Qualcommはどう出る?
昨年11月にプロセッサ製品でおなじみ「Qualcomm(クアルコム)」に提案された、同じく半導体大手「Broadcom(ブロードコム)」からの1050億ドル(約11兆円)の買収提案。今後どうなるのかと見守っていると、Broadcomはさらに1210億ドル(約13兆円)の増額オファーを繰り出してきたようなのです。
Bloombergの報道によると、Broadcomの提案は1株あたり82ドル。これは昨年の1株あたり70ドルという提案から、さらに引き上げられています。またこの提案は「最終オファー」になると報じられており、Qualcommのポール・ジェイコブス会長や取締役1人の取締役会への参加もありうるそうです。
Qualcommはスマートフォン向けのプロセッサ市場で非常に大きなシェアを持っており、Androidスマートフォンの多くに製品が搭載されています。またBroadcomも通信関連などスマートフォン向けプロセッサ、セットトップボックスやチューナー用プロセッサなど、さまざまな半導体製品を手がけています。この2社が合併すれば、半導体業界において非常に大きな力を持つことになるでしょう。
一方でQualcommはApple(アップル)と法廷闘争を繰り広げており、新型iPhoneからはQualcommのモデムチップが排除される、なんて情報もあります。さらに、欧州連合から反トラスト規制違反で12億ドル(約1308億円)の罰金を科されるなど、最近あれこれトラブル続き。これらの状況も、Broadcomによる買収を後押ししています。
はたしてアメリカに超大型半導体企業が誕生するのか、今後の動向を見守りたいですね。
image: MacRumors
source: Bloomberg via MacRumors, The Wall Street Journal
(塚本直樹)