ビジネスでもカジュアルでも(そして旅先・空港や機内でも)シームレスに着られる未来志向のワークウェア。
「頭脳職のための機能服」を標榜するTEÄTORA(テアトラ)が、急ピッチで建設が進む新国立競技場の向かいにフラッグシップ・ショップをOPENしました。なんともこのブランドらしいロケーションと空間のお店です。
TEÄTORAといえば、ガジェット類との親和性の高さと、モデルの多くがパッカブル(内蔵ポケットに収納してポーチとして持ち運びできる)仕様になっているなどユニークなコンセプトで、ギズでも何度か紹介してきたアパレルブランド。iPadなどのタブレットが収納できる大容量ポケットを搭載したアウターや、ベルトレスの紐で縛るタイプのイージーパンツなど、今では数多くのメーカーやセレクトショップが取り入れている“機能服(テックウェア)”のスタイルは、TEÄTORAがジャンルの先駆者として5年以上前から提案してきたものだったりします。その便利さと着心地のよさゆえにノマドワーカーやクリエイターから支持を獲得し、じわじわと人気を博してきました。

今回は新店舗を「GIZMODO TV」ムービーで初公開。デザイナーの上出大輔さんに、カバンいらずの多機能ポケットや大胆なベンチレーションが特徴の「DEVICE COAT(デバイス・コート、名前がグッとくる!)」についてプレゼンテーションして頂きました。
ブランド初となる旗艦店について、上出さんは「ここはまず箱的にポテンシャルがあったので、それを活かす感じで店舗デザインしました。格納庫とか研究所をイメージしています。(TEÄTORAは)けっして派手な服ではないので、シンプルに場の印象だけが残るようにしたかった」と語っています。

建設中の国立競技場の真向かいという特異なシチュエーションに関してはどうでしょうか? 「結構巡り合わせ的なものが強いっていうのは間違いないですけど、洋服屋があんまり多くない場所に出店したいっていうのはありました。あくまで箱(物件)メインで選んだらたまたま国立競技場が目の前でラッキーだったという感じです(笑)。こうした建築物はずっとそこにあるもので、ファッションのようにシーズンごとにガラリと変えるみたいなことは無理じゃないですか。うちの洋服もそういう考え方でやっているという意味では建築と似ているのかもしれません。美と機能のバランスが常に求められるという意味でも」とのこと。

TEÄTORAの特異性は、何より服の設計思想そのものに現れています。ファースト・シーズンのコレクションは、たった2本のパンツのみ。それもイームズラウンジチェアとアーロンチェアに座って働くクリエイターを想定して、極限までストレスのないデザインを目指した大胆な作品でした(このデザインが評価され製造・販売元であるHerman Miller Japan社の公認も受けました)。その後も動画で紹介しているハンズフリーの「DEVICE COAT」、体の動きを阻害するバックポケットを廃し、座ったままでも中身にアクセスできる独特な配置のジップポケットを装備した「Wallet Pants」など少数の定番的な商品のみで構成し、毎年コレクションごとに何十種類もの型を発表するような他のアパレルブランドとは一線を画してきました。

絞り込んだ少数のアイテムをテストを重ねて作りこみ、生地やパーツ、ディティールを毎年アップデートし続けることで完成度を高めていくプロダクト的な発想ーーこれは従来の服というよりもiPhoneなどの工業製品に通じるものがあります。

ですから大きなデザイン変更はなくとも、つい毎年買い足したくなってしまう(笑)。そんな便利さ、フィット感や着回しの良さは実際に袖を通してみて、初めて実感できる性質のものです。ぜひ一度、新店舗に足を運んで試してみることをオススメします。

店名: TEÄTORA
住所: 東京都渋谷区神宮前2-13-4 第2渡辺ビル1F
営業時間: 12:00〜20:00 水曜定休日
URL : http://teatora.jp
Photo: ギズモード・ジャパン
Video: 大口遼
Source: TEÄTORA
(尾田和実)