Apple 新宿のロゴが、初めての衣替え! 4月22日の「アースデイ」に向けてAppleが発表したこと

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  • author 山本勇磨
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Apple 新宿のロゴが、初めての衣替え! 4月22日の「アースデイ」に向けてAppleが発表したこと
Photo: 山本勇磨

Apple 新宿、まだ行っていない人はこの期間にぜひ。

毎年4月22日は世界的に決められている「アースデイ」。地球環境について考える日として作られた記念日でございます。そして今年も、Apple(アップル)はアースデイにあわせて、環境保全のためにやってきた活動をレポートしています。

あ、その前にまずタイトルの内容から。今朝Apple 新宿に行って来たのですが、ストアの入り口のロゴがアースデイに向けて緑色になってました。2週間まえにオープンしたApple 新宿、初めての特別カラーです。

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Photo: 山本勇磨

Appleが今日発表した報告書には、これまでやってきた環境保全の報告と、これから行なう新しい取り組みが含まれていました。

環境の話題と聞くと、なんかガジェットに関係なさそうで、お勉強感つよいし、しんどいイメージなんですけど、報告書を読んでいると「これ、意外に大事な問題だな」って思ってしまいました。そんな大事な部分をかいつまんだので、ぜひみなさんにも読んで欲しいです。

Appleストアの電気は100%再生可能エネルギー

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Image: Apple

気候変動資源、Appleは大きくこの2つに分けて地球環境を守る活動をしています。具体的には、気候変動=CO2の排出量削減、資源=リサイクルを積極的に行なっているんだそう。

とくにCO2の削減については、世界43カ国に設置されたApple直営店やオフィスの電力を100%、太陽光や風力の再生可能エネルギーでまかなっているという偉業的な成果を達成。

あまりにもビッグなニュースだったためか、この発表は先週、今日のアースデイの報告に先立ってリリースされました。今回のトップページのタグラインにもなるほどなんで、それほど大きな達成なんですね。ほんと、あっぱれ。

これは偉業。Apple、自社電力の100%を再生可能エネルギーでまかなっていると発表

輝やかしいマイルストーンです。3月末に行なわれたイベントで取り上げられた「教育」、デバイスを安心に使うための「情報プライバシー」、そしてiPhon...

https://www.gizmodo.jp/2018/04/apple-environmental-initiatives.html

ストアのCO2排出量を実質0にしたApple。しかしモノを作るには、サプライヤーの工場(それも大きな工場)を動かすわけで、製造にはまだまだCO2の排出があるみたい。Appleは、いわゆるカーボンフットプリント(製造から私たちが使うまでの1サイクルで排出される炭素量)のデータも公開しました。サプライヤーによるCO2排出量も徐々に減る方向にむかっています。

報告書のデータを見ると、2016年は1年で2950万トンのCO2排出量、対して2017年は2750万トン。1年で200万トンも減りました。ここには製造するときに出るCO2だけでなく、その製品を使う私たちユーザーの電力消費によるCO2排出量も含まれています。

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Image: Apple
2750万トンの内訳

2750万トン全体のなかでも、77%は製造で、17%がユーザーによる電力消費で生まれるCO2排出。製造での電力削減がいかに大事かよくわかります。

使用時の電力消費をおさえるためには、Retinaディスプレイの電力まわりの設計をうまくしたりしているんですって。Apple製品全体の平均でいうと、2008年から68%の省電力を達成。駆動時間が増えて私たちは嬉しいですが、違う視点でみれば、電気を使う量も減るから環境にも優しいと。なるほど。

新しいiPhone分解ロボ「Daisy」登場

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Image: Apple
Daisy

Appleの目標は「いつの日か地球からの採取を完全にやめること」。つまりは、いま世にある製品からリサイクルした素材だけで、これから先すべての製品を作ること。資源を採るとしても、再生可能な資源で100%まかなうことを目指しています。今でもApple製品の箱は、リサイクル素材と「責任ある方法で調達された素材」だけを使ってできているそう。

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Image: Apple
Appleが目指す、これ以上の資源採取を行なわず製造する「クローズド・ループ」の構想

さて、資源を採らないためには、リサイクル効率をあげることが重要です。その方法とは、リサイクルするApple製品から、できるだけ多くのレアメタルをとることですね。ここで活躍するのが今日発表された新しいiPhone分解ロボットの「Daisy(デイジー)」です。Daisyは、2016年に作られた「Liam(リアム)」に代わるiPhone分解ロボで、自動でパーツを認識して、バラして、分類までしてくれます。

人力リサイクルでは見逃していたレアメタルも見つけられるという賢さが、リサイクル効率を上げてくれるミソ。人間がやったらどうなのかわからないですが、10万台のiPhoneで金1kg取れるみたいです。しかも作業効率は、1時間で200台。

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Image: Apple

合わせて今日発表された報告書のなかには、リサイクルに関するものがもうひとつ。Appleの「GiveBackプログラム」を使って、リサイクルまたは下取りを4月30日までに行なうと、地球環境の保全·保護を推進するコンサベーション・インターナショナルに寄付されます。リサイクル出したiPhoneは、もしかしたらDaisyがバラしてくれるかもしれませんね。

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Photo: 山本勇磨
Apple 新宿店内のiPhone・MacのスクリーンセーバーもDaisy仕様になっていました(画像クリックで映像を表示)

Appleが「環境、環境」って言いまくっているのも無視できない

Appleの目標っていつも高いし、私は素人なので「採取資源0、それいける?」って思ってしまいます。でも、実際に自社施設の消費電力を100%再生可能エネルギーでまかなっていますし、リサイクルに関しても、Apple製品の紙パッケージは、リサイクル素材と「責任ある方法で調達された素材」で100%作られています。Appleは常に、何か凄いことを達成してくれそうな片鱗を見せているんですよね。

そのうえ、Appleが言うには「製品を使える期間が長いほど、新しい製品を作るために地球から採取しなければならない資源の量は減ります」ということ。つまり、製品を長ーく使える高品質なものにすれば、リサイクルする必要も減るわけで、良い製品は自ずと資源削減にも貢献するという姿勢も持ち合わせています。何も直接的な環境保全だけじゃなくて、Retinaディスプレイだって誠実に進化させれば、液晶の電力量が減るというわけ。そういう考え方でAppleがモノを作っていることを知ると、Appleファンとしては、なんかAppleが「環境、環境」って言いまくっているのも無視できない気がしますね。


Photo: 山本勇磨
Image: Apple(1, 2
Source: Apple(1, 2, 3

(山本勇磨)