目がスタビライザーになった気分。
双眼鏡事情が、いま面白いことになってます。量販店によってはアリーナライブやミュージカルを見に行く人向けに、「この倍率の双眼鏡ならこういうドームでこれくらい見えます」みたいな図解を置いているところもあったりして、どうやらエンタメとの親和性が高くなってきているんですよね。
で、最近は防振双眼鏡なるものがネットで話題になっているらしく、実際に覗いてみたことは無かったのでCP+に来たこの機会に覗いてみました。その名の通り、手ブレ補正的な機能がついた双眼鏡なんですが、その効力はトップのGIF画像の通り。キヤノンブースで体験してきたんですけど、これは初めてスタビライザー使った感動に近いかも。

手ブレ補正機構(IS)にもいろんな種類があるんですが、新しくラインアップされたIS双眼鏡「14×32 IS」、「12×32 IS」、「10×32 IS」には、シフト方式というEFレンズで培った補正機構と、呼吸の揺れすらも補正するパワードISが搭載されています。そのため、今までのIS双眼鏡よりも、さらに揺れに強くなってるのですね。
ちなみに、双眼鏡の機種名は「倍率×対物レンズの有効径(明るさ)」で表します。倍率が高いほどズームが効いていますが、あんまり寄りすぎても全体が見えなくなるので、そこは用途や使う場所次第という感じです。

ISを有効にするには双眼鏡上部のボタンを押し続けます。このパワードIS付きのモデルは、通常のISとパワードISの2つのボタンが付いていますね。どうしてパワードISだけにしないかというと、パワードISは良い意味でブレを補正しすぎるため、動体を追う時の揺り戻しが通常のISに比べキツめらしく、そこを選べるようにしているみたいです。でも、実際にISとパワードISを比較してみましたが、それほど揺り戻しのクセは感じませんでした。

対物レンズ側はこんな感じ。でかいなーかっこいいなー。

これ、クスっときちゃったんですけど、キヤノンの双眼鏡ブースは階段を上がってブース全体を眺められるようになってまして、ブース上部をよーく見てみると……、鳥やリスがいらっしゃる(赤いやつがそれ)! これをウォッチできるというアトラクション的な仕掛けなんです。実際にパワードIS双眼鏡で鳥を見てみると、エアコンで揺れる羽も完璧に目視できました。普通の手持ちだとブレてしまうので、繊細な風の動きまでは追えなかったでしょう。

昨今の双眼鏡のエンタメ活用化はメーカーとしても把握しているとのことで、取材されることもあるそうです。ステージで踊る演者たちを手ブレの効いた双眼鏡でじっくり眺める、そんなライブスタイルも優雅な感じがいたしますよ。