地雷は除去するよりも爆破させたほうが環境に良いことが判明
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地雷は除去するよりも爆破させたほうが環境に良いことが判明

「エコな爆発」って違和感すごい。

放置された地雷は様々な問題を産んでいます。知らずに踏まれて負傷者を出してしまう危険性はもちろんのこと、実は土壌汚染も起こしてしまいます。地中に放置されると、内部のTNT火薬が毒性を持つ化学物質を土壌に流出してしまうのです。そのため世界各地で犬、ドローン、さらにはと、様々な地雷除去の手段が試みられています。そんな中、スコットランドとオーストラリアの研究者たちが、「地雷は除去するよりも爆発させたほうが良い」という研究結果を発表して話題になっています。

スコットランドにあるダンディー大学とジェームスハットン研究所、オーストラリアにあるチェムセンターとカーティン大学:この4組織からの研究者で構成されたチームが、地雷を除去した場合と爆破した場合の土壌に含まれるTNT量の違いを調べました。

直感的に考えると、地雷を除去してしまった方が土壌に残るTNTの汚染は少なくなるように思われます。ところが、地雷を爆発させると周囲の土壌が動かされて隙間が作られ、その土壌の多孔性を向上させることがわかりました。それによって、微生物や菌類による有害物質の自然な分解が促進されるとのこと。

研究者の1人、ニック・デイドさんはスコットランドメディアのThe Nationalの取材に対して「爆発のおかげで汚染を除去してくれるバクテリアが土壌に浸透しやすくなることが原因である」と説明しています。6週間の実験を行った結果、最終的には地雷を爆発させた土壌の方が汚染度が低かったそうです。デイドさんは次のように語っています。

爆発が起きると、土壌は粉砕され散らばります。そのするとTNTが土壌中のバクテリアによって除去され、結果として環境汚染につながる汚染物質の除去の効率性が上がります。

爆発は土壌の多孔性を増加させます。生物分解が行われる土壌部分が増えることは、爆破範囲の土壌におけるTNT除去率の上昇にダイレクトに関連しているというわけです。

もちろん、地雷を故意に爆発させる作業も大きな危険を伴います。地雷原はすべて爆発させて解決するべきだ、という短絡な提案をしているわけではないようです。TNTによって汚染されてしまった土壌に対して、有害物質の少ない爆発デバイスを使って土壌の多孔性を高めるということをチームは提案しています。

紛争地域として荒廃してしまった環境を回復させることはとても重要です。今回の発見がそのプロセスに活かされることが期待されます。


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Source: The National

Sidney Fussell - Gizmodo US[原文
(塚本 紺)

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