α7 IIIハンズオン:ミラーレス一眼時代を告げる「完成されたベーシック」
Photo: 照沼健太

α7 IIIハンズオン:ミラーレス一眼時代を告げる「完成されたベーシック」

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2月27日、今朝発表されたばかりのソニーのフルサイズミラーレスデジタルカメラ「α7 III」。

限られた時間でしたが、実際に手に取ることができたので「α7 II」や「α7R III」との比較も含め、試用レポートをお届けします。

まるで「知能」を持っているかのようなカメラ

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Photo: 照沼健太

製品発表会場に用意されたハンズオンブースには、発表されたばかりの「α7 III」と、その高い光学性能が評価され年末から品薄が続いている標準ズーム「SEL24105G」がセットで展示されていました。

今回の展示機では、レンズ横のフォーカスホールドボタンに「瞳AF」が割り当てられていました。テスト撮影用に女性モデルも参加しており、AF性能のアピールに大きく力を入れていることがわかります。

正直「AF性能をそこまで推すの?」と疑問に感じましたが、実際に使用してみると、その意味が手に取るように分かります。

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Photo: 照沼健太

とにかくAFが賢く、速いんです。

カメラについての説明を受けながら、背面液晶を使用して無造作にシャッターを切ってみましたが、ピントを外しているカットは皆無。

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Photo: 照沼健太

さらに瞳AFは、24mmの広角域における距離を感じる撮影においても滑らかに動作・追従します。AFマークが人の目を認識して自在に動き回る様は「カメラが生きているかのよう」でした。

単純に道具としてカメラを使っているのではなく「α7III、あのコの瞳にフォーカスし続けて」「了解です」といった意思疎通をして、カメラと一緒に撮影しているかのような感覚。これは、新しいですね。

グラフィックデザインや映像分野においては、人工知能と機械学習を統合したAdobe Senseiなどにより、切り抜きなどの職人的技術や素材探しといった雑務からデザイナーが解き放たれ、純粋にクリエイティヴな部分に集中できるようになることが期待されています。

それと同様に、写真撮影の分野においても「技術からの解放」がすぐそこまでやって来ているのだと感じさせられます。「α7 III」はそんなカメラではないでしょうか。

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Photo: 照沼健太

ちなみに私物の「α7R III」でも同レンズを使って瞳AF撮影を試してみましたが、やや感覚が違い、カメラが生きているかのような感覚には若干及ばなかったです。これは「α7 III」が「α9」と同等の「撮像エリア全体の約93%をカバーする693点像面位相差AFセンサー」を搭載していることによる恩恵でしょう。

撮像エリアのほぼ全域がAFエリアとなることで、先に構図を決めれば、ピント合わせをカメラ任せにできます。これによって撮影者は純粋に神経を構図作りとシャッタータイミングに研ぎ澄ませられるわけです(秒間10コマの連射性能があるので、シャッタータイミングすらほぼ気にしなくても済んでしまいそうですが)。

「α7」がミラーレスの王者であることを示す、ベーシックの域を超えたベーシック

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Photo: 照沼健太

もちろんこうした撮影感はすでに「α9」で実現されていたものですが、何よりも重要なのはこの感覚がプロ機ではなくベーシックモデルと銘打たれた本機種で実現されていることです。「α9」が実売価格50万円前後であるのに対し、「α7 III」は実売予想価格23万円前後と半額以下。

そして「III」シリーズの先鋒として2017年末「カメラの完成形」とも言われるほどの高い評価を得た「α7R III」と比較しても、「α7 III」は大きな魅力を持っています。進化したAF性能やボディ内手ぶれ補正、高速画像処理、大容量化して実用レベルに達したバッテリー性能といった、一つ一つ挙げれば地味な改良の組み合わせが「α7R II」から「α7R III」への大きな飛躍を生んだのは記憶に新しいですが、そうした進歩のほとんどが「α7 III」に搭載されています。対して「α7R III」は実売価格37万円前後。

ネット上の評判を見ても「α7R III」ではなく「α7 III」を待っておけばよかったという声も少なくありません。それほど「α7 III」の完成度と価格のバランスは素晴らしく、高解像度を必要としない撮影ならば、むしろ「α7 III」の方がスムーズに扱えるケースがほとんどでしょう。

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Photo: 照沼健太

「α9」のプロ機種としての精度や「α7R」の高解像度性能、そして「α7S」の高感度性能が必要ならば、それらの機種を選択することになるでしょうが、それ以外の場合は、ほぼ間違いなく「α7 III」で満足いくはずです。

これほどの完成度と高性能を誇るモデルを「ベーシックモデル」と銘打ってきたソニー。これは「『α7』こそがミラーレス一眼の王者であり最先端である」という高らかな宣言だと感じられました。

おまけ:フォトギャラリーで見る「α7 III」

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Photo: 照沼健太

「α7 III」(左)と「α7 II」(右)。「α7 III」はバッテリーの大容量化とともにやや厚型となっており「α7R III」とほぼ同じグリップ感覚に。

好みもあると思いますが、「III」系統の方が安心してグリップできました。

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Photo: 照沼健太

マグネシウム合金によるボディ質感は「安定」の一言。モデル名を見なければ、「α7R III」との違いは分かりません。

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「α7 III」であることを示す数少ない要素の一つです。

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「α7R III」同様に、AF-ONボタンとマルチセレクターを搭載。操作性が向上しています。

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デュアルSDカードスロットを搭載。プロ機種譲りの機構だけに、ベーシックモデルに積んできたのは予想外でした。地味な機能のようでいて、撮影時の信頼性が大きく変わってくる部分です。

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外見上「α7R III」とほとんど違いが分からない「α7 III」ですが、数少ない違いがメニューダイヤルです。ロックボタンが搭載されていないシンプルなものになっています。

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Photo: 照沼健太

そしてこちらも。「α7R III」にはスタジオ用大型フラッシュなどが接続可能なシンクロターミナルが搭載されていますが「α7 III」にはそれがありません。


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(照沼健太)

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