ・ペアリングはまだ利用できず(近日配信予定)、HomeKitの操作は「Alexa」や「Googleアシスタント」が搭載している同じ機能より劣るようです。Siriに関してもまだ使える機能が限られており、The Vergeによると、複数のアラームをセットしたり、Apple TVの操作に関してもまだできないとのこと。
どういう人が買うべき?
HomePodを触ったほとんどのメディアは、Appleが大好きで、iOSデバイスを使い、Apple Musicを楽しんでいる人向けと言っています。確かにいくら音がよくても、SpotifyユーザーにとっちゃSpotifyが聞けない時点で魅力半減ですし、そもそもAndroidユーザーは使えないですしね。
まとめると、音質や聞き取り性能に関しては、お手上げで「うぉ〜すげぇ」という印象なのに、「Apple Musicしか使えないのは残念だよね」という、ハードとソフトのちぐはぐ感が否めない感想をどのメディアも感じている様子でした。
さて国内で発売されたときには、どこまで機能が拡大されているのか。こちらにも期待です。
Image: Apple
Source: The Verge, CNET, TechCrunch, The Wall Street Journal
(塚本直樹)