想像しただけで結構コワいんですけど…光と音を使った米軍の新兵器

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想像しただけで結構コワいんですけど…光と音を使った米軍の新兵器
Image: Patrick Tucker/YouTube

漫画とか映画に出てきそうなレベル...。

アメリカ国防総省によるプログラム「Joint Non-Lethal Weapons Program」にて、ナノレーザーを使って空気と音を操作して騒音を出す新兵器のプロトタイプが公開されました。非致命的な音響兵器として、最終的には人間のスピーチを擬態できるように改良されることが見込まれているのだとか。

Defense OneのPatrick Turner記者によると、このシステムの仕組みは以下の通り。

この兵器はふたつのパーツから構成されています。ひとつは、フェムト秒レーザー。10〜15秒間にわたって空中の一箇所に集まるように光を放ち、その場の空気分子から電子を引き裂いてボール状のプラズマ場を作ります(ときに第4の物質状態とよばれるプラズマは、電気を帯びたガスを含み電磁気に強く反応します)。その後、プラズマ場に波長が精密に調整されたもうひとつのナノレーザーを当てることで、光と騒音を生み出すプラズマ場を生み出します。

そのデモンストレーション動画が、こちら。再生する方は、音量に注意してください!

Video: Patrick Tucker/YouTube

うわー…… 耳障りな音ですね。ちょっとダイアルアップ接続音みたい。

現段階では、このシステムが発する音の帯域は人間の声から「3〜4キロヘルツ」離れている状態で、「今後3年以内にはっきりとした言葉が発せられるようにする」、とシステム改良の展望が明かされています。

理解しておきたいのは、これがまぎれもなく兵器であるということ。長距離型の音響兵器は他にも、ジェットエンジンよりも音が大きいといわれるポータブル音波砲「Long Range Acoustic Devices 」があります。これは数年前にミズーリ州のファーガソンで起きたマイケル・ブラウン射殺事件への抗議に参加していた人々に向けて、実際に警察によって利用されることがありました。

こんな音砲を向けられたら、冗談ではなく恐ろしい...。致死性はないとはいえ、今回の新兵器についてもどのような状況で誰の判断のもと使用許可が下りるのか、ちゃんと明確にしておいてほしいですね。


Image: YouTube
Video: YouTube
Source: Ars Technica via Defense One

Sidney Fussell - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)