これは高度に発達した科学案件。
世界最大規模の楽器見本市NAMM 2018にて、「Phase」というDJアイテムがMWMより発表されました。DVSのタイムコードをワイヤレスに操作できるというモノなんですが、まずは映像でその魔法みをごチェキ下さい。
一見するとただのすごく上手いDJプレイ、しかしよく見るとレコードに針が落ちていません。
これはPV用のエアプとかそーいう話ではなく、Phaseはターンテーブル上の適当なレコードに設置するだけで、針もカートリッジも必要としないDJプレイができるワイヤレスシステムなんです。こいつぁどういう仕組みなのか?
そのためにはDVS(Digital Vinyl System)のおはなしをする必要があります。DVSとはPC用DJソフトに入っているmp3などのデジタル音源を、アナログなターンテーブルで操作するシステムのことで、リアルなターンテーブルで音源を操作できるのが利点。DVSには専用のタイムコードヴァイナルを使用し、読み取られたアナログなタイムコード情報がデジタルに変換されるというワケです。詳しい仕組みはGoogle先生へGo。
で、Phaseはタイムコード情報をワイヤレスで飛ばすことで、針やカートリッジも不要にしたというモノ。ターンテーブルのスピンドルにリモコンを設置し、レシーバーをミキサーにライン接続するとワイヤレスにキュッキュできるようになるという次第です。
通信はBluetoothではなく独自の無線技術を使っているらしく、動画を見る限りレイテンシーも無視できるレベルのように見受けられます。
Check out “Phase” from @themixfader. Phase is a wireless system that replaces timecode vinyl and needles in any DVS set-up. Look Ma! No needles. #NAMM2018#mixfaderpic.twitter.com/w7ff7cSv5D
— Direct Music Service (@directmusic) 2018年1月25日
こんな風にターンテーブルから外して動かしても反応するみたいで、なんかもうDJってなんだっけな操作感。どうやらリモコン内には加速度計が内蔵されているようで、回転角の情報をレシーバーが受信し、DVS処理している模様。DJ TechToolsによると、電波が飛び交うNAMM会場であっても通信に問題は無かったとのことです。
こうなってくると、アナログに付きものだったレコード針やカートリッジの消耗、あるいは煩雑なDVSセッティングなどからもオサラバできるワイヤレスDJ時代がいよいよやって来るかもしれませんね。価格や発売時期は未定ですが、ワイヤレスなスクラッチ体験ってそもそもどんな感じなんだろう。未体験だわー。
Image: MWM
Source: MWM, YouTube, Twitter, DJ TechTools
(ヤマダユウス型)