10年の残酷な時の流れを浮き彫りにするビフォーアフター比較GIF。
2008年に撮影された探査機フェニックスと、ほとんどが砂に埋もれてしまった2017年の姿。前者では左上に探査機(バックシェル)右下にパラシュートが見えますが、2017年の画像では消えています。RIP。
2008年に行われたミッションで氷を発見した探査機フェニックスは現在、火星の砂に埋もれています。つい先日、NASAが、その当時と現在のフェニックスの姿を比較したGIFを公開しました。このGIFの元となった2枚の画像は、NASAのマーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度撮像装置(HiRISE)カメラによって撮影されたもの。1枚目は2008年に、2枚目は2017年の12月に撮られています。
米GizmodoのMandelbaum記者にとって火星の砂に埋もれる探査機の姿は、かつて同じように砂漠に埋もれた古代エジプト王像を思い起こすものだったでしょう。その光景を謳ったロマン派の詩人パーシー・ビッシュ・シェリーによる詩『オジマンディアス』を探査機フェニックス版に大胆アレンジしてしまいました。
遠い地を周回する衛星は言う
「バックシェルひとつにパラシュート
砂漠の中に横たわる…それらの近くには
半ば砂にうずもれたアーム ソーラーパネル
化学物質を味見する機器 バラバラになったローバーが転がる
NASAに火星の水を調べたと伝えよ
侮っていた土壌サンプルに 交信していた科学者たち
本体が破損した後も生き続けているのだ
そして台座には、こうは記されていない
我が名はフェニックス、ロボットの中のロボット
全能の神よ、我が業を見よ、そして絶望せよ!
他には何も残っていない この巨大な破損物のまわりには
果てしない砂漠が広がっているだけだ」
Image: JPL
Source: JPL, NASA, Poetry foundation
Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]
(たもり)