深海に棲むアンコウの繁殖行動が初めて観察されたけど...正直ゾクッとする

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  • author Rina Fukazu
深海に棲むアンコウの繁殖行動が初めて観察されたけど...正直ゾクッとする
Image: Science Magazine/YouTube

大きな頭に、死んだ魚のような目、ギザギザの歯、それに長く伸びる白いコレは...。

見た目のインパクトだけでもかなり強烈なこの魚、ヒレナガチョウチンアンコウ科の「Caulophryne jordani」といいます。野生の姿を捉える事ですらきわめて貴重なのだそうですが、サイエンス紙によれば数百〜数千メートルもの深海に生息するこの奇妙な魚の繁殖行動が史上初めて観察されました。

Video: Science Magazine/YouTube

身体の大きなメスの下にひっついているのが、小さなオス。動画では、メスの白く長細い鰭条(きじょう)から生物発光しているのが分かります。このフィラメントは、危険の察知や獲物確保のために周囲を感知するのに役立つと考えられていて「たとえるならば、ねこのヒゲのような役割」らしいですが、それほど親近感は湧いてきませんね...。

獲物が少ない環境に生きるこの魚は、動画でも確認できる通り、なるべくエネルギーを消費しないようにあまり動きません。それでもメスはエサの存在を察知すると、目標の方向に突然突進するのだそうです。

オスは、メスの循環系から貴重な栄養素をもらうかわりに、メスの産卵準備が整ったときに精子を差し出します。彼らの繁殖行動がどのようなものかについてはこれまでにも標本から明らかになっていましたが、その標本もオスとメスが仲良くくっついた状態だったそうですよ。

Rebikoff-Niggeler Foundationを代表し、アゾレス諸島近郊を潜水艦で探索していた野生生物写真家のKirsten & Joachim Jakobsen夫妻がこの2匹の魚たちに遭遇したのは、サンジョルジェ島の南側水深800メートル地点でのこと。潜水艦「Lula1000」の約1m長ある窓から撮影に挑んだそうです。

その後ワシントン大学の深海魚研究者Ted Pietschさんに映像を送り、野生のアンコウ「Caulophryne jordani」であることを確認。同氏は「私は人生を捧げて研究をしてきましたが、このようなものを見るのは初めてです」とサイエンス紙にコメントを残しています。

深海はまだまだミステリアスですね。


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Source: Science Magazine

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)

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