ノッチに走らなかっただけよし。
ラップトップ界の狭額縁(ベゼルレス)ディスプレイ先駆者であるDell(デル)のXPSシリーズが、2018年のアップデートを受けました。果たしてどう変わったのか、米GizmodoのAlex Cranzがレビューしてくれました。
またXPSを気に入ってしまった…。
いや、そもそもXPSは素晴らしいラップトップなんです–––(カメラのおかしな配置を除けば)バッテリーは長く持つし、先進的なデザインがされていますからね。でも最近は少し変化が乏しくて面白くない時期が続いていました。
ところが、この2018年版のXPS 13は新色「白」と「ローズゴールド」で展開されているからか、新鮮で洗練されたような印象を受けます。白のベゼルに包まれた4Kのタッチディスプレイは、退屈なラップトップのものというよりスマホのものといった感じで、いってしまえば、このラップトップはデル製ではなくGoogle(グーグル)やSamsung(サムスン)のハイエンド機かのように感じました。
デル XPS 13(2018)

これはなに:デルの一番いいラップトップが白色に!
値段:1900ドル(約20万円)
すきなところ:これまでで最高のデザイン
好きじゃないところ:4Kモデルは平均的なバッテリー性能
XPS 13シリーズを振り返れば、注目され始めたのは2015年に「Infinity Display」という名のベゼルレスディスプレイを搭載し始めたことがきっかけです。ベゼルが狭くなることで、12インチのラップトップと同じサイズ感の筐体に、13インチのディスプレイが搭載できるようになったからですね。これは他のメーカーもパクリ始めるくらい良い特徴だったと思います。

でも今年の注目の特徴は、「白色」と「質感」です。従来、白色のラップトップは廉価なプラスチックを使った低予算用に(Pixelbookを除いて)限られていましたが、2018年版のXPS 13は違います。カーボンファイバー製のキーボードパッドは白色なのに、ちゃんとファイバーの質感があるのです。それに4Kのタッチディスプレイも白のベゼルに囲まれると非常に映えて見えて、こういった筐体が良いスペックを内蔵していてしっかり作業をこなせるのが意外でたまりません。
だってですよ。価格は1900ドル(約20万円)で、プロセッサはIntel(インテル)の第8世代のCore-i7、ストレージは512GBのSSDで、メモリは16GB…って聞いたらApple(アップル)っぽいシルバーやグレーのアルミ製の筐体を思い浮かべますよね? でも白色なんです。このプロフェッショナルさと遊び心の融合が気に入りました。

とはいえ、良いことばかりでないのも確かです。キーボードはまだデルっぽい打鍵感(キーの下にスポンジがある感じ)ですし、バックライトの輝度もまばら。カメラも未だに下向きすぎなので、頑張らないとあごしか映りません。あと4Kのタッチディスプレイはいい意味でデルっぽい(ちょっと寒色よりだけどとても美しい)ですが、プロセッサのパワー不足を感じるときもあります。

どういうことかというと、XPSの4Kディスプレイ(3840×2160)はアップルのLate 2016 MacBook Pro(Touch bar付き)のディスプレイ(2560×1600)を狭く感じさせるくらいよくできていて、とにかくとんでもなく快適ですが、プロセッサは1080pのXPS 13と変わらないので、少しラグります(Netflixを4K視聴する程度は余裕)。今回は実際に4KのXPS 13と、1080pのXPS 13と、Macbook Proを比較してみました。

まずプロセッサ自体のパワーを測るためにベンチマークを走らせたところ、4KのXPSは予想通り1080pを大きく引き離しました。これは16GBのメモリが効いているんだと思います(1080pのXPSは8GB)。プロセッサパワーがあると、ブラウジングやドキュメント作成がサクサクできるということなので、これはグッド。
問題はグラフィックのプロセッサ性能です(ゲーム『Civilization VI』でテスト)。4K XPS 13は1080p XPS 30と同じプロセッサなのにディスプレイの画素数が4倍になったので、4KのXPSはその分(平均11.15ミリ秒)のラグが発生していました。日常的な作業には差し支えなさそうですが、あるにはあるわけです。ちなみにMacbook Proは…両方のテストでXPS 13に(4K&1080p)2倍以上早い結果を出されて惨敗しています。

では、XPS 13のウリだったバッテリー性能はどうでしょうか。結果からいうと、1080pのXPS 13の圧勝です(13時間24分)。とはいえ、4KのXPS 13も9時間28分という好成績を出しています。我々のテスト方法(ディスプレイの輝度を200nitに設定し、1080pのYouTube動画を再生し続ける)では平均時間が8時間19分なので、1080pのXPS 13がすごいというだけです。事実、13時間24分はテストしてきたなかで一番良い結果です。
ちなみにこの結果についてデルに問い合わせてみたところ、想定通りらしいです。1080pのディスプレイに比べて、4Kのタッチディスプレイは消費電力が多い上に、4KのXPS 13は1080pのXPS 13に比べてバッテリー容量が少ないのだそう。それでも平均以上の結果が出せたのだから、素直に賞賛したいですよね。
結論
4Kディスプレイを手に入れるための対価は大きいです。1080pのXPS 13と比べて500ドル(約5万3000円)高くなりますからね。でもストレージは256GB多くなりますし、メモリも8GB増えるので、これは手に入れたい。でもでも、もっとも注目を浴びるであろう特徴である白とローズゴールドの新色は、どのXPS 13–––1000ドル(約10万6000円)のストレージ128GB、メモリ4GBのモデルでも選べるので、ここは悩みどころです。個人的には、1200ドル(約12万7000円)のモデルをローズゴールド色で手に入れるのが一番良いかと思います(見栄えが良いので)。

まとめ(2018年版 XPS 13)
・新色がすばらしい
・ラップトップ全体を見てもすばらしい
・バッテリー性能も引き続き最高クラス(4Kのタッチ対応モデルは1080pのタッチ非対応モデルと比べて4時間減る)
・Macbook Proの比ではないコスパ(コンパクトで高性能なのに1900ドル)
Image: Gizmodo US
Alex Cranz – Gizmodo US[原文]
(西谷茂リチャード)