映画『パシフィック・リム:アップライジング』レビュー:前作と比べて一長一短

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  • author 岡本玄介
映画『パシフィック・リム:アップライジング』レビュー:前作と比べて一長一短
Image: © 2017 UNIVERSAL STUDIOS

物語に入り込みやすいものの、イェーガーvs.KAIJUバトルは退屈なのだとか。

前作『パシフィック・リム』の続編であるパシフィック・リム:アップライジング。KAIJUは合体により超巨大化し、イェーガーは数が増えました。やはり続編の宿命で、前作より大きなスケールにしなければなりません。ですが物語はふたりの主役に焦点を当てていることから、こぢんまりとした印象を受けるのだそうです。

以下はio9のGermain Lussier記者によるレビューです。ネタバレ注意でどうぞ。


デル・トロ監督のあとを継ぐスティーヴン・S・デナイト監督は、前作での戦いが「地球規模ではなく街角レベルで世界を変えてしまった」と、今作の冒頭でジョン・ボイエガ演じるジェイク・ペントコストに語らせました。ジェイクは街の不良でパーティー三昧を繰り返し、盗んだものを闇市で売って日銭を稼ぐようなゴロツキでした。しかし彼はひとりで人型ロボット「イェーガー」を組み立てる少女アマーラと出会い、そこからふたりはトラブルに巻き込まれるように正式なイェーガーのパイロットを目指すようになるのです。

冒頭でこのふたりのキャラクターに焦点をあてており、前作よりも劇中に引き込まれます。巨大なKAIJUが強襲し、人間が作ったイェーガーがそれに立ち向かう…この影響を、映画に登場する住民がどううけているか、リアルな部分が描かれていて新鮮でした。

ふたりが操縦士になるため訓練学生になると、新世代のパイロットたちと出会います。その紹介シーンはリブートっぽくもあり、映画の本質が垣間見られるところでもあります。ここから世界規模で起こるKAIJUたちの新たな驚異と、イェーガーたちがより巨大になったKAIJUから世界を救う使命があることが伝わるよう、ストーリーが仕組まれているのです。街角レベルからスケールが広がり、「そうだ、これは続編なんだ」となるワケです。

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Image: © 2017 UNIVERSAL STUDIOS

とはいえ、巨大スケールのバトルには、お金を払ってまで期待していたほどのセンスの良さとインパクトが伴っていません。最初のKAIJU襲来はユニークで楽しいものでした。でもそのあとのバトルは似たり寄ったりなのです。新イェーガーたちの性能を見せつけたあとは、パンチの応酬とビルに突っ込んで破壊していくだけというのが何度も何度も続きます。スケールはデカくなったのかもしれませんが、その繰り返しに創造力の欠如を感じ……前作よりもイマイチだなぁと思わせるのです。どんな作品でも続編であれば、そんなこと思わせてはいけないんですけどね。

それにジェイクとアマーラ以外のキャラたちはひどくザコ扱いされ、彼らを盛り上げるような手助けになっていないんです。紹介シーンでは、彼らが素晴らしい活躍を見せてくれそうに思わせるのですが、そんなこともなし。なのでバトル中に彼らを気にしている必要もないのです。とはいえひとりだけ例外がいます。それがチャーリー・デイが演じる環太平洋防衛軍の科学士官ニュートン・ガイズラー。彼は前作でKAIJUの脳とドリフトした人物。80年代のブッ飛んだキャラみたいな性格で、見ていて楽しいのです。技術的には前作を上回っているのですが、キャラ的にはこれら3人しか見所はありません。

デナイト監督は、物語を『パシフィック・リム:アップライジング』らしく前向きにもっとドデカいスケールに仕立て上げられるのに、その他の大作映画で十分だなという感じにしてしまいました。4体の巨大ロボットが山ほどあるサイズの超巨大KAIJUと世界の命運を賭けて戦っているというのに…その危機感が視聴者の心に刺さらないのです。結局『アップライジング』が抱えるホントの問題は、ライズ・アップせず(盛り立たず)に終わってしまうことなのでした。


ということでしたが…作る側も見る側も、前作のプレッシャーを感じつつ違いを楽しむのが良いかもしれませんね。『パシフィック・リム:アップライジング』ロードショーが4月13日(金)です。


Image: © 2017 UNIVERSAL STUDIOS
Source: 公式サイト
Germain Lussier - Gizmodo io9[原文

岡本玄介

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